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    March 31

    メビウス第50 話「心からの言葉」

    ついに最終回を迎えた今回。さっそく感想にいってみましょう!

    まずは、ストーリー。
    先週の絶望的ラストの続きです。
    光を閉ざされ、闇に覆われた地球。メビウスは変身能力を失い、ザムシャーの死に、ヒカリは敗北。さらにリュウの乗ったガンクルセイダーの空中分解…。
    万策尽きたガイズは半ば絶望します。すると、そこに「ミライ、俺なら生きてるぜ」というリュウの声が聞こえ、消失したウルトラマンヒカリが再び降臨します。ヒカリは、リュウの声で「そう簡単に死んでたまるか。セリザワ隊長に頼まれたんだ。地球の事、お前の事を」と言い、ナイトブレードを展開。エンペラ星人にむかって行きます。
    しかし、エンペラの圧倒的パワーに押され、次第に劣性に立たされます。すると、もはや人間体を維持する事も困難なほど弱っていたミライの体が光に包まれ、メビウスに変身します。メビウスはヒカリに加勢。それぞれメビュームシュートとナイトシュートを放ち、エンペラを撃ちます。しかし、星人はマントを使ってそれを吸収。「まだ歯向かう力があるとは。戯れに仕向けた四天王を退けただけの事はある。しかし、もう終わりだ!!」と豪語し、右手に特大のエネルギーボールを形成。それでメビウスを攻撃します。ヒカリは援護に回ろうとしますが、星人は左手の波動でそれを牽制。その間に、メビウスは致命傷を受け、消滅してしまいます。
    それを見たエンペラは「分かっただろう?ウルトラの一族は決して余には勝てぬ事を」と満足気に豪語。
    ヒカリは「てめぇ、ミライに何しやがった?」と最後まで抵抗するも、エネルギーが尽きたため、こちらも消失してしまいます。二人のウルトラマンが相次いで倒れるというのはガイアの展開ですね。
    ガイズは「私は誰一人、犠牲者は出さぬと言った。すぐに救助!」とのトリヤマ補佐官の指示で、上層部の4人とカコ、ファントン星人を半壊したディレクションルームに残して全員出動します。

    ガイズはリュウを発見する事は出来たものの、ミライは行方不明となってしまう(この段階で、メビウスは一度死に、エネルギーだけの存在になっていたのでは、という解釈も出来ます)。
    今度こそ完全に万策尽きたガイズは、絶望的になります。
    すると、そこに「本当にそう思うか?」という北斗星司の声が聞こえます。それは、謎の高エネルギー体に覆われ、闇に閉ざされた太陽を救うためにやって来たエースの声だった。
    「君たちになら聞こえる筈だ。今はそばに居なくとも、勝利を信じてともに戦ってきた仲間の声が」と彼は言います。
    続いて郷秀樹も「目をそらしてはいけない。地球の未来は今、君たちに託されているのだ」と告げます。
    さらに、モロボシ・ダンが「君たち人間が居たから、われわれはどんな強敵とも戦ってこれた。君たちなら、その事を教えられる」と言い、最後にハヤタ・シンが「そして救ってくれ。弟を。君たちが培ってきたものがあれば、必ずや地球は守り抜ける!」と…。

    伝えるべき事を伝えたウルトラ4兄弟は、メタリウム光線、ワイドショット、スペシウム光線のダブルアタックで太陽を撃ちます。

    一方、ウルトラ兄弟の言葉で勇気づけられたガイズはリュウを激励。すると、リュウの右手にナイトブレスが現われ、「もう一度力を貸して下さい。僕達の最後の戦いのために」というミライの声が聞こえます。
    ミライは「ナイトブレスは奇跡の力を持った伝説の超人ウルトラマンキングから授かったものなんです(この辺の事情は「ヒカリサーガ1」で詳しく語られています)。それに、ヒカリが言っていました。来るべき戦いの時このナイトブレスが必要になる、と」と説明。それで全てを理解したリュウは仲間と手を重ねて、ナイトブレスを発動。ブレスの力で復活したミライがそれに加わり、サコミズ隊長の「クルーガイズ、サリーゴー!」を合図に6人(!!)がかりで変身。最終形態メビウスフェニックスブレイブとして降臨。
    エンペラ星人は少しビビるも、「言った筈だ!ウルトラマンは決して余には勝てぬと」と波動で攻撃。
    しかし、フェニックスブレイブはそれを難なく受けとめると、逆にそれを押し返しダメージを与えます。

    一方、サコミズ隊長は以前タケナカ最高総議長から預かったカードキーでファイナルメテオール「スペシウムリダブライザー」を解禁。ファイナルメテオールは、ウルトラマンのスペシウムエネルギーを増幅するための装置だったとのこと(出てきた時は一瞬、人工太陽かと思いましたよ(笑))。
    サコミズは、メビウスに「メビュームナイトシュート(勝手に名前付けちゃって良いんですか?サコミズ隊長)」でリダブライザーを撃つように指示。エンペラ星人に増幅された光線が直撃しますが、エンペラ星人はそれに耐えました。そして、逆に膨大なエネルギーに耐えかねたリダブライザーが崩壊をはじめます。すると、そこでサコミズの耳に謎の声が聞こえる。そして、それに導かれた彼は光に包まれ、宇宙警備隊隊長ゾフィーに変身します。そして、M87光線でメビウスに加勢。メビウスも、十字の構えからワイドショット型の構えに移行。さらに光線を強化します(さしずめ「メビュームナイトショット」とでも言うのだろうか?)。
    この究極のダブルアタックで3万年前の古傷と、前回ヒカリに付けられた傷が開き、エンペラ星人は悶絶。しかし、この期に及んで尚「余は暗黒の皇帝。光の国の一族などに敗れはせぬ!」と豪語。
    しかし、最終的にはフェニックスブレイブが放った火球(「メビュームナイトバースト」とでも言うのだろうか?)で胴体を貫通され、それが致命傷となったのか、あちらこちらから光が漏れだします。そして「余は、ウルトラマンに負けたのではない。人間の希望というちっぽけな光に、ウルトラマンと人間の絆に負けたのか。ああ、余が…余が光になっていく…」と、味のある言葉を残して光の粒子となって消えていきました。
    その後、ウルトラ兄弟とレオ兄弟の活躍で太陽は復活。
    サコミズと分離したゾフィー、リュウと分離したヒカリ、ファントン星人、カコが地球を去り、ミライもガイズメモリーを隊長に返還。「最後の戦いがおわった今、僕には新しい使命ができました。この星の人たちと共に得た、大切なものを、光の国の新たなウルトラマンたちに伝えていきます。さようなら。今までありがとうございました」と言い残して仲間の元を去ります。
    そしてその後(たぶん数年後と思われる)、リュウは隊長としてガイズに居た…。
    感想としては、良い締め括り方だと思いました。ヒカリサーガを含めたそれまでの話の中で積み重ねられてきたものが、最大限に生かされていて。
    ただ、残念だったのは、番組中のCMが多すぎて、少し興醒めしたところです。まあ、民放でやっている以上は仕方ないとは思いますが、せめて最終回くらいは、もう少しCMの本数を考えてほしかったです。

    では、続いてキャラクター個別の感想。

    エンペラ星人。今回も名悪役を演じてくれました。
    ガイアのラスボス・ゾグを思わせる圧倒的パワー。暗黒四天王はほんの戯れにすぎなかったと言うのだから、そのすごさが分かります。
    計画もほぼ完璧でした。ただ一つの誤算が、人間を侮った事でしょう。メフィラスも言っていましたが、人間を甘く見てはいけなかったのです(その点では、メフィラスの方がすぐれていたのかも知れませんね)。「力のみに頼るものは、より大きな力によって滅びる」、これが彼の残した教訓でしょう。
    ただ、一つ疑問なのは、光の粒子となって昇天した意味です。エンペラ星人が死んだというのが一般的な解釈でしょうが、コスモスの最終回でカオスダークネスがカオスヘッダー0になったみたいに、光の意味を知ったエンペラが光の存在として生きる道を選んだのではないかという解釈も出来ます。
    いずれにせよ、大悪役の最期を飾るに相応しい、味のある演出だったと思います。

    サコミズ隊長。隊長兼総監兼ゾフィー。やはりあなたはすごい人です!
    ただ、ゾフィーとの関係に関しては、ちょっと疑問が残りました。単純にサコミズ=ゾフィーではありませんでしたからね。
    私的には、ゾフィーの人間体というものはもとより存在せず、今回は彼がサコミズと一時的に一体化しただけなんだと解釈しています。ゾフィーが一体化した理由は、たぶん地球上でより大きな力を発揮するためには地球人と一体化する必要があったからでしょう。そこのところをもう少し深く掘り下げて欲しかったですね。
    戦闘終了後は、隊長職は退いた模様。

    リュウさん。今回はいつになく弱気でした。セリザワから託された力でヒカリに変身(ただし、完全に一体化した訳ではない)。敗北するも、その後ガイズメンバーと共にフェニックスブレイブに変身。
    勝利後は、サコミズに代わって新生ガイズの隊長に就任。

    マリナさん。北斗星司と対談。「しっかりやんなさいよ」とさっぱりした言葉でミライを送る。勝利後は、レーサー復帰した模様。

    コノミさん。モロボシ・ダンと対談。ミライに「ずっと応援してるからね」と言う。勝利後は、無事保育士になれたらしい。

    ジョージ。郷秀樹と対談。「いい顔してるぜ、アミーゴ」と言ってミライを見送る。その後、スペインリーグに復帰したらしい。

    テッペイくん。ハヤタ・シンと対談。「君と出会えて本当に良かった」とミライに言う。その後、医大を無事卒業した模様。

    トリヤマ補佐官。今回も部下思いで格好よかった。しかし、ファイナルメテオールの事は知らなかった模様(悲)。

    マル。先週負傷したものの、大した事はなかったらしい。出動を躊躇うガイズに「大丈夫!ここは私たちの思い出の場所でもあるんだ!」と言う。

    ミサキ女史。ファイナルメテオールについて「メテオールとは本来、人間がウルトラマンの心に答えるためのもの」と解説する。

    カコ。ミライにはもう変身する力など残されていない筈だと言い、サコミズから「不可能を可能にする。それがウルトラマンだ」と教えられる(確か、ダイナの最終章でもこんなやりとりがあったような…)。勝利後、ファントンとともに姿を消す。

    ミライ。一度は消滅するも、ナイトブレスの力で復活。ガイズと力をあわせてフェニックスブレイブになる。勝利後は、後輩の育成のため光の国に帰還。しかし、ここで一番不憫なのはアヤさんです。あそこまで愛してくれた彼女に、せめて一言くらい別れを言っていって欲しかったです。

    ウルトラの父。光の国からエンペラと対談。「地球を照らす太陽の光は消せはしない。光があるからこそ闇がある。闇があるからこそまた光がある」と言う。

    ウルトラ兄弟。ゾフィー以外の5人(マン、セブン、帰マン、A、タロウ)とレオ、アストラ、80が登場。太陽を復活させた。ユリアン、キング、母は登場せず(ちょっと残念)。

    フェニックスブレイブ。メビウスの最終形態。メビウスとヒカリを合体させたイメージ(ウルトラマンレジェンドと同じパターンです)。デザインはコスモスのエクリプス的。技は、基本的に今までの技の強化版(グリッターティガとかノアのイメージですね)。
    インフィニティーの時と同じく、戦闘終了後は消滅。
    スペシウムリダブライザー。ファイナルメテオールの正体。早い話が、スペシウムエネルギー増幅装置。柱状の形態で出現し、使用時は人工衛星のソーラーパネルのように羽が開く。形状はネクサスのレーテを思わせました。
    戦闘のラストで崩壊。

    アライソ整備長。戦闘中のインサートで登場。同じくイサナ隊長、アサミさんも登場(出来れば、食堂のおばちゃんにもご登場願いたかった)。


    総評。ウルトラマン40周年記念作品として相応しい、壮大なストーリー展開が良かったと思います。
    どうやら、次のシリーズまでは暫く充電期間があるみたいですが、シリーズ再開の折には、より上をいく作品を提供して頂きたいと思います。それまでは、過去の作品のDVDでも観ながら待つことにしましょう。
    March 27

    年度末のイラストUP!

    いやあ、3月ももう終わりですね。早いものです。
    小さい頃は、昼寝をしようがテレビを見ようが、一日一日が永遠とも思えるくらいに長く感じていたのに、最近では一週間ですら短く感じます。よく年配の方が「年をとると、時間が束になって過ぎていく」とおっしゃいますが、それを「そりゃないだろ~」なんて笑っていた頃が夢のようです。はぁ~(ため息)。
    なんだか、悲しい話になっちゃいましたね(苦笑)。さ、気を取り直して今週もイラスト紹介にいってみましょう!
    まず、一枚目は「ウルトラマンヒカリ」。最初はメビウスのアンチテーゼキャラとして登場した彼ですが、今はれっきとした宇宙警備隊員です。彼を描く上で、一番苦労したのが、頭です。彼は、他のウルトラマンと耳(?)の形状が異なるので、バランスをとるのが大変でした。
    二枚目は、「ロベルガーとノーバ」。新旧円盤生物の競演ですね。ノーバは、シンプルデザインが特徴的だった昭和の円盤生物の代表選手ですね。改めてこうして並べて見ると、新旧の違いがよく分かります。
    三枚目は、名づけて「哀愁のリム」。この作品に限っては、絵の解釈は皆様にお任せします。宜しければ、この絵の印象をコメント欄に残していって下さると、嬉しいです。
    四枚目は、「ケムラー」。毒ガス怪獣ですね。コイツの不気味さを感じ取って戴ければ、本望です。
    五枚目は、性懲りも無くペイント画で、「ウルトラセブン」。普通のマウスとPC標準装備のペイントで、なかなか健闘したと思ってます。自分的には。
    六枚目は、「ダンとアンヌ」。ウルトラセブン最終回『史上最大の侵略(後編)』のいわゆる告白シーンを再現したものです。二人の身長差を考えれば、この絵は絶対にありえないのですが、ダンにとってアンヌは、彼が地球を去った後もずっと大きな存在であり続けたのではないでしょうか。そういう意味をこめて、アンヌをやや高い位置に配置しました。
    七枚目は、「パンドン」。上で紹介したセブン最終回の敵キャラです。どうでもいい事ですが、私の好きな怪獣ベスト5に入ってます(あとの4体は、キングジョー・ゼットン・ジャミラ・ノーバです)。『ウルトラセブンEVOLUTION』にはネオパンドンというのが出ていますが、個人的にはオリジナルであるこちらの方が好きですね。メビウスにも出演して欲しかったです。
     
    また感想などがありましたら、コメント欄に残していって戴ければ嬉しいです。オリジナル小説の方も新展開を迎えておりますので、そちらもお見逃しなく!

    オリジナル小説 第四十弾!!

                    ウルトラマンA THE ZERO 第四十章 見よ!真夜中の大変身
     
     ファイターワンの最期を見たルナは歯噛みした。
    「ねえ、ルナ」
     傍らからクレアが囁いた。
    「あなたの力で、何とか出来ないの?」
     ルナは気がついた。
    (そうだ…。まだ彼女には重大なことを伝えていなかったのだ…)
    「クレア…」
     ルナは言った。
    「いいかい?よく聞くんだよ…。ウルトラマンルナは、もう僕一人のものではないんだよ…」
    「え…?」
     彼の意図を掴みかねて、クレアは怪訝そうな顔をした。
    「ウルトラマンは…、僕であり、君なんだよ…」

     その時、援軍の攻撃機10機が到着した。
    「ひでぇ…。なんて事だ…」
     部隊長のタケダ大尉は呟いた。
    「隊長。ご指示を…」
     部下のパイロットがそう言ってきた。
    「よし。各機、私に続き、敵を攻撃せよ。決して市街地に入れてはいかん!」
    「了解!」
     10機の攻撃機の群れは、隊長機を先頭にVフォーメーションを組んだまま、ブラックガロンに向かっていった。
     そして、至近距離からロケット弾を撃ち込む。
     雨あられの如く、ロケット弾がブラックガロンに降りかかる。
     敵は、瞬く間に炎と弾着の煙に包まれた。
    「やったか?」
     タケダは黒煙に包まれた敵の姿を認めようと、目を凝らした。
     しかし、その期待は裏切られた。
     ブラックガロンは健在だったのだ。
     ブラックガロンはまるで自分を倒せなかったタケダをあざ笑うかのように、咆哮した。
     タケダは歯噛みした。
    「怯むな!全機、攻撃を続行せよ!!」

    「どういうこと…?」
     クレアは困惑した目で言った。
    「僕は、あの瞬間―君を生き返らせた瞬間―に、ウルトラマンの生体エネルギー、つまり命を半分君に与えたんだ。だから、君は瀕死の重傷から立ち直る事ができたんだ。君の左の中指にはまっているウルトラリング、それがその証拠なんだ」
    「……」
     クレアは黙ってウルトラリングを見た。
    「しかし、それは同時に、ウルトラマンという一人の巨人を、二つに分かつことだったんだ。つまり、今の僕には半分のウルトラマンしか居ないんだ」
    「じゃあ、残りの半分は…」
     ルナはコックリ頷いて、
    「そうだよ。君の中に居るんだよ…」
     と、言った。
    「半分でも、人間として暮らす分にはなんの問題もない。しかし、ウルトラマンにはなれない…」
    「じゃあ、どうすれば…」
    「僕の中のウルトラマンと、君の中のウルトラマン…。その二つをあわせるんだ」

     同じ頃、空軍の攻撃機は、タケダ機を含めて5機にまで減っていた。
     彼らはとりあえず敵の攻撃の届かない上空を旋回していた。
    「何て手強い奴だ…。あの火花と舌を封じなければ、迂闊に手が出せんな…」
     タケダは呟いた。
    「奴に死角はないのか?」
     部下の一人が言った。
    「背中なら…」
     と、別の部下。
    「馬鹿!背中は特に頑丈に出来てるんだ。考えろ!」
    「しかし、何か手を考えねば…」
     タケダは考えあぐねた。
    「隊長!」
    「どうした?」
    「敵が、市街地に向けて進行しています!」
    「何ぃ?!」
     見ると、確かにブラックガロンは街の方に歩みだしていた。
    「畜生!こっちが手を出せないのをいい事に…」
    「毒づいていても、仕方が無い。一か八か攻撃してみよう」
     タケダは言った。
    「しかし…」
    「無謀は承知だ。しかし、このまま奴が街を破壊するのを、こんなところで眺めているわけにはいかんだろう」
    「それは、そうですが…」
    「よし。全機私に続け!正面に回り、敵の進行を食い止める!!」
    「了解!」
     しかし、それはあまりに無謀と言えた。
     5機の攻撃機が、正面に周り攻撃アプローチに入ると、まるで「待ってました!」とばかりにブラックガロンは不気味な雄たけびを上げた。そして、
    「うわぁ!!」
     まず、一機が敵の舌に捕まった。
    「脱出しろ!」
     タケダは叫んだ。
     しかし、時既に遅し。
     ブラックガロンは捕まえた機体を振り回して、それを後続の別の機体にぶつけた。
    「ああッ!!」
    「ギャアッ!!」
     それは運悪く、さらにもう一機を巻き込む大惨事となった。
     あと、2機。
    「もう私とお前だけだな…。だが、最期まで行くぞ!」
    「はッ!」

    「もう、時間が無いんだ。早く行かないと…」
     ルナは言った。
    「でも、一つにするってどうやって?」
    「簡単な事さ…。僕と心を一つにして、二つのウルトラリングを合わせるんだ。そうすれば…」
    「ウルトラマンになれるのね?」
    「うん」
    「分かった。やってみるわ…」
    「よし」
     そう言うと、二人は目を閉じて、大きく息を吸い込み、吐いた。
     そして次の瞬間、二人は飛んだ。
    『ウルトラ・フライング・タッチ!!』
     空中で一つとなった二人は、眩い光に包まれた。

     一方、上空では、最後の一機がとうとう被弾した。
    「畜生…。ここで終わりかよ…」
     タケダは悔しそうに言った。この高度では、もはや脱出もできまい。
     その時だった。
     彼の機体は不意に、何かに受け止められた。
    「?!」
     慌てて、彼が見ると、そこには青き巨人―ウルトラマンルナが居た。
     彼は、その手で、ひしとタケダ機を受け止めていた。
    「助けてくれたのか…?」
     ルナは大きく頷くと、その機体をゆっくりと安全そうな場所に置いた。

     一方、ブラックガロンもルナの出現に気付いたようだった。
     今まで街の方を向いていたブラックガロンは、回れ右をしてルナの方を向いた。
    「ギャース!」
     ブラックガロンは咆哮した。
    「シュワッ!」
     ルナも、ファイティングポーズをとる。

     一方、地上では、CPKの隊員たちがようやく戦闘態勢に入っていた。
    「ウルトラマン…」
     アルバートが呟いた。
    「よし。俺たちも援護に回るぞ!」
     と、ビリー。
    「ところで、クレアちゃんとルナくんは?」
     と、言ったのはクリスだった。
    「そういえば、あの二人はどこに…?」
     と、シュペーマン。
    「連絡も取れませんよ…」
     と、クリス。
    「しょうがない奴らだな…、こんな時に」
     シュペーマンは舌打ちした。
     しかし、ビリーは存外落ち着いた様子で、
    「そう言うな。きっとあの二人のことだ…。また、逃げ遅れた人でも見つけて、手助けしてるのかも知れない…」
     と、言った。

    「ジュワッ!」
     ルナはブラックガロンに向かって突進した。
     すると、相手もそれに負けじと向かってくる。
     両者は中間地点あたりで激しく衝突し、爆発音に似た大きな音が、一帯に響き渡った。
    「ウオオ…」
    「グググ…」
     両者は一歩も引かなかった。
     そして、やがて激しい取っ組み合いになった。
    「ウオォ!!」
     ルナは投げを打とうとする。
     しかし、ブラックガロンは怪力でそれに対抗する。
     そんな一進一退の攻防が暫く続いた。
     しかしある時、
    「ウワアッ!」
     ブラックガロンに、内側から脚を払われてバランスを崩したルナは、激しく転倒し、さらにその上から敵がのしかかってきた。
     相手の体重が、容赦なくルナの身体に襲い掛かってきた。
     ルナは何とかそれを押しのけようとするが、まるでビクともしない。しかし、それは相手の体重のせいだけではないように思われた。

    「ウルトラマンが危ない!援護するぞ!!」
     ビリーは、ジープから降ろしたロケットランチャーを担いで言った。そして、
    「アルバート、シュペーマン。俺に続け!」
     と、トリガーを引いた。
     激しい反動と共に、ロケット弾が撃ち出された。それは、夜空に白い軌跡を描いて、ブラックガロンの甲羅に直撃し、火柱を上げた。
     続くシュペーマン、アルバートもそれに倣う。
     しかし、そのいずれもあまり功を奏してはいなかった。
    「駄目だ…。こんな武器じゃ、歯が立たない…」
     アルバートが言う。
    「馬鹿野郎!諦めてどうする?見ろッ!ウルトラマンだって必死で戦ってるじゃねぇか!!俺らじゃなくて、誰がウルトラマンをフォローするんだ?!」
     そう一喝すると、ビリーは次の武器を取った。
     それは、白兵戦用の『アサルトランチャー』だった。
    「俺が、こいつで至近距離から奴を撃つ!お前たちはここから援護しろ」
     ビリーは言った。
    「無茶ですよォ…」
     クリスは言った。
    「同感だな…。命を捨てるようなもんです」
     と、シュペーマン。
     しかし、それでもビリーは意志を曲げなかった。
    「じゃ…、頼むぞ!」
     そう言い残して、ビリーは敵のいる方へ駆けて行った。

     

    オリジナル小説 第三十九弾!

                   ウルトラマンA THE ZERO 第三十九章 夜襲!
     
     それから2日後の夜、その情報は突然飛び込んできた。
    「何事ですか?」
     電話を取り次いだ、病院の事務員から受話器を受け取ったビリーが言った。相手は空軍の管制官だった。
    「こちらのレーダーが、未確認の飛行物体の影を捉えました。方位は北北東。座標○○からそちらに真っ直ぐ向かっています」
     と相手は言う。
    「到達予想時刻は?」
    「このままで行けば、およそ30分後には…」
    「隕石である可能性は?」
    「皆無です。衛星にも感度はありませんでしたし、第一飛び方が不自然です」
    「航空機か?」
    「いいえ。こんな機影の航空機は見たことがありません」
    「迎撃できないか?」
    「2分ほど前に、当方の戦闘機二機がスクランブル発進しました。五分後に目標と接触します」
    「何か分かったら、追って連絡しろ」
     そう告げて、ビリーは受話器を置いた。
     振り返ると、もう既に、隊員たちがやって来ていた。
    「傷はもう良いのか?」
     ルナとクレアを見て、ビリーは訊いた。
    「大丈夫です」
     二人は同時に答えた。
    「何事ですか?」
     シュペーマンが全員を代表して訊いた。
    「正体不明の飛行物体の影を、空軍のレーダーが捉えた」
    「また、円盤生物ですか?」
     慌てた様子でルナが訊いた。
    「まだ何ともいえない。空軍が今、調査に向かってる。まもなく結果が伝えられる筈だ。それを待とう」
     努めて冷静に、ビリーは言った。
    「ここに向かっているんですか?」
    「そうらしい…」

     同じ頃、怪飛行物体が確認されたポイントには、空軍の戦闘機が到着していた。
     ソレイユシティーから北北東に、数百キロの地点の洋上である。
    「こちらファイターワン」
     戦闘機のパイロットは言った。
    「目標は発見したか?」
     管制官は訊く。
    「はい。何か、巨大な飛行物体が見えます」
    「航空機か?」
    「そうは見えません」
    「では、何に見える?」
    「そうですね…。何と形容したらいいか…。ううん…、表面はまるで岩石のようにゴツゴツとしています。金属ではありません。大きさは…、およそ4~50mでしょうか」
    「他には?」
    「火花を吹いています。とても綺麗だ…」
    「火花?」
    「ええ。まるで流れ星の尾のようです」
    「宇宙船か?」
    「分かりません。攻撃しますか?」
    「いや、待て。一応警告を与えろ。万が一宇宙船だった時が厄介だ」
    「了解」
     そう答えると、パイロットは無線で呼びかけた。
    『警告。貴船はわが国の領空を侵犯している。直ちに応答が無い場合は、遺憾ながら貴船を撃墜しなければならない。応答せよ、応答せよ』
     それを数回繰り返したが、何の音沙汰も無かった。
    「応答ありません」
     彼は管制官に報告した。
    「そうか。では、仕方が無い。威嚇射撃を許可する」
    「了解」
     すると、物体と平行して飛んでいた二機の戦闘機は、散開して攻撃態勢に入った。
     そして、二機は一斉に機銃掃射による威嚇を始めた。
     暗くて見えなかったが、撃つたび、下の海面には白いしぶきが上がった事だろう。
     しかし、物体は相変わらず何の反応も示さなかった。
    「おかしいな…」
     パイロットは言った。
     すると、一緒に飛んでいる同僚も、
    「どうして、何の反応も示さないんだ?やはり、あれは宇宙船じゃないんじゃないか」
     と言い出した。
    「管制塔。指示を請う」
     パイロットは言った。
    「では、撃墜を許可します」
    「了解」
     すると、パイロットは同僚に、
    「よし。俺たち相手になめた真似をしたらどうなるか、宇宙のお客さんにとくと教えてやろうぜ!」
     といい、同僚も
    「了解!」
     と応じた。
     二機の戦闘機は、物体の後方に付いた。
     そして、再び機銃掃射。もちろん今度は威嚇ではない。
     二機の放った銃弾は、物体に直撃した。しかし、
    「何てことだ?!」
     パイロットは思わず声を上げた。
     物体は、機銃の弾をマシュマロのように弾いたのである。
    「何て頑丈な奴だ…。機銃じゃ駄目だ…」
    「大変です。市街地が近づいています。早く片付けないと…」
    「よし。サイドワインダーに切り替えて再度攻撃だ。次で仕留めるぞ!」
    「了解!」
     二機の戦闘機のうち、ファイターワン(一号機)が先行して飛び、物体の真後ろについた。二号機は一歩退いて、それを見守る形となった。
    「よし。これで終わりだ…」
     物体を照準器の〔+〕マークにあわせながら、パイロットは呟いた。
     そして、照準がロックされたことを知らせる「ピー」という音を合図に、彼はトリガーを引いた。
     それと同時に、右の主翼に装備されたミサイルの一本が切り離され、点火した。そして、一直線に目標の物体へと吸い込まれていった。
    「行けっ!」
     着弾。そして爆発。
     物体は紅蓮の炎に包まれ、夜空に一際明るく輝いた。
     物体は、徐々に高度を失い、緩やかな下降線を描いて、ソレイユシティーの外れの造成地に土砂を巻き上げて落下した。
    「こちら、ファイターワン。目標の撃墜に成功した。目標は街外れの造成地に落下した模様。人的被害の有無は不明だが、見る限りでは付近は人家がまばらで、特に大きな被害は出ていないようだ」
     一号機のパイロットはそう報告した。
    「ご苦労。あとはCPKと警察の仕事だ。君らはもう引き揚げ給え」
    「了解」
     そういって機体を旋回させようとした時だった。
    「おい、あれは何だろう?」
     と二号機の同僚が言った。
    「何?」
     と、先ほど物体が落下した地点を見下ろして、パイロットの顔色が変わった。
    「管制塔、管制塔。応答せよ!」
     彼は言った。
    「何事だ?」
    「大変だ。物体が…」
    「物体がどうしたというんだ?」
    「物体は…、物体は生物でした!!」
    「何だと?」
     パイロットが見たもの…、それは物体の落下したクレーターから這い出してきた亀のような円盤生物『ブラックガロン』であった。
     二本立ちになると、ブラックガロンは頭上を飛ぶ二機の戦闘機を目で追った。

     ちょうどその頃、空軍から落下地点を教えられていたビリーたちは、ジープで現場近くまで来ていた。
    「あれは…!」
     アルバートが思わず声を上げた。
    「円盤生物だ!」
     彼の言を継ぐ形で、ルナが言った。
    「クラゲ、テルテル坊主ときて、今度は亀か…」
     とシュペーマン。
    「どうするんですか?」
     とクリス。
    「とりあえず、攻撃は空軍に任せて、住民の避難が先だ!」
     ビリーは言った。
    「簡単に言わないで下さいよ。ただでさえ暴徒化寸前の市民を、この大パニックの中でどうやってスムーズに避難させるんです?」
     シュペーマンは反発した。もっともである。
    「だが、何もしなけりゃ、救える命も救えねぇ。とにかくベストを尽くすんだ!」

     二機の戦闘機は、ブラックガロンの周りを旋回していた。
    「ファイターワン、ファイターツー。まもなくそちらに応援の部隊が到着するはずだ。それまで、敵を足止めしておいてくれ」
     管制官は言った。
    「どれぐらい稼げばいいんです?」
    「15分程度だ」
    「了解。やってみます」
    「健闘を祈る」
     そこで、管制塔との交信を終えると、今度は二号機からの通信が入った。
    「おい。あの怪獣の野郎、こっちを睨んでるぞ」
    「そりゃそうだろう。やっこさんを撃ち落した張本人なんだから」
    「どうする?」
    「どうするもこうするも、俺たちにできることは一つだろう」
    「ああ」
    「足止めといわず、俺たちで仕留めようぜ!」
     二機の戦闘機は急上昇し、ブラックガロンに真上から機銃掃射を浴びせた。
     しかし、相変わらず意に関せずという顔をしている。
    「面の皮が厚すぎるぜ…」
     そこで、今度は二号機が敵の正面からサイドワインダーで攻撃する事になった。
    「食らえ!」
     二号機はミサイルを連射した。
     ミサイルは、すべて敵の身体で炸裂し、そのたび激しく火柱を上げたが、それ以上の効果があるようには見えなかった。
    「畜生め!」
     二号機は敵の鼻先を掠めて、そのまま急上昇しようとした。その時だった。
    「危ない!!」
     と、一号機のパイロットが叫んだときには既に手遅れだった。
     ブラックガロンが、両手先の穴から、火花のようなスパーク光線を噴出したのである。
    「うわあッ!」
     火花に包まれた二号機は瞬く間に火ダルマとなり、爆発四散した。おそらく、脱出する暇も無かったろう。
    「貴様ーーー!!!」
     一号機のパイロットは絶叫すると、敵の目線よりも上の高度を維持したまま正面から接近した。
     そして、同僚の弔い合戦とでも言うように、ミサイルを畳み掛けるように撃ち込んだ。
     彼は確信していた。あの火花は目線よりも上には飛ばない、と。
     計算どおり、ミサイルを撃ちつくして上昇する時も、敵の火花を浴びることは無かった。しかし、
    「うおッ!!」
     上昇する途上、彼の機体を激しい衝撃が襲った。見ると、機体は空中で完全に静止してしまっている。
    (どうしたんだ?!)
     怪訝そうに後ろを見て、彼は絶句した。
     彼の機体を引き止めたもの―それは長く伸びたブラックガロンの舌だったのだ。
    「管制塔、こちらファイターワン。家族に伝えてくれ。『愛していた』と」
     直後、ファイターワンとの交信は途切れた。永久に…。
    March 24

    メビウス第49 話「絶望の暗雲」

    たぶん、劇場版をも越えるであろう、大規模なセット破壊シーンや、戦車による戦闘シーンなど、特撮の醍醐味が詰まった内容だった今回。さて、さっそく感想にいってみましょう。

    インペライザー。今回も大暴れでした。というか、戦車と戦うシーンなどはカイザードビシそのものでした。
    まず、前回ラストで、ガンフェニックストライカーを撃墜し、メビウスを圧倒した第四のインペライザー。一度は勝利したかに思われましたが、市民の声援に励まされたメビウスが最後の力を振り絞って発動したメビュームダイナマイトによって、あえなく散ってしまいます。
    その後、皇帝の命令で全個体がフェニックスネストの周辺3キロ以内に集結。市街地(たぶん、立川市)を破壊しながら直進します。ガイズは、シルバーシャークG、1200ミリシンクロトロン砲、戦車、回転砲台などで応戦し、何とか1体を倒すことに成功しますが、ドリルミサイルの直撃でシルバーシャークGを一門失い、次第に圧倒されていきます。フェニックスネストはフライトモードに移行できないほどの深刻なダメージを被り(格納庫が崩れ落ちていくシーンは、シルバーブルーメに襲われるMACステーションを彷彿とさせ、グッとくるものがありました)、ガイズはほぼ全戦力を失う事となりました(粒子加速機が大破したため、マケット怪獣も使用不能)。
    そんな中、インペライザーはトドメの一撃を加えようとしますが、そこに前触れなくザムシャーが見参。大根切りで一刀両断されました。さらに、サイコキノ星人カコがテレキネシスで残骸を圧縮処理したため、再生もかなわず敗退しました。

    ザムシャー。かつて、ツルギに挑戦しにやってきた「宇宙の剣豪」。
    何の前触れもなく見参。窮地のガイズを救い、ミライに「勘違いするな。貴様は俺が斬ると決めた相手だ」とか言いました(格好いいぜ、ザムシャー!)。
    その後、エンペラ星人が降臨しても怯む事無く対峙。「エンペラ、参る!」と言って威勢よく切り掛かりますが、波動みたいなもので吹っ飛ばされて一蹴されます(まあ、あんな相手に真正面から行ったらねぇ…)。その後も、波動や光弾で追い打ちをかけられ、次第に消耗していきます。
    しかし、ヒカリ(ツルギ)とガンクルセイダーの参戦に好機を得、再び立ち上がり、ともに攻撃しますが、エンペラ星人に軽く受けとめられ、波動みたいなもので再び吹っ飛ばされてしまいます。それでも尚、反撃を試みますが、皇帝の再三の攻撃で弱り、一時気を失ってしまいます。
    しかし、エンペラ星人がフェニックスネストにトドメを刺そうとすると、最期の力を振り絞り、身を呈してネストを守ります(ザムシャー、やはりあなたは宇宙の剣豪だ!)。そして、「これが、守るという事なのだな…。メビウス…」と言い残して果てました。
    彼のこの言葉の裏には「もう少し早くお前に出会えていたら…」という気持ちがあったんでしょうね。「光の者でもないお前が、なぜに?」などと言うエンペラ星人には、たぶん永久に理解できないでしょう。
    このシーンは見ていて本当に涙が止まりませんでした。ザムシャーよ、永遠に!

    サイコキノ星人カコ。第36話登場の自称「ミライの妹」。初回登場時はいけ好かない感じで、しかも時空波に誘われてきた刺客でしたが、あれ以来改心したのか、今度は味方で登場。
    こちらも、ザムシャー同様、何の前触れもなく登場。「私は、ミライの妹だもん」と言ってガイズに加勢し、テレキネシスでインペライザーにトドメを刺します。その後、皇帝陛下にも攻撃しますが、さすがにかなわず、逆に吹っ飛ばされてしまいます。
    その後、皇帝の攻撃でフェニックスネストが大破すると、叩きつけられて失神。前回は敵同士だったトリヤマ補佐官に介抱されます(ここでは「昨日の敵は今日の友」という事を伝えたかったものと思われる)。

    皇帝陛下。腑甲斐ない手下どもに業を煮やしたのか、ついに参戦。
    最後のインペライザーが倒れると、赤い炎に包まれて降臨し、市街地をこれでもかと言わんばかりに徹底的に破壊します(このシーンは、ビースト・ザ・ワンによる破壊シーンを彷彿とさせました)。
    そして、「余は暗黒の支配者。ウルトラの父よ、光の者たちよ。ついに3万年前の決着を付ける時が来た!」と豪語。その上で「見るがいい。すでに太陽は燃え尽きつつある。今こそすべての光は閉ざされ、そしてこの星も息絶えるのだ!」と言って、地球全体を暗雲で包みこみます(ティガのガタノゾーア、ガイアのゾグとまったく同じやり方ですね)。その上で「ウルトラマンよ。光の者たちよ。おろかな選択をした全ての命もろとも漆黒の闇となり、滅び去れ!余が降臨した以上、この星に未来はない!」と言って攻撃を開始します。
    そして、圧倒的パワーでザムシャー、カコ、ツルギを相次いで一蹴。ガイズの数少ない余剰戦力であるシルバーシャークGも破壊します。
    ガンクルセイダーのスペシウム弾頭弾、ザムシャーの星斬り丸、ツルギのナイトブレードの一斉攻撃を受けるもダメージ無し。逆に、フェニックスネストとザムシャーに致命的ダメージを与えます。その後、ザムシャーの残した星斬り丸を拾ったヒカリに斬り付けられて左脚に深手を負うも、逆上。ガンクルセイダーを撃墜し、勝負を千秋楽…失礼、最終回に持ち越しました。

    ファントン星人。本シリーズで登場した最初の宇宙人。科学特捜隊のイデ隊員がバルタン星人に対して使っていたのと同じ宇宙言語「キエテ・コシ・キレキレテ(ボク、キミ、トモダチという意味らしい)」を使います。一応、カコに協力した模様。

    ウルトラマンヒカリ。またの名をハンターナイト・ツルギ。宿敵ボガールを憎むあまりハンターナイト・ツルギとなり、かつてはメビウスと対立したものの、ボガールモンスに勝利したのちは仲間となり、ババルウ星人戦以降はツルギの力も使いこなせるようになりました。
    今回は、太陽黒点の異常にいちはやく気付き、地球に飛来。エンペラ星人に苦戦するザムシャーに加勢します。
    しかし、彼と二人がかりで攻めても皇帝は強敵。パワーで圧倒され、最終的にはツルギの姿を維持する事も困難なほど消耗し、ザムシャーの星斬り丸で皇帝と刺し違えたのち、消失してしまいました。

    ガイズ。冒頭シーンからガンフェニックストライカーが爆発炎上し、最悪の展開も予想されましたが、幸い乗っていたマリナさん、ジョージ、リュウは無事でした(どう見ても、脱出する余裕は無かったと思うんですが…)。
    その後、ミライを回収してネストに帰還した一行は、インペライザーとの地上戦に備え、シルバーシャークGをはじめとした、あらゆる戦力をスタンバイします。
    これは余談ですが、ガイズが今回使っていた砲台と戦車。どこかで見たやつだと思ったら、よく見るとサイドにマークと一緒に「TPC」って書いてありました(要するに、ティガとかダイナで使ったセットの流用)。うっかり消し忘れたんですかね?或いは、敢えて?ほかにも、汎用戦闘機に混じってマットアロー1号など、歴代の戦闘機もあって、シリーズをずっと見てきたファンとしては結構楽しめました。
    その後、善良な宇宙人たちの協力もあって、インペライザーたちを相手に善戦しますが、圧倒的パワーを誇る皇帝が降臨すると、形勢が悪化。ガンクルセイダー1機を残したすべての戦力を失います。
    最後の希望となったガンクルセイダーにはリュウが搭乗。スペシウム弾頭弾などでエンペラ星人を攻撃し、ツルギに反撃を促しますが、最後は敵の波動で爆発四散しました。

    リム。基地の地下にある粒子加速機が大破したため、消失。同様に、ミクラスやウィンダムも使用不能になりました。

    トリヤマ補佐官。エンペラ星人との全面対決に備えて尽力したり、前回は険悪だったカコの介抱をするなど、今回も大活躍でした。

    マル補佐官秘書。エンペラ星人の攻撃で負傷。その後は不明。

    ミサキ女史。太陽黒点の異常に気付く。その後、マルの介抱をしました。

    サコミズ隊長(総監)。今回も、先頭に立ってガイズクルーを指揮。「見ているか、エンペラ星人。これがわれわれの紡いできた絆だ」という台詞は、心の声ともテレパシーとも解釈できるものでした。という事はやはりこの人が…?

    ミライ。エネルギーを極限まで消耗したため、もはや変身する事すらできない状態に陥ります。

    メビウス。今回は冒頭のみ。渾身のメビュームダイナマイトでインペライザーを倒しますが、自らもかなりのダメージを被ってしまいます。


    次回はいよいよ最終回。クライマックスです。
    サコミズ隊長の言うファイナル・メテオールとは何か?リュウの安否は?ゾフィーの正体は?
    気になる事は数知れず。最後の最後まで引っ張ってくれますね、この番組は。
    次回は、ウルトラの父や、アストラを含めたウルトラ兄弟も出演するようなので、そちらも楽しみですね。
    March 20

    THE イラスト紹介!

    ついに春休みに突入!しかし、急に冷え込んできたせいか、ここのところ少し体調が…。
    さあ、今週も気合を入れていきましょう!
    まず一枚目は、先週登場のインペライザー。以前にも描いた事があったと思いますが、これ単独で描くのは今回が初めてだと思います。こいつが意外に描きづらかったです。
    二枚目は皇帝陛下、エンペラ星人。少しディティールが変わっているような気がしなくもないですが、こいつは描くのにはかなり苦労しましたよ。まずは身体の模様と顔つき。これが結構複雑で…。そして、色ですね。写真は何種類かあるんですが、どれを見てもよく分からないんですよ。映像作品になると、さらに分からないですし(笑)。そのうちにまた、修正版をUPするかも知れません。
    三枚目は、先週登場のシキさん。こちらは特に補足説明は無いです。
    四枚目は、マッキー2号。個人的に好きな機体なので、描いてみました。主翼のバランスをミスったなぁと、今更になって気づきました(苦笑)。ジェットビートルとか、ウルトラホーク1号の復刻版模型はたまに見かけるんですが、マッキー2号はなかなか見ないんですよね。誰か知ってる人がいたら、教えていただけませんか?
    五枚目は、怪獣ボールセブンガー。久々にペイントソフトで描いてみました。ペンタブレットでもあれば、もっとマシなものも描けるんでしょうが、マウスではこれが限界ですね。
    六枚目はジャミラ。個人的には、バルタン星人とゼットンなどの有名どころ以外ではもっとも印象に残っている初代の怪獣です。描くに当たって、一番苦労したのが、角度です。下手するとぬりかべ(ゲゲゲの鬼太郎の妖怪)になってしまいますからね(苦笑)。悲壮感を醸し出すために、目の電飾が消えたバージョンで描いています。
    七枚目は、フジ・アキコ隊員。科学特捜隊の紅一点、初代マンのヒロインですね。こんな重要な人を、何で今まで描かなかったのか、自分でも不思議なくらいです。
     
    体調が悪いとか言いつつ、いつの間にか7枚もUPしてましたね(笑)。
    ちなみに、今回からはイラストの解像度を350dpiに統一させて戴きました。あらかじめご了承下さい。
     
    また、感想などがあれば、コメント欄に残して行って下さると、嬉しいです。
    もちろん、リクエストも募集しております。ただし、土曜日以降に出されたリクエストに関しては、UPされるのはその翌々週になりますので、あらかじめご了承下さい。
     

    オリジナル小説 第三十八弾!!

                 ウルトラマンA THE ZERO 第三十八章 一匹狼
     
     同じ日、レナードはいつもの小屋に居た。
     カレンはまだ眠っている。
     当然だろう。あれだけ長時間、円盤生物に憑依されていたのだから。
     それなのに、彼女は安らかな表情で眠っている。
     レナードはその寝顔を見て思う。
    (この娘が狙われたのは、やはり俺のせいか…)
     俺は、スペーグスとの最初の戦いで傷つき、彼女に助けられた。
     ノーバとの初戦に敗れた時も同じだった。
     そして昨日、彼女はザンパ星人に狙われたのだ。
     星人は見ていたのだ。そして気づいたのだ。
     この娘が、俺のウィークポイントだと。
     しかし、星人の見方は間違っていない。
     俺は、知らずのうちにカレンに好意を…、いや今までに抱いた事の無いもっと特別な感情―この星の人間が“愛”だとか“恋”と呼んでいる感情―を胸の中に抱いていたのだ。
     それは遠い過去、祖先たちが失っていった感情の筈だった。
     しかし、なぜそれが今になって?
     分からない。
     或いは、このイナリーとか言う人間の肉体を借りた事が原因かも知れない。
     便宜上とはいえ、俺はこの男と一体化した。
     そのために、宿主たる彼の原始的肉体の持つ性質が、俺自身に流入してきたことは十分に考えられる。
     しかし、今は理由を考える時ではない。
     こうなってしまった以上、カレンは今後も奴らに付け狙われる事になるだろう。
    (俺としたことが…)
     レナードは頭を抱えた。
     不意に外の空気を吸いたくなって、レナードは小屋を出た。
     もう昼を過ぎている。
     干し草が、牧草が燦々と日光を浴びて、輝いている。
     不意に、レナードは背後に気配を感じた。
    「誰だ?」
     すぐに振り返ることはせず、後ろ向きのままレナードは言った。
    「さすがはレナード。噂に聞くだけはある」
     相手は言った。
     レナードはそこで初めて後ろを向いた。
     そこには、白いローブを着た、若い男が立っていた。首からは、特徴的なペンダントを下げていた。
    「マゼラン星人に知り合いは居ないが…」
     レナードは言った。
     すると、相手は感心したように、
    「ほう…、さすがだ。ならば、話が早い」
     と言った。
    「何の用だ?」
    「お前に頼みがある」
    「頼み?」
    「そうだ。ザンパ星人どもを倒して欲しい。我々のために…」
    「?」
    「ザンパ星人は今、この太陽系を狙っている。しかし、太陽系は要衝だ。ここに奴らの要塞などを建てたらたら、恥ずかしながら我々のような弱小文明はひとたまりもないのだ」
    「弱小だと?笑わせるな。貴様らの文明は、有害と判断した他文明を惑星もろとも滅ぼしていると聞くぞ」
    「ははは…。そこまでご存知とは…。左様。しかし、ザンパ星の戦力を比べたら物の数ではない。この太陽系を中継基地にされたら、間違いなく奴らに攻め落とされるだろう。いや、我々だけの問題ではない。もっと多くの星が戦火にさらされることになるだろう」
     と、星人は言った。
    「だったら、いっそこの星の人間たちと同盟でも組んで、共同戦線を張ったらどうだ?」
    「笑わせるな。そんなことをすれば、ザンパ星との全面戦争になってしまう。そうなれば、奴らは今とは比べ物にならんくらいの大軍勢を送り込んでくるだろう。そうなれば、我々はおしまいだ」
    「だから、表だって動けないというわけか…」
    「そうだ」
    「それで、俺に代理戦争をやれ、と?」
    「そうだ」
    「嫌だといったら?」
     すると、相手は急に鋭い目つきになって
    「その場合は、仕方が無い…」
     と言い、間髪おかずにどこからともなく仲間らしい白装束の男女が5人ほど現れた。全員銃を携えている。
     彼らは信じられないほどの機敏さで彼をあっという間に包囲した。
    「何の積りだ?」
     レナードも緊張した表情になっていった。
     すると、相手はニコリともせずに、
    「簡単なことですよ。あなたの首を頂戴するんです」
    「俺の首を取って、それを手土産にザンパ星人に和睦を請う積もりか?」
     すると、相手は高笑いして、
    「馬鹿を言うな!なぜ我々があんな虫けらどもに跪かねばならんのだ!」
     と言う。
    「では…?」
    「お前の首を取ったことを全宇宙に発信するのだ。ザンパ星人がお前相手に手こずっていたという事実も添えてね…。そうすれば、間接的にではあるが、我々がザンパよりも上だということが証明できる。そうなれば、奴らの地位は失墜し、同時にマゼランになびく星も出てくるだろう」
    「そして、マゼランが宇宙の覇者になる、と?」
    「そうだ」
    「それこそ笑える冗談だ…」
     レナードは言った。
    「何だと?」
    「だって、そうだろう?そんなちゃちな考えが、上手くいくと本気で考えてるんだもんな」
    「なぜ、上手くいかないと分かる?」
     少し苛立った様子で、星人は言った。
     レナードはそれをさりげなく見て取った。
    「理由は二つ…」
     レナードは続ける。
    「一つは、たとえザンパの地位が失墜したとしても、宇宙はマゼランにはなびかないということだ。俺は宇宙を旅してきたから分かるが、宇宙はお前らが考えるよりも、ずっとしたたかだ。ザンパが失墜すれば、それを好機と見たお前らのような星が一斉に挙兵するぞ。そうなれば、お前らでは収集は付けられまい」
    「面白い。もう一つは…?」
    「二つ目…。これはもっと簡単さ。それは…」
     すると、レナードはその場踏み切りで飛び上がった。
     レナードは、そのまま空中で一回転して星人の包囲網の外に着地した。
     咄嗟の事で、対応に遅れた星人たちは慌てた。
     その隙に、レナードは星人の一人を殴り倒して銃を奪った。
     直後、仲間の一人が彼に銃を向けたが、レナードは今殴り倒した星人を盾にしてそれを防ぐと、奪った銃で逆に相手を射殺した。
     レナードはぐったりなった星人の死骸をその場に投げ出すと、身軽な動きで再びジャンプして今度は小屋の屋根に上った。幸い傾斜の無い屋根だったので、足場には事欠かなかった。そして、そこから狙い撃ちにした。
    「うわぁ!」
    「ぐぇ…」
     これで二人倒した。あと二人。
     すると、そのうちの一人が屋根に上ってきた。女だった。
     女は容赦ない銃撃を加えてきた。無表情のままで。
     レナードは何とかそれをかわすと、自分の持っている銃を相手に投げつけた。
     すると、それに驚いた女も銃を落とした。
     レナードはそれを見逃さなかった。
     彼は、銃を拾い上げようとする女に飛び掛ると同時に、落ちていた銃を下の地面に蹴落とした。
     取っ組み合いになった。
     相手は華奢だったが、妙に力は強かった。
     レナードは相手を押さえ込もうとしたが、女は逆に膝蹴りでレナードのみぞおちに一撃を加えてきた。
    「ぐは…」
     レナードは悶絶した。
     すると、その隙に今度は女が彼を押さえ込んだ。
     万力のような握力で、喉を締め上げられた。
     だんだん意識が遠くなってくる。
    (やむを得ん…)
     レナードは奥の手を使った。
     強力なテレパシーを一気に相手の脳に送り込むのである。
    「うぅ…」
     女の手から力が抜けた。
     レナードの気道に新鮮な空気が流れこむ。
     やがて、女の身体は力なく崩れ落ちた。
     許容量を超えた量の情報が流入したことで、脳の活動が停止してしまったのである。
     レナードは、見開かれたままの女の瞼をそっと閉じてやった。
     あと一人…。
     そうレナードが思った時だった。
    「レナーーーード!」
     それは、最初に現れた男の叫び声であった。
     レナードは下を見た。
    「畜生!」
     レナードは毒づいた。
     その目に映ったのは、まだ目を覚まさないカレンを左腕に抱え、こちらに銃を向けているあの星人であった。
    「貴様!自分のしていることが分かってるのか!?」
     レナードは言った。
    「もちろんだ。私はなんとしてでも、お前の首を戴く!さあ、レナード。この女の命が惜しければ、大人しくここに来るんだ!」
     マゼラン星人は言った。
    「そうか…」
     そういうと、レナードはさり気なくレナード・アイをはめた。そして、
    「デュワ!」
     本来の姿に戻ったレナードは、等身大のまま屋根から飛び降りて着地した。
    「貴様!」
     星人はトリガーを引いた。
     しかし、強靭なレナードの肉体には、すでに銃弾は無力だった。
    「デュワ!」
     レナードは指先から緑色の光線―「フィンガービーム」―を放った。
     星人の銃は吹き飛んだ。
    「畜生!」
     星人はカレンを放り出すと、レナードに背を向けて逃げ出した。
    「デュワ!!」
     レナードはそれを二発目のフィンガービームで仕留めた。
     レナードはそこで変身を解いた。
     人間体に戻ったレナードは、カレンの無事なのを確認すると、今撃った星人の元へ近づいた。
     まだ息はあった。
    「畜生…」
     星人は言った。
    「なあ、俺がさっき言いかけた、二つ目の理由…あれが何だったか分かるか?」
    「……」
    「それは、お前らにゃ俺を殺せないってことさ…」
    「くたばれ…」
    「お前がな…」
     まもなく、星人は果てた。
    「さて…」
     そう言うと、レナードは落ちていた銃を拾って、それを5mほど先の干草の山に向けて撃ち始めた。
     最初は手ごたえがなく、干草から砂埃が立つばかりだったが、20数発目でようやく反応があった。
    「ぐお…」
     という不快な呻き声とともに、干草の向こうで何かが倒れる音がした。
     レナードはそちらへ駆け寄ってみる。
     すると、そこには予想通りザンパ星人が倒れていた。
    「気づいていたのか…?」
    「俺が屋根の上から何も見なかったと思ったのか?」
    「……」
    「死ぬ前に一つ言っておこう」
    「……」
    「俺は自分のために戦う。だから、マゼラン星にも、ザンパ星にも、他のどんな星にもなびかんぞ!」
    「長生きしたいとは思わんのか…?一匹狼ではいつか首を取られるぞ…」
    「かもな…。しかし、少なくとも貴様らには渡さん」
    「それはどうかな…?」
    「……」
    「くたばれ、レナード…」
    「それはこっちのせりふだ…」
     ザンパ星人はそのまま事切れた。
    「所詮、同じ穴の狢ってわけか…」
     レナードは苦笑した。

     それから暫くして、カレンは目を覚ました。
    「ここは…?」
     大きな目をキョロキョロさせて彼女は言った。
    「君の小屋だ…」
     レナードは答える。
    「あたし…、今まで一帯…?」
     どうやら、ノーバに取り込まれていた間の記憶は無いらしい。それが唯一の救いかも知れないが…。
    「眠ってたんだ」
    「こんな時間まで、どうして…?」
    「疲れていたんじゃないのか?毎日毎日、農作業と行商をしてるんだから…」
    「そんな…。どうしよう…?」
    「たまには良いんじゃないか?休んだって。誰も君を責めはしないさ…」
    「そうかな…」
    「そうさ」
    「ねえ…」
    「?」
    「何かあったの?」
    「いや…」
    「ほんと…?」
    「ああ…。退屈な一日だったよ。死ぬほどね…」
     部屋を照らす、暗い裸電球を見つめながら、レナードは静かに言った。

    オリジナル小説 第三十七弾!

                               ウルトラマンA THE ZERO 第三十七章 悲しみを乗り越えて
     
     翌朝ルナは、目を覚ました。
     どれくらい眠っていたか分からない。
     気がつくと、どこか病院のベッドに寝かされていた。
    「ここは…?」
     そう呟くと、病室の戸が開いた。
    「おお。気がついたか」
     シュペーマンだった。
    「僕は…」
    「お前は、基地の残骸の近くでクレアと一緒に倒れているところを発見されたんだ。二人とも衰弱しているようだったから、こうして病院に運んだんだが…」
     ベッド脇の椅子に腰掛けながら、シュペーマンは言った。
     ルナはハッとした。
    「彼女は…、クレアはどうなったんです?!」
    「大丈夫だ。怪我はしてたが、命に別状は無い。だから、安心しろ」
    「そうですか…」
     ルナは少しホッとした。
    「しかし、不思議だよな…」
     シュペーマンは言った。
    「はい?」
    「だってそうだろ?あの瓦礫の下敷きになったってのに、大した怪我はしてないってんだから…。普通なら、たとえ助かっても…」
    「シュペーマンさん」
    「?」
    「良いじゃないですか。無事助かったんですから…」
     微笑を浮かべながら、彼はそう言った。

     クレアは、同じ日の昼頃になって、ようやく意識を取り戻した。
     彼女も、状況を把握できずに戸惑っていたが、部屋に居たクリスに事情を聞き、ようやく落ち着いたようだった。
    「助かったのね…私」
     自分に言い聞かせるように、改めて彼女は言った。
    「そうよ。みんな奇跡だって言ってるわ」
     クリスは言った。
    「でも、その奇跡を起こしたのは彼よ…」
     ルナの顔を思い浮かべながら、クレアは微笑んだ。
    「でも、そこが不思議なのよね~」
    「え?」
    「だってそうでしょ?あの状況ではどう考えても、ルナ君ひとりで、瓦礫を除けてあそこから脱出するのは時間的に不可能よ。いったい、彼はどうやって貴女を助け出したの?」
     それは当然の疑問だろう。逆の立場なら、きっとクレアも抱いた筈である。
     あらゆる法則や科学的知識を総動員して、何とかその疑問を解決しようと腐心したことだろう。
     しかし、彼女は知っている。
     自分を救ったのが、科学では立証できない、本当の意味での奇跡だったということを。
     クレアは科学者である。
     しかし、今は一人の人間として、その奇跡を噛み締めている。
    「分からないわ。意識が朦朧としていたから、記憶が無いのよ…」
     クレアは、御座なりの言い訳で茶を濁した。内心苦笑しながら。
    ――科学者失格ね…。
     左中指に光るリングを見つめながら、クレアは自嘲した。

     同じ頃、ビリーは病院の電話を借りて、警察長官と話していた。
    ――すでに巷では、CPK壊滅の噂が立ち始めています。今はまだそれほどではありませんが、今後ますます混乱が拡大することも懸念されています。
     警察長官は言った。
     どうやら、事態はビリーが想像していたよりも深刻らしい。
    「何とか、混乱を抑える手立てはありませんか?」
     ビリーは言った。
    ――難しいですね…。どんなにしても、噂というものは自然に流れてしまうものです。悪い知らせなら、なおさらです。それに、下手に警察などが動けば、かえって民衆は動揺するのではないでしょうか?
    「そうですね…。では、今後我々はどう動くべきでしょうか?」
    ――とりあえず、民衆の恐怖や不安を取り除くことが先決でしょう。
    「同感です」
    ――そのためには、まず二度と怪獣がやって来ないという保障をする必要があると思いますね。
    「それも同感です。我々だってそうしたいと思います。しかし、現状では、敵の居場所や戦力すら把握できていません。分かっているのは、敵がザンパ星人ということだけです」
    ――つまり、敵が攻撃してくるのを、迎え撃つしかないということですか?
    「残念ながら、そうです」
    ――どうも、頼りないですな…。
    「申し訳ありません」
    ――まあ、こちらも一応、出来る限りの協力はしたいと思っていますがね…。
     そう言って、相手は電話を切った。
     そうなのだ。こちらは基地を破壊され、多くの仲間を奪われたにも関わらず、敵の事はほとんど何も知らないのだ。
     こちらから討って出る事も、攻撃を未然に防ぐ手立てすら、無いのである。
     今後、敵がどんな恐ろしい怪獣を送り込んでくるか、予想すら出来ない。
    (これで、本当にこの星を守り切ることが出来るのだろうか?)
     ビリーは苦悩した。
    (いったいどうすれば…。リュー隊長。あなたならどうなさいますか?)
     ビリーは自問する。
     しかし、答えが返ってくるはずも無い。
     そんな時、アルバートがやって来た。
    「副隊長…。あ、失礼。隊長代行、たった今、クレア隊員も意識を取り戻したそうです」
     彼は言った。
     ビリーは苦笑して、
    「副隊長でいい。その方がこっちも収まりがいいんだ。俺にとって、隊長はあの人だけだよ…」
     と言った。
     二人は廊下に出た。
     薄暗い廊下は、誰も居なくて静かだった。
    「これから、どうなるんです?」
     ビリーは小さく首を振った。
    「俺にも分からん。恐らく、そう遠くないうちに、敵は次の攻撃を仕掛けてくるだろう。その前に、こっちとしては態勢を立て直しておきたいが…」
    「難しいですか?」
    「指揮系統が滅茶苦茶だ。残存兵力もちりじりになっちまった。それに、スペーグスやあのテルテル坊主どもの襲撃以来、民衆は混乱しているからな。警察も軍も、そっちを抑えるので手一杯らしい…」
    「つまり、彼らの協力は期待できない、と?」
    「そうは言わんよ。彼らだっていざとなれば、こちらに協力してくれるだろう。しかし…」
    「しかし?」
    「最後に奴らと戦えるのは、結局俺たちしか居ないってことさ」
    「我々の肩に、この星の未来が懸かっているんですね…」
    「ああ…」
    「重い…十字架ですね」
     ビリーはそれに頷いてから、
    「しかし、俺たちでなければ、他に誰が背負ってくれる?」
     と、言った。
    「そうですね…」
    「いいか?今は感傷に浸っている時ではないんだ。ただ走り続けるしかないんだよ。棘だらけの、茨(いばら)の道をな…」
     ビリーは、半ば自分自身に言い聞かせるように言った。すると、それを受けた形で、
    「血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですか…」
     と、アルバートはポツンと呟いた。
     それきり、二人は一言も発しなかった。
     ただ黙って、俯いていた。
     端の黒ずんだ蛍光灯が、二人の頭上で不規則に明滅していた。
    March 17

    メビウス第48 話「皇帝の降臨」

    いよいよ最終章。急展開でますます見逃せなくなったメビウスの感想にいってみましょう。

    皇帝陛下。遂に降臨し、自らを「エンペラ星人」と名乗りました。声は内海賢二氏。
    まず、主要国の主要都市(東京、ワシントン、サンフランシスコ、パリ、ロンドン、ローマ、モスクワ、北京、シドニー、ニューデリー、カイロ、プレトリア、ボゴタ)に計13体ものインペライザーを投下し、ガイズを牽制(映画「インデペンデンス・デイ」に出てきたエイリアンと同じやり方ですね)。
    その上で、全人類に向け「余は皇帝。この宇宙に君臨する者」と自称。そして、3時間の猶予を与え、メビウスを引き渡すように要求。さらに「奴は人間に化けて、ある場所に潜伏している」と告げ、混乱を拡大させました。
    その上で、東京のインペライザーを起動。メビウスとガイズを圧倒し、人々の不安をあおります(根源的破滅招来体的なやり方ですね)。
    そして、3時間後の正午。要求を拒否されたエンペラ星人は激怒。全インペライザーを起動し、総攻撃を開始。フライングライドロン(母)の要領で、メビウスを援護するガンフェニックストライカーを光弾で撃墜し、インペライザーが勝利すると「見るがいい。これが貴様等の選んだ結末だ!」と豪語して高笑いしました(あんまり威張れる勝ち方じゃないけど(笑))。

    インペライザー。「別れの日」「約束の炎」に登場したものの別個体で、今回はまず13体が出現。どうやら、人類にとっては恐ろしい超兵器に見えても、エンペラ星人にしてみれば量産型の兵器にすぎなかったみたいですね(ゾイガーとかカイザードビシみたいなものか…)。
    全世界に散ったインペライザーはパソコンで言うところのスタンバイ状態で待機。まず、エンペラ星人の指示で東京の一体が起動し、メビウスと対決します。
    過去に対戦経験があった事や、厳しい戦いの中で強くなっていた事もあり、一体目はリフレクト星人戦でしようした回転キックで難なく撃破されました。しかし、次の瞬間に別の2体が出現。テッペイくんの分析によれば、空間転移によって一体が倒されると代わりのインペライザーがつぎつぎと送り込まれてくる仕組みになっているとの事(要するに「天空の城ラピュタ」のロボット兵みたいな感じですね)。
    その2体も、ガンフェニックストライカーの「インビンシブル・フェニックス」と、メビュームダイナマイトで何とか撃破。しかし、そこに4体目が現れ、メビュームダイナマイトで力を使い果たしたメビウスは遂に倒れてしまいました。
    その後、一旦は活動停止するも、皇帝の命によって再起動。今度は全個体が起動し、全世界に一斉攻撃を仕掛け、各国ガイズと戦います。
    そこで、東京の個体はメビウス&ガンフェニックストライカーと再戦。そして、皇帝の空からの援護もあって、メビウスを圧倒。さらに、ビームを乱射して市街地を徹底的に破壊し、続きを次回に持ち越しました。

    ヒルカワ。今回は、漢字表記のフルネームが「蛭川光彦」である事が判明。下の名前を「光彦(要するに、ダークザギの人と同じ名前ですね)」とした辺りは、スタッフがネクサスを強く意識している事を感じさせます。
    週刊誌上で、ミライ=メビウスという事実を暴露。さらに、テレビに出演して騒ぎを拡大させました(なんて奴だ!)。
    しかし、いろいろあって人々が改心すると、言うこと全てを無視され、ニュースキャスターから「黙れ」みたいな事を言われました(当然ですな)。

    シキ。政府の国家安全保障局なる部署(所属している省庁は不明)の人。階級は不明ですが、長官から直接指令を受けていたところを見ると、恐らく次官クラスでしょう。演じられたのは、斎藤洋介氏でした。
    部下を伴って、ディレクションルームに突然乱入。トリヤマ補佐官に身分証を見せ、リュウたちにミライ=メビウスであることを認めさせた上で、「『地球はわれわれ人類みずからの手で守り抜かなければならない』。かつての防衛チーム隊長が残した言葉です。ご存じですね?ウルトラマンと言えども、宇宙人です。未知なる存在に地球防衛の一翼を任せる事に疑問は感じなかったのですか?」などと言って、ミライの身柄を自分達に引き渡すよう、彼らに要求します(ありがちな話だ)。
    当然ながら、リュウたちに反対されますが、それを無視して職権を行使しようとします。ここでトリヤマ補佐官に「彼は私のかけがえのない部下だ!」と言って止められますが、狼狽える事もなく「それは、ガイズジャパン補佐官としての言葉ですか?それとも、あなた個人の言葉ですか?」と反撃。半ば気迫で、トリヤマ補佐官を説き伏せます(このシーンは、二人とも本当にすごい迫力でした)。
    ここで勝負ありかと思われましたが、そこにミサキ女史を伴って、サコミズ隊長が登場。「今のは、ガイズジャパン総監の意思を代弁した言葉です」と言います。それでも尚「理由はどうであれ、今までの行為はガイズジャパン全体の意思と理解されます」と警告。その上で、以前から知っていたらしく、彼に「お久しぶりですね。サコミズ総監」と言って皆を驚せ、彼に辞任を要求します。
    その後、サコミズが「最後の仕事」として開いた緊急の会見によって世論が動くと、長官から電話が入り、要求を取り下げて帰っていきました。

    トリヤマ補佐官。久しぶりのご登場。暗黒四天王と戦っていた間は、各国ガイズの視察研修をしていたとの事。
    研修の甲斐あってか、今回は権力に屈する事無く、いつになく説得力のある正論を述べていました。
    ミライの引き渡しを要求する国家安全保障局のシキに「私は知っている。ヒビノ・ミライという青年を。彼は不器用だが、誰よりも一生懸命で、誰より優しく誠実だ。彼は私のかけがえのない部下だ!」と毅然とした態度で臨み、引き渡しを拒みました(格好よすぎるぜ、補佐官!)。

    ミサキ女史。サコミズ総監をサポートしました。

    サコミズ隊長。ガイズジャパンの総監である事が判明。彼が身分を隠していた理由は「自分もウルトラマンといっしょに戦いたかったから」とのこと。
    シキに背いた事で、辞任の危機に立たされますが、毅然とした態度で「総監としての最後の仕事」に臨みました。
    そして、全国民に向けた会見でウルトラマンメビウスはクルーガイズの一員ですとした上で、「地球はわれわれ人類みずからの手で守り抜かなければならない」というウルトラ警備隊隊長キリヤマの言葉は、ウルトラマンが必要でないといっている訳ではなく、彼らの力だけに頼る事無く、私たちもともに戦うべきだと伝えている。最後まであきらめず、ウルトラマンを声援する、それだけでも彼らとともに戦っていると言えるのですと述べました。
    この言葉によって、ウルトラマンを差し出すべきだと主張していた民衆は改心。一転して、引き渡さないように要請しはじめました。

    民衆。いつもながら、勝手な事を言ってました(これがリアルな反応かも知れませんが)。特に印象に残ったのは、五藤圭子さん演じるお母さんでしたね。ネクサスで平木詩織隊員を演じられていた時のショートカットのイメージが強かったので、最初は分からなかったんですが、「ウルトラマンは絶対に負けない」の一言は感動しました。

    ガイズ。今回はかなり活躍。一体だけとは言え、難敵インペライザーを独力で撃破した点はおおいに讃えるべきでしょう。できれば、各国のガイズの活躍も見てみたいものです。
    しかし、ラストでは皇帝の光弾を食らってガンフェニックストライカーごと墜落。脱出や不時着もかなわず、爆発炎上しました。

    ミライ。ヒルカワに正体をバラされたり、瀕死の重傷を負ったり、さんざんな回でした。
    脈拍360、血圧400、熱は90度以上という、セブン最終回のモロボシ・ダンとまったく同じ病状で生死の境を彷徨いますが、サコミズの会見を聞いて元気づけられて立ち上がり、病室を抜け出してインペライザーに立ち向かいました。

    メビウス。ウルトラ兄弟が地球を去った中で、ただ一人無限供給型のインペライザーと戦いました。
    一体目は、特訓で身につけた回転キックで撃破。つづいてもう一体をタロウ教官直伝の技メビュームダイナマイトで倒します。しかし、そこで力尽き、4体目の目の前で倒れてしまいました。
    その後、再戦しますが、エンペラ星人による妨害と傷の影響で圧倒されてしまいました。

    ウルトラマンヒカリ。ちょっとだけ登場。太陽黒点の異常に気付き、何かを悟った模様。


    さあ、次回はフェニックスネストが敵襲を受ける模様。次回予告を見るかぎりでは、ファントン星人らしき影も…。さらに、ヒカリも参戦。
    一体どうなるんでしょうかね?次回が楽しみです。
    March 13

    THE イラスト紹介!

    ここに来て、いきなり寒くなり始めた今日この頃。
    卒業シーズンが到来し、いろんな番組が最終回を迎えていく中で、悲しみと言う名の北風にひとり立ち向かっていく…。
    さあ、今週もイラスト紹介にいってみましょう!
    まず、一枚目は先週登場のハヤタ・シン。OPテロップでは、ただ「ハヤタ」とだけ書かれていましたが、実は下の名前もちゃんとあるのです(もっと言えば、漢字表記も存在)。今回は柔和な感じを出したかったので、あえてエッジを強調していません。間違っても、「ケンタッキーのおじさん」とか言わないで下さいね。
    二枚目は、先々週登場のフジサワ・アサミ博士。こちらは特にコメントなし。
    三枚目は、先週登場のメフィラス星人です。ちなみに、暗黒四天王のシリーズの中では一番製作に時間をかけた作品です。脚の凹凸がスネ毛っぽくなった事を除けば、結構満足しています。
    四枚目は、先々週登場のモロボシ・ダン。コノミさんと焚き火を挟んで対談してる場面を描きました。
    五枚目は、テッペイくん。どうでもいい事ですが、今、私の髪型はテッペイくんカットになっています。
    六枚目はブルトン。小さい時に再放送で見て以来、私にとって忘れられない存在です。戦闘機を地上に走らせたり、戦車を空中に浮かべたり、ウルトラマンを奈落の底に突き落とそうとしたり…。あまり動きが無かっただけに、かえって不気味と感じたのを覚えています。
    七枚目はブラックテリナ。テリナQを使って人々を操り、おおとりゲンを襲わせるシーンは恐怖でした。あと、テリナQが顔に張りつくシーンはもっと怖かったです。
     
    また感想などがあれば、コメント欄に残していって戴けると、励みになります。あと、リクエストの方も受け付けておりますので、お気軽にどうぞ。

    オリジナル小説 第三十六弾!!

                   ウルトラマンA THE ZERO 第三十六章 一つの生命、二つの奇跡

     人間の姿に戻ったルナは、先ほどクレアを残した辺りに駆け寄った。
    「クレア!」
     しかし、返事は無かった。
    「クレア!!」
     やはり結果は同じだった。
     炎の明かりがあるとはいえ、倒れている人間を探すには暗すぎた。しかし、ウルトラマンであるルナは、人間の姿でもある程度の超人的能力を発揮することが出来る。ルナは、その視力で辺りを見渡した。
    (居た!)
     ルナは、そちらへ駆け寄る。
    「クレア」
     傍に寄って、ルナは呼びかけた。しかし、返事どころか、微動だにしなかった。
     ルナは彼女の胸に耳を当ててみた。
     まだ鼓動はあった。しかし、それは彼でなかったら聞き逃していたであろう程弱かった。これでは意識が無くて当然だろう。
     もはや、呼吸も虫の息だ。
     これでは、あと5分と持つまい。いや、今の今まで持ちこたえていただけでも、奇跡としか言いようが無い。
    (どうすれば…)
     その時、彼の頭に一つの考えが浮かんだ。彼は、自分の両指のウルトラリングを見る。
    (僕の生命エネルギーを半分与えれば、彼女の傷を全快させる事が出来るかも知れない…)
     しかし、それは同時に危険な選択でもあった。
     下手をすれば、彼自身が命を落としかねない、そんな行為であった。
     もちろん、まだ正式な宇宙警備隊員でない彼には、それは許可されていなかった。
    (しかし…)
     僕には、この女性(ひと)を見捨てることは出来ない。まして、打つ手があるのに、それをしないなんてことは…。たとえ、それが危険な選択肢であったにしても、それで万一2人とも命を落とす事になったとしても…。
     むろん、この女性がこのまま死んでしまっても、それは僕の責任ではない。でも、この女性は僕に教えてくれた。大昔、先祖たちが失ってしまった“愛”という名の高貴な感情を。
     この女性は僕に教えてくれた。僕の命は僕一人のものではない、と。
     あの時、なぜこの女性がこんな事を言うのか、分からなかった。でも、今なら分かる。
     この女性は、僕を異星人と知ってもなお、人間と同じように接してくれた。恐れることも、奇異の目で見ることも無しに。それどころか、庇ってくれていたのだ。僕が隠している事を、敢えて自分から問いただそうとはしなかった。
     僕はもう少し早く気づくべきだった。
     そうすれば、もっと早く貴女(あなた)のことを理解できたはずなのに。
     貴女はいつか、自分は弱い人間だと言った。
     でも、違う。
     貴女ほどに強いひとが、他にこの星のどこに居るでしょうか。
     貴女はいつも、自分が傷つくことよりも、僕が傷つくことを恐れていた。
     僕はずっと貴女を守っている積りだった。
     人間ルナとして。ウルトラマン“ルナ”として。
     でも、今分かった。
     貴女が居なかったら、僕はこの星で戦う事なんて出来なかった。
     最初の夜、貴女に出会わなかったら、僕は…。


     この時、ルナは気づいていなかったが、彼のそんな姿を、岩陰から見る者があった。
     ザンパ星人である。
     闇に光る赤い二つの目には、彼の正体がはっきりと映っていた。
    「レナードめ…。まんまと俺を騙しやがって…。だが、まあいい。ともあれ、奴は死んだのだ。たった一人の女のために、下らん友情と意地のために…。あとは、ルナ、お前だけだよ」
     ザンパ星人はそう呟くと、素早く岩陰から飛び出した。
     そして、獲物に忍び寄る肉食獣のように、音もなく近づいていった。
     次の瞬間の、自分の勇姿を想像して、内心ニヤリとしたに違いない。
     しかし、その甘美な想像は、次の瞬間、露と消えた。
    「うッ…」
     低いうめき声を残して、ザンパ星人は岩だらけの地面に倒れこんだ。
     その鈍い音を聞いて、ルナはようやく振り返った。
     すると、そこには、背中にナイフを突き刺されて倒れている、哀れな星人がいた。
    「油断は禁物だぜ…」
     少し離れたところからそんな声がした。
     見ると、向こうから、だらっとなった少女を負ぶったレナードがゆっくりと歩いてきた。
    「上手くいったんだ…」
     ホッとしたように、ルナは言った。
    「当たり前だ。あんな奴に連敗なんかしてたまるか」
     冗談めかして、レナードが言った。
    「投てきの腕も、捨てたもんじゃないな…」
     星人の背中に、深々と刺さったナイフを見て、満足そうにレナードは言った。
    「なぜ…だ?」
     恐ろしくかすれた声がした。
    「まだ、生きてたか…」
    「なぜ…、お前がここに…?」
    「俺は、自分の身体を一時的にエネルギーに変換して、光線と一緒にノーバの頭を抜けたのさ。その時ついでに、この娘を返して貰ったんだ」
    「そんな…馬鹿な…」
     その一言を残して、ザンパ星人は息絶えた。
    「哀れな奴だな…」
     ルナは静かに言った。すると、レナードもそれに頷いてから、
    「だが、それも自業自得というものだ…」
     と、吐き捨てるように言った。
    「ああ…」

    「ところで、どうする気だい?」
     レナードは言った。
    「彼女さ…」
     クレアを見て、レナードは言った。
    「だいぶ悪いな。早く手を打たなければ…」
    「……」
    「ルナ…」
    「ああ…」
    「お前は、自分の命を分けてやる積りか?」
    「……」
    「そうらしいな…」
    「……」
    「別に、俺は止めん。俺はお前をてめぇの無茶に付き合わせたんだ。俺にお前を止める資格はない」
    「……」
    「怖いか…?」
    「いや…」
    「なら、何を迷ってるんだ?死神は待ってはくれないぞ」
    「レナード…」
    「?」
    「もし、僕に万一の事があったら、君が代わりに戦ってくれるか?」
     ルナは訊いた。
    「断る」
     レナードは即答した。
    「なぜ?」
    「俺は自分のために戦う。それは、今までも、これからだって変わらん。今回、一緒に戦ったのは、必要に迫られてのことだ。勘違いはするな」
    「では、どうすれば…?」
    「生きろ」
    「え?」
    「彼女を救って、お前も生きろ。そして、自分で戦え。それがお前の選ぶべき唯一の選択だ」
    「……」
    「さあ。時間が無いぞ。全てはお前次第だ。行け!」

     ルナは、クレアの元に寄った。
     そして、左指のリングを外すと、それを彼女の左中指にはめた。
    「うまくいってくれ…」
     ルナは祈った。そして、
    「デュワ!」
     その掛け声と共に、彼はクレアと唇を重ねた。
     次の瞬間。まばゆい光が二人を包み、やがて消えた。
     そして、後には、手を握ったまま倒れている二人が残った。
     レナードはカレンを一旦下ろすと、二人の元に寄った。
     二人とも息はある。鼓動もはっきり聞こえる。
    「おめでとう。今日がお前たちの新しい誕生日だよ…」

     いつの間にか、真っ青な地球は天頂に昇っていた。
     青い光に照らされて眠る二人を見て、わずかに微笑むと、レナードはカレンを抱えて、夜の闇へと消えていった。

    オリジナル小説 第三十五弾!

                 ウルトラマンA THE ZERO 第三十五章 愛と死の末に…
     
    「貴様、どういうつもりだ?!」
     敵を見つけようと、辺りを見回しながら、レナードは言った。
     すると、ザンパ星人は笑って、
    「ほほう…。この娘に目を付けたのは、どうやら正解だったな。天下の復讐鬼レナードが女の子の心配か。これは興味深い」
     と言う。
    「ふざけるな!彼女を解放しろ」
    「嫌だと言ったら?」
    「訊くまでもないだろう」
    「おお、怖い。しかし、どうせお前には俺の居場所は分かるまい。だが、まあいい。帰してやろう」
    「本当だな?」
    「ああ。我々にとって、こんな人間の一人や二人、何の興味も無いんだ。こちらの条件を呑めば、帰してやろう」
    「条件…だと?」
    「ああ。たった二つだ。それも簡単な事よ…」
    「お前らの部下になれという話か?」
    「ああ。それが一つだ」
    「もう一つは?」
     すると、ザンパ星人は急に高笑いした。
    「何がおかしい?」
     レナードは眉をひそめて言った。
     すると、ザンパ星人は
    「そいつを殺せ」
     と言った。
    「何だと?」
    「お前の隣にいる奴さ。ルナと言ったかな?」
    「自分の言っていることが分かっているのか?」
    「その積りだよ。我々にとって、彼は、君同様に厄介な存在でね…。あの方も処分に困っておいでだ。しかし、彼は今、君を親友と思って疑っていない。今ならば、君の手で、簡単に倒せるだろう。どうだ?」
    「……」
    「彼女の命を犠牲に、己の復讐と過去の友情を取るか?それとも、復讐と友情を捨てて、我々と共に生きるか?選択は君次第だ」
    「こっちが約束を果たしたとして、そっちも約束を守る保障は?」
     レナードは言った。
    「無いな。ひとえに、相互の信用の問題だな」
     ザンパ星人は言う。
     レナードはうな垂れた。
     それを見た、傍らのルナはようやく異状に気づいたのか、
    「どうしたんだ?」
     と、問いかけた。
     しかし、相手は黙っている。
    「レナード?」
     すると、次の瞬間。レナードはいきなりルナの頬にパンチを見舞った。
     鈍い音が辺りに響き渡り、ルナは倒れこんだ。
     地上でそれを見ていたビリーたちは唖然としたし、ザンパ星人はほくそ笑んだ。
    「何を…」
     ルナが起き上がりながら、そう言いかけると、レナードは飛び掛って彼を地面に押さえ付けた。
    「ルナ。聞け」
     ルナは黙って頷く。
    「ノーバの頭の中に、ある少女が居る」
    「……」
    「彼女はカレン。詳しく話している暇は無いが、彼女はかつて俺を救ってくれた。見殺しには出来ない」
    「……」
    「いいか?よく聞け。ザンパ星人は彼女をネタに、俺にお前を殺させようとしている」
    「…!」
    「恐らく、今この様子を見て、奴は油断しているに違いない」
    「……」
    「いいか?これから俺の言うことをよく聞け。成功するかは分からんが、賭ける価値はある」
     そうして、暫くレナードはルナに自分の考えを話した。ルナは、それを黙って聞いていたが、話が終わると、
    「無茶だ。下手をすれば、君も彼女も…」
    「承知だ。しかし、やらないよりはマシだ」
    「……」
    「よし。始めるぞ!」
     その合図で、レナードはルナを力ずくで起き上がらせると、一本背負いでたたきつけた。
     ルナは、すぐに立ち上がったが、レナードはさらに追い討ちをかけるようにパンチやキックを繰り出した。傍目には、それはレナードが寝返ったように映った。

    「奴も、所詮敵だったのかよ…」
     シュペーマンが言った。
    「何てこった」
     とアルバート。
    「ひどい…」
     と、クリス。
     しかし、ビリーだけは黙ってそれを見ていた。
    「副隊長。ウルトラマンを援護しましょう。あの裏切り者を倒すんです」
     シュペーマンが言った。
     他の二人もそれに頷く。しかし、ビリーは首を縦には振らなかった。
    「副隊長!」
    「まあ、待て」
    「何故です?」
    「よく見ろ。ウルトラマンは、黒い巨人に全く抵抗していない」
    「出来ないだけですよ」
    「いや、俺はそうは思わない。二人には、何か考えがあるのかも知れない。もう少し、様子を見よう」

     その判断は正しかった。
     暫く、そんな一方的な攻撃が続いた後、レナードは
    「よし。行くぞ!」
     と言い、その直後、彼の身体は光に包まれた。レナードは、自分の身体を光エネルギーに変換したのである。
     エネルギー化したレナードは、光の粒子となって、ルナの方に流れていった。ルナは、それを胸のカラータイマーで吸い込んだ。
     すると、ルナは間髪おかずにノーバの方を向くと、腕をL字に組んだ。メタリウム光線である。
     ルナは、エネルギー化したレナードを、自分の体内エネルギーと一緒に光線として打ち出した。七色の光線が、真っ直ぐノーバの頭に近づく。
     もはや、あらゆる能力を失ったノーバは、自らに渡された引導を、黙って受け取るしかなかった。
     そして、光の矢は、ノーバの頭を刺し貫いた。本体を失った身体は、糸の切れた操り人形(マリオネット)よろしく地面に崩れ落ちると、やがて華々しく散った。
     それを見届けると、ルナは静かに消えていった。
     そして、夜は再び静かな時を刻み始めた。

     
    March 10

    メビウス第47 話感想

    遂に暗黒四天王全滅!往年のライバル、メフィラス星人の最期!!という内容だった今回。早速感想に行ってみましょう。

    メフィラス星人。悪質宇宙人で、四天王の長。声優さんは、初代の声も演じた加藤精三氏でした。
    休暇中のミライの夢の中に出現。「私が本気を出せば、君を倒す事など造作もない事です」と豪語した上で、「ただ倒すだけでは面白みに欠けます。私は君がもっとも屈辱的な方法で敗北し、失意のどん底で息絶えていく姿が見たいのです。すなわち、君を倒すのは私ではありません。君がもっとも信じるガイズの諸君です」と言います(陰湿やなぁ。と言うか、地球を売り渡す人間が現れる時まで待つのではなかったのか?)。
    そして、宇宙船から波動みたいなものを出して、人間の記憶を操作し、自分自身とメビウスの立場を逆転させました。あと、これは余談ですが、メフィラスの宇宙船、初回登場時と形が違いましたね(初回はセミ人間のやつと同じ型でした)。宇宙船も時代とともに変わるんですね。
    その後、初代マンと対談。マンは星人の説得を試みますが、「ゲームはすでに始まっています」と言い、逆にマンに手を出さないように要求。
    その上で、色違いのグロマイトを召喚し、自らも巨大化。やってきたガイズに攻撃をしないように命じ、メビウスの目の前で圧倒的なパワーでグロマイトを殲滅しました(と言うか、この展開はダイナのグレゴール人戦では?)。
    そして、今度はガイズに命じてメビウスを攻撃。メビウスは、メビウスブレスをバリアフルパルサーで狙撃されて負傷。仕方なく姿を消します。
    それをみて満足したメフィラスは高笑いして、こちらも姿を消します。
    その後、いろいろあってテッペイくんが反旗を翻すと逆上。ガイズに命じて、テッペイくんごとミライを撃つように指示しますが、ガイズが躊躇した末にそれに逆らって宇宙船を撃墜すると、巨大化してメビウスに直接対決を挑みます。
    すると、今まで戦いを見守っていた初代マンも見兼ねて参戦し、メビウス、初代マン、ガイズを相手に四つ巴の空中戦を繰り広げます。
    しかし、激闘の末、初代マンの「無駄な抵抗はやめろ。お前が仕組んだこのゲーム、お前自身が手を出した時点で、すでにお前の負けだったのだ」という言葉に心動かされてそれ以上の戦闘を断念。「我々四天王が、なぜ君たちごときに敗れ去ったのか、私は今、それがわかった気がします。しかし、私は決して諦めたわけではありません。必ずまた君たちに挑戦しにやってきます。いつの日か、必ず…」と、引っ掛かる言葉を残してテレポートで去ります。
    しかし、その後、宇宙空間で皇帝陛下のビームみたいなものを食らい、しばらくはバリヤーで凌ぎますが、「私もまた、不要になったゲームの駒というわけですね。残念です…」と、味のある言葉を残して果てました。40年に渡って、ファンの間で根強い人気を誇ってきた宇宙人としては、あまりに悲しい最期でした。

    皇帝陛下。遂にご登場!やはり皇帝陛下はエンペラ星人らしい。唐突に現れ、たたずんでいるメフィラスに不意打ちを食らわせます。そして、無言のまま彼を抹殺。失敗した手下を始末するのが、悪の掟(勝敗の如何を問わず、最初からそうする積もりだったのでは?という解釈もできますが)。この辺りは、007のスペクターを彷彿とさせてくれました(ちょっと喩が古いですけど(笑))。次回以降の暗躍が楽しみです。

    グロマイト。今回は脇役。メフィラスの引き立て役でした。出来れば、バルタン星人とかザラブ星人とかケムール人を出して欲しかったです。個人的には。
    メフィラスのビームで爆発四散しました。

    初代ウルトラマン。メビウスからは、ただ「兄さん」と呼ばれていました。「マン兄さん」とか「初代兄さん」だと違和感があるからでしょうね(笑)。
    最初に、メフィラスの宇宙船の中で対談。計画の中断を勧告しますが、拒否されてしまいます。さらに、人間たちを掌握されている弱みから、メビウスに手を貸さないように強要されてしまいます。
    マンは、渋々ながらそれに従い、ミライたちを陰ながら見守ります。そして、メフィラスがルールを破棄して巨大化すると、見兼ねて参戦(登場シーンは、劇場用ではなく、オリジナルのフィルムが使われていました)。スペシウム光線や八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)でメフィラスと激しい空中戦を繰り広げましたが、最終的には、ルールを破棄した星人に負けを認めさせて勝利を得ました。
    戦闘終了後、一旦ハヤタの姿に戻ったのち、他の兄弟とともに地球を離れたとのこと。メビウスに言った「私が地球人を愛したように、君もまた彼らを心から愛し、信頼している筈だ」の言葉が感動的でした。
    また、敵の光線を胸で受けとめるシーンは、ネロンガ戦を彷彿とさせるもので、こちらもファンとしては嬉しいサービスでした。。

    ハヤタ・シン。劇場版に引き続いて出演。
    今回は、メフィラスに介入を制限されていたので、あまり登場シーンは多くありませんでしたが、テッペイくんとミライに、後ろから「君たちならば、必ずやこの星を守れる。私はそう信じている」と言い残し、消えて行きました。

    サコミズ隊長。どうやら、グローザム戦からかなり時間が経っているらしく、それ以来敵襲が無い事を理由に、ミライに休暇を言い渡しました(そんなに安直な判断で良いんですか?!)。
    その後は、なぜか不在。

    ミサキ女史。サコミズ隊長とともに、休暇を許可。その後は、なぜか不在。

    テッペイくん。今回最大の功労者。
    なぜか、黒いスーツに身を包んで大学に登校する途中で、傷ついたミライに遭遇。最初は、メフィラスの記憶処理によって「君、誰?」と言っていましたが、彼の話を聞くうちに心を動かされ、彼を治療してディレクションルームに戻ります。そして、メフィラスの宇宙船から何らかの力が発せられている事に気付きます。その後、同じく記憶処理を受けたガイズの仲間たちから彼を庇います(さすがに「いとこの友人の同級生」というのは苦しいと思いますが)。
    そして、なりゆきでミライとともにガンウィンガーで無断出動。宇宙船の撃墜にむかいます。しかし、メフィラスの言葉に心が揺れ、ミライに銃口を向けてしまいます。しかし、ミライの必死の説得と、「別れの日」でミライから貰ったお守りのファイヤーシンボルが消えていた事から本来の記憶を取り戻し、他の隊員たちを説得しました。

    トリヤマ補佐官。出番はなかったものの、ある意味影の功労者。グロテスセルを紛失した事を、彼自身とミライ、コノミさん、テッペイくんだけの秘密(サコミズ隊長とアサミさんにはバレてますが)にしたおかげで、テッペイくんが記憶を取り戻す突破口になりました。彼のミスが、こんな形で役立つとは…。たぶんに、シリーズ中最初にして最大のGood Job!見直しました。

    それ以外のガイズクルー。前半はメフィラスの言うなりでした。ガンウィンガーとガンローダーで、命じられるままにメビウスを攻撃。バリアフルパルサーでメビウスを負傷させます。
    その後、ディレクションルームでミライと対峙。彼がメビウスと知ると、侵略者だと言って、コノミさん以外の三人が銃口を向けてしまいます。しかし、ミライの涙を目にした彼らは、トリガーを引く事を躊躇。忘れてしまった何かに気付き始めます。
    その後、テッペイくんとミライが乗ったガンウィンガーを追撃。最初はテッペイくんが乗っている事もあって、攻撃することが出来ませんでしたが、メフィラスの指示で渋々攻撃開始。しかし、次第に違和感を感じるようになり、最終的には、テッペイくんの説得によって記憶を取り戻し、ガンフェニックストライカーの「バリアント・スマッシャー」で、宇宙船を撃墜します。
    戦闘中は、敵の光線を食らって、一時墜落しかけますが、メビウスに救われ、勝利後は反省してミライと抱き合っていました。

    お守り。第29話「別れの日」でミライが仲間に手渡した、手製のお守り。手書きのファイヤーシンボルが描かれていますが、記憶処理を受けたガイズクルーたちには、真っ黒に映っていました。
    人間の心を視覚化した表現としてはかなり良かったと思います。

    ミライ。今回は休暇中の受難。メフィラスの記憶処理のせいで、人間ヒビノ・ミライとしても、ウルトラマンメビウスとしても、孤独を味わいました。

    メビウス。今回も初戦は、バリアフルパルサーで左腕を負傷して敗退。
    リベンジ戦では、身を呈して敵の攻撃からガイズを守り、初代マンと共闘してメフィラスと戦います。
    最終的には、敵が敗北を認めたため、事実上の勝利を得ました。


    さあ、次回からはいよいよ最終章。
    何と、あのインペライザーが13体も(!?)登場。全世界一斉攻撃をして、メビウスを差し出させる寸法らしい(と言うか、そんなすごい事が出来るんだったら、四天王なんて寄越す必要は無かったのでは?)。
    さらに、あのヒルカワも登場(しなくても良かったのにね…)。遂に、メビウスの正体をバラすらしい(恩知らずめ!)。
    来週以降の展開がますます気になるところですね。
    March 06

    THE イラストUP!!

    今回からイラスト紹介は、バックナンバーを見やすくするために「イラスト」というカテゴリで紹介させて頂く事にしました。宜しくお願いします。
    さて、では早速イラスト紹介に行ってみましょう!
    一枚目は、リクエストのあったバキシムの火炎をバリアで防ぐところ。このバリアは正式には、「ウルトラ・ネオバリヤー」と言うらしいです。
    二枚目も、リクエストのあった北斗と南ですね。映像をそのままイラストにしても分かり辛いので、ちょっとアレンジしてあります。ちなみに、超獣の名前は「キングカッパー」ですね。「ガッパー」と言ってしまうと別の怪獣になるので。
    三枚目も、リクエストのあった初代マンです。今回はあえて背景を白くしてません(真っ白にすると、光線が映えないんです)。あと、ウルトラマンは飛び人形を意識して描いたので、いつもと少し感じが違います。本当はジェロニモンも入れたかったんですが、もろもろの事情により、今回は断念。
    四枚目も、リクエストのあったコバ隊員。これも背景を白くしない方が綺麗なので、そうしました。ちなみに、銀色の方のダッシュライザーは、「コバスペシャル」というらしいです。
    五枚目は、先週登場の暗黒四天王グローザム。特にコメントなし。
    六枚目は、レッドキングとブラックキング。この2体は兄弟だという説もあるので、一応ツーショットで。
    七枚目は、リクエストのあった山中隊員。これは、特にコメントなし。
     
    また感想などがあれば、コメント欄に残して行って下さると、励みになります。また、引き続きリクエストの方も受け付けていますので、お気軽にどうぞ。

    オリジナル小説 第三十四弾!!

                  ウルトラマンA THE ZERO 第三十四章 デスマッチ!
     
     ノーバは、妖しく目を光らせた。
     すると、不意に宙に浮かび上がり、円盤形態になって高速回転しながらこちらに迫ってきた。
     二人の巨人は身体を左右に滑らせて、それをやり過ごす。
     しかし、ノーバはすぐにUターンして戻ってきた。
    「うおッ…」
     かわしきれずに、今度はそれが直撃したレナードは低いうめき声を上げた。どうやら、前の傷に触れたらしかった。
    「大丈夫か?」
     ルナは聞く。
    「ああ」
    「どうする?これでは埒が明かないぞ」
     そう言っている間にも、ノーバはこんどはルナの方に向かってきた。
    「撃ち落とすしかないだろう」
     レナードは答えた。
    「そうだな」
     ルナはそう返しながら、側転でノーバをかわした。
     そして「今だ!」というタイミングで、パンチレーザーを放った。
     すると、間髪おかずに、今度はレナードが額からエメリウム光線を放つ。
     二つの光線は、ほぼ同時にノーバに直撃した。すると、ノーバは白い煙を上げて地面に落下した。
    「やったか?」
     二人は、暫く落下した辺りを見ていた。すると、不意にそこから大量の赤いガスが舞い上がり、それはどんどんと広がって、やがて二人の居る辺りまでをすっぽり覆ってしまった。辺りは真紅に染まり、何も見えなくなった。
    「気をつけろ。来るぞ!」
     レナードは身構えた。
     すると、その言葉を裏付けるように、すぐにルナは何かで背中を切りつけられた。
    「うおッ!」
     そして次の瞬間、今度はレナードがムチで頬を張られた。
    「うう…」
     ルナは透視光線でガスの中を見渡そうとした。しかし、敵の姿を見定めるどころか、1メートル先も見えなかった。
    「透視光線は無力だ。このガスを何とかしない限り、奴は倒せない」
     レナードは言った。
     それからはまさに地獄だった。
     反撃はおろか、防御すら出来ない二人の巨人相手に、ノーバはムチとカマで容赦ない攻撃を続けた。二人は、ただそれに耐えるしかなかった。

     一方、二人の戦っている場所の近くに居るビリーたちも、ガスに苦戦していた。無論、ガスマスクは着用しているが、視界が利かないのは同じである。
    「畜生。敵が目の前に居るってのに、援護も出来ないのか」
     悔しそうに、ビリーが言った。
    「いっそ、そこら中を出鱈目に撃ってみるか」
    「駄目よ。そんなことをしたら、ウルトラマンたちに当たっちゃうわ」
     クリスが言った。
    「しかし、このガスのせいで、赤外線もX線も電波も遮断されてるんだ。もちろん、肉眼でも見えない。どうすればいいんだ?」
    「一つだけ、手が…」
     そういったのは、アルバートだった。
    「何だって?」
     半信半疑に、ビリーは聞いた。
    「風を読むんです」
     アルバートは答える。
    「風?」
    「はい。正確には気流を読む、という事ですが…」
    「要領を得ないな。回りくどい言い方をしないで、率直に言え」
     とシュペーマンが横から言った。
    「はい。ノーバの全長はおよそ60mです。これだけ巨大なものが動けば、当然対流の変化が生じ、大気の流動が起こります」
    「それで?」
    「ですから、それを読むんです」
    「どうやって?」
    「実は、脱出時に持ち出せた機材の中に、大気の流動を測定する装置が入ってるんです。最初は捨てようと思いましたが、何かの役に立てばと…」
    「すぐ使えるのか?」
    「もちろんです」
    「なら、すぐにやれ!」
     ビリーが檄を飛ばすと、アルバートはシュペーマンと、ジープの荷台に積んだ機材のセッティングに掛かった。それを見ながら、ビリーは
    「よし。俺たちは、武器の準備をしよう」
     と、クリスを促した。

     一方の二人の巨人は、依然敵の執拗な攻撃に苦しんでいた。
     現状では、下手に攻撃も出来ない。もはや、お手上げ状態だった。
     唯一、反撃のチャンスは、敵が自分たちを攻撃するために接近してくる瞬間だったが、幽霊のように音もなく動くノーバの気配を感じ取るのは容易なことではなかった。
     二人の体力も、そろそろ限界に近づこうとしていた。「絶望」の二文字が、不意に何度も頭をよぎった。
     そんな時、ガスの中に爆発音が響いた。
    「何の音だ?」
     レナードは言った。
    「みんなだ」
     ルナは言った。
    「何?」
    「CPKのみんなが、外から援護しているのかもしれない」
    「馬鹿な。可視光線はおろか、あらゆる種類の光線を遮断するガスが充満しているのに、どうやって?」
     その間にも、二回三回と爆発が起こった。すると、かすかではあったが、ノーバのうめき声が聞こえた。
    「攻撃が当たっている?!しかし、どうやって?」
     その時、不意にそよ風がルナの頬を撫でた。
    「分かったぞ!風だ。気流だ!」
    「そうか。気流の変化を読めば、見えなくても戦える!」
     二人は、にわかに色めきたった。
     二人は、皮膚感覚を研ぎ澄ませた。どんな小さな風も感じられるように。
     そして、遂に
    「そこか!」
     と、レナードはアイ・スラッガーを放った。それは、鋭い金属音を立てて、何かに跳ね返って戻ってきた。どうやら、ノーバがカマで払ったらしい。
     すると、それを見て今度はルナが、
    「デュワ!」
     と、同じ方向に飛び掛った。
     すると、彼は明らかに何かに触れた。彼はすかさずそれをガッシリと両腕で捕えると、全体重をかけて押し倒した。
    「ギャ!」
     ノーバは咄嗟の出来事に、不気味な悲鳴を上げた。カマとムチを振って必死に抵抗したが、ルナは構わなかった。
     ルナは、馬乗りになると、そのまま相手を何度も何度も殴りつけた。一発殴るたび、死んでいった者たちの顔が浮かんできた。
     それで、少し意識が朦朧となったのか、ノーバは抵抗をやめた。しかし、相変わらずガスの放出は続けていた。
     ルナは、手元の地面から、適当な大きさの岩を拾いあげると、それをノーバの口に押し込んだ。
     相手は、再び苦しそうにもがく。それでもルナが動かないと、今度は目から怪光を発して、ルナの身体を吹き飛ばした。
     ノーバはようやく立ち上がった。しかし、押し込まれた岩は、奥深く食い込んでいて取れなかった。
     ガスの放出が止むと、辺りは次第に澄んできて、やがて目視できるまでになった。
     すると、好機を得たとばかりに、今度はレナードがノーバに突進していった。
     しかし、ノーバは今度は慌てることもなく、目から怪光線を発射した。光線を胸で受けたレナードの身体は後方に弾き飛ばされた。

    「畜生。なんて野郎だ」
     地上でそれを見ていたビリーは毒づいた。
    「ガスが消えても、まだ奥の手があるってか…。なら、こっちにだって考えはある」
     そういうと、ビリーはジープの荷台から照準器付きの地対空ミサイルを取り出し、それを構えた。
    「おい、シュペーマン!CPKガンで奴を撃て」
     彼はそんな指示を出した。その意外な指示に、シュペーマンが少し戸惑っていると、
    「何をしている?早くしろ。奴の頬を狙え!」
     とビリーが檄を飛ばす。シュペーマンは仕方なくそれに従ったが、依然狐につままれたような顔をしていた。
     炸裂弾が、ノーバのテラテラと光る頬で弾けた。ノーバがこちらを向く。
    「目薬はどうだい?テルテル坊主さんよ…」
     ビリーはミサイルのトリガーを引いた。
     ミサイルが、白い軌跡を残して、まっすぐノーバの落ち窪んだ目の中に吸い込まれていく。そして次の瞬間、ノーバの右目から火柱が上がった。
    「ギャー!!」
     ノーバが悶絶する。
     すると、それを見ながら、ビリーは二発目を構えた。
    「折角だ。もう一本どうだい?」

     ノーバは左目からも火柱を上げた。
     ノーバは両腕を振り回して悶絶した。その隙に、ルナとレナードはそれぞれ、ウルトラスラッシュとアイ・スラッガーを投げた。
     二つの刃が、その両腕を飛ばした。すると、もはや持てる全ての武器を失ったノーバは、急に大人しくなった。見ようによっては、その姿は哀れでもあったが、それも自業自得というものだろう。
    「よし、トドメだ。奴の急所は頭だ」
     レナードがそう言った時だった。
     ふと、どこからか声がした。
    「レナード。お前に奴が撃てるのか?お前に殺せるのか?!」
     それはテレパシーだった。
    「ザンパ星人だな?それはどういう意味だ?」
     レナードはテレパシーでそう返した。
     すると、相手は笑って、
    「それは、自分で考えることだ。クックッ…」
     と言う。
     レナードは急に胸騒ぎがした。
    (もしや…)
     彼は、ノーバの頭を透視して見た。
    「あッ!」
     予想通り、そこには一人の少女が閉じ込められていた。
    「カレン…!」

    オリジナル小説 第三十三弾!

                   ウルトラマンA THE ZERO 三十三章 明日を賭けた戦い
     
     まばゆい光は夜の闇を切り裂きながら、急速に広がっていった。そして、ある瞬間、地の底から湧きあがって来るような轟音と、大地を揺るがすような衝撃波が、隊員たちを襲った。
    「キャアッ!」
     他の隊員と、岩陰に身を隠しているクリスが悲鳴を上げた。が、それすらも轟音にかき消され、誰の耳にも入らなかった。
     そんな、この世の終わりのような状態は、暫くの間続いたが、やがて閃光は消え、轟音と衝撃波も無くなった。後には、不気味な程の静寂だけが残された。
     隊員たちは、暫く岩陰から動くことが出来なかった。足がすくむとはこのことだろう。この時、彼らは本当の恐怖を味わったのである。
    「やった…のか?」
     ビリーが独り言のように、ポツンと言った。が、誰も答えない。まだ、思うように口をきけなかったのである。
     ビリーは仕方なく、一人で恐る恐る岩陰から顔を出した。
     すると、さっきまで、そこに当たり前のように存在していた「あるもの」が、跡形もなく消え去っていた。
    (俺たちの基地は、もう無いんだ…)
     それを改めて実感させられた。
     そこには、夥しい量の瓦礫の山と、まだ赤々と燃える炎だけがそびえていた。
    「副隊長…」
     いつの間にか、後ろに来ていたシュペーマンが言った。
    「ああ…」
     ビリーは曖昧に相槌を打った。
    「奴は、死んだんでしょうか?」
     シュペーマンが訊いた。
     ビリーは、そこで初めてハッとした。
    (そうだ、そうなのだ。シルバーブルーメ…、あの怪物はどうなったのだ?)
    「奴はどうした?」
     ビリーは辺りを見回した。他の三人も同じ事をする。
    「あれじゃないでしょうか…」
     アルバートが指をさして言う。
    「あれは…」
     見ると、その先には、あの「クラゲの怪物」が横たわっていた。それは無惨にも触手を全て吹き飛ばされ、火ダルマになっていた。もはや、二度と動き出す事は無いだろう。
    「勝ったな…」
     その時、初めてビリーの目に涙が浮かんだ。
    (隊長…。やはりあなたはすごい。あなたは、ご自分の命と引き換えに、あの卑劣な怪物どもを倒したんですよ…)
     ビリーは、内心そう呟きながら、黙って基地の方に敬礼をした。
     それを見た三人も、黙ってそれに従った。

     同じ頃、一つの青い光が燃え盛る基地の近くに舞い降り、やがてそれが消えると、後にはクレアと等身大のウルトラマンルナが残った。
     ルナは抱きかかえていたクレアを、やさしく地面に寝かせると、テレパシーで
    「もう、いいよ」
     と、語りかけた。
     彼女はゆっくりと目を開ける。その瞳には、徐々に銀色の戦士の姿が入った。しかし、彼女は別に驚きもせず、むしろ微笑して
    「ありがとう…。ルナ…」
     と、弱々しい声で答えた。ルナは少し意外な感じがした。
    「どうして、驚かないの?」
     すると、彼女は弱々しく笑って、
    「知ってた…」
     と言う。
    「僕の正体を?」
     クレアは小さく頷く。
    「いつから…?」
     ルナはそう訊きかけて、「いや」と首を振った。そして、
    「どうして、今までそれを…?」
     と訊く。
    「あなたの口から言ってほしかった…」
    「……」
    「だって…、私…あなたの事を…」
     と、そこで彼女は咳き込んだ。その口からはいつの間にか赤いものが滴っていた。
    「喋らない方がいい」
     ルナは言った。しかし、彼女は首を振って
    「いいえ…。これだけは…、言わせて…頂戴。私は…」
     喉に血が溜まって来たのか、その声はかすれて、ひどく聞き取りづらいものだった。しかし、ルナはそれを一言たりとも聞き漏らすまいと全神経を集中させた。
    「私は…、あなたの事…を…、してる…から…」
    「え…?」
    「あなたの事を…、愛してるから」
     彼女は確かにそう言った。ルナは何か、言い表しようのない衝撃に襲われた。
    「愛…」
     ウルトラマンにとっての「愛」。それは、他者を慈しむ心。或いは、親が子を、子が親を慕う感情でしかなかった。
     ウルトラマンたちは、有機生命体ではない。男女が存在しても、両者の間に、月星人や地球人が抱くような感情は決して起こらない。生殖プロセスの大きく異なる非有機生命体は、相手を慈しむ事は出来ても、「愛する」事は出来ないのである。それは、遠い過去―M78星雲人がウルトラマンになった時に、失われた感情なのかも知れない。
     当然ルナも、その両親も感じたことはない。他の多くの仲間も恐らく同じだろう。
     しかし、ルナは今、確かにそれを胸の中に感じた気がした。ウルトラマンが決して抱くことの無い感情が。
     それは、彼があまりに忠実に人間をコピーしすぎたせいかも知れなった。
     だが、そんなことはどうでもよかった。ルナは今、目の前に横たわる一人の死に行く少女を救いたかった。どんな手を使ってでも。それがたとえ、彼の生命を削ることになっても…
     
     その時だった。
     瓦礫の中から、赤いガスが舞い上がった。それはやがて一つの塊となり、巨大なテルテル坊主の姿をなした。
    「ノーバ!」
     ルナは思わず叫んだ。
     多くの人間が、その命と引き換えに戦ったにも関わらず、まだこの怪物は平気な顔をしているのだ。ルナの中に、言いようのない怒りがこみ上げた。
    「行って…」
     そんな彼の耳に、そのか細い声が聞こえた。
    「しかし…」
     ルナは躊躇した。
     しかし、クレアは
    「私、待ってるわ…。あなたがあの…怪物を倒すまで…」
     と微笑んだ。
     ルナはその言葉にハッとさせられた。
     そうだ。僕はウルトラマンなんだ。この星の人々を、卑劣な侵略者から守る戦士なのだ。
    「分かった、行くよ。ただ、一つだけ約束してくれ」
    「なに?」
    「僕が戻るまで、絶対に死ぬな!」
    「分かったわ…」
     そう言うと、クレアは、ルナと指きりをした。
     ルナは、その指をそっとほどくと、
    「デュワ!」
     と叫び、本来の大きさに巨大化した。
     それを見送りながら、クレアは
    「ルナ…」
     と小さく言った。

    「畜生!テルテル坊主の化け物が…。まだ生きてやがったのか!」
     忌々しそうに、ビリーが言った。すると、
    「副隊長。あれを…」
     クリスがそう言って指さした。すると、その先には銀色の巨人が立っていた。
    「ウルトラマン…」

     ルナは、ノーバに向かって構えた。
     すると、相手もそれに気づいたらしく、こちらを向いた。その顔は、こちらを嘲っているようにも見えた。
    (お前だけは許さん!)
     ルナは「うおおお」と叫びながら、ノーバに向かって突進していった。
     しかし、ノーバはそれを読んでいたというように、すばやく円盤形態に変形すると、さっとそれをかわしてしまった。
     一方、オーバーランしたルナは、そのまま地面を滑った。
     それを見たノーバは嘲笑するような声をだして、ルナを見下ろしている。あたかも「その程度か?」と言わんばかりに。
     そして、ノーバは、起き上がろうとしているルナに対し、回復した右手のムチを振るった。
     ムチは乾いた音を立てて、ルナの身体に炸裂した。
    「うお…」
     ルナは激痛に、思わず呻いた。
     しかし、ノーバはそれでも容赦なくそれを繰り返した。ルナは、それに耐えるしかなかった。
     その時だった。ルナの頭の中で声がした。
    「ルナ、立て!」
     すると、その直後、ノーバの横っ面に、強烈な一撃が炸裂した。ノーバはそのまま弾き飛ばされ、近くの岩山に頭から突っ込んだ。
     それから、ルナはようやく顔を上げた。
    「レナード!」
     ルナは思わず叫んだ。
    「だから、円盤生物には注意しろと言ったんだ」
     ルナを起こしながら、レナードは言った。
    「すまない…。つい感情的になってしまって…」
     申し訳なさそうに、ルナは言った。
    「お前は、昔から変わらんな」
    「え…?」
     その時、先ほど飛ばされたノーバが、やっと立ち上がった。
    「ルナ。悔しいが、俺は今の状態では、奴を倒せない。今回だけ協力してくれるか?」
     レナードは言った。彼は、前の戦闘の傷が、まだ完全には癒えていなかったのである。
    「もちろんだ」
     ルナは快諾した。
    「感謝する」
     そして、二人の巨人の戦いが始まった。
    March 03

    メビウス第46 話感想

    マジですごい内容だった今回。では、早速感想にいってみましょう。

    グローザム。暗黒四天王の3番手にして、皇帝の豪将。
    まず、いきなり高倉市の一角にあるダム(外観はどう見てもフォートレス・フリーダムでしたが)に出現し、一瞬にしてダムを凍結。ガイズをおびき出します。そして、ミライとテッペイくんが来ると、等身大で出現し、ミライを挑発。アキュートアローで狙撃されますが、吐息で全弾凍結させ、ダメージなし。その後、自ら巨大化してメビウスとして戦うようにミライを挑発。そして、まんまと現れたメビウスと一戦を交えます。メビュームシュートやメビュームバーストを直に食らいますが、速攻で傷を再生し、ダメージなし。その後、ファイヤーウィンダムの火球で不意打ちされますが、勿論ダメージはなく、逆に冷気を浴びせて倒します。
    そして、必殺技の連続使用でエネルギーを消耗したメビウスを相手に「今度は俺の番だ」と怒濤の攻撃を加えます。そして、最後は何と、メビウスを刺して凍らせる(!!)という、たぶんスノーゴンとか星人ブニョ以来であろうかなり残酷なやり方で締め括ります(あのシーンはかなり生々しかったぞ。子供とか、どう思ったんでしょうね?)。
    しかも、驚くべき事に、何とその様子はテレビ中継されていて、グローザムはカメラに向かって「この星の人間どもに告ぐ。ウルトラマンメビウスは俺が倒した。いずれこの星には皇帝が降り立つ。お前たちの運命はその時に決まる」と豪語し、姿を消します。
    その後のメフィラスとの対談で、グローザムの本当の狙いは、メビウスを助けにくるウルトラ兄弟を倒す事だった事が判明。一方で、人間の力を軽視していたため、メフィラスに「人間をあまり甘く見ない方がいいですよ。人間たちも新たな対策を練ってきますよ」と諫められますが、それでもグローザムは「俺は不死身だ。あらがって来た者はすべて凍らせる」と豪語します。
    その後、メフィラスの指摘どおり、ガイズが動きだすと、グローザムは再び出現し、それを妨害。しかし、セブン兄さんのナイスアシストによってメビウスの復活を許してしまいます。
    それでも、あくまで強気のグローザムは冷気で二人を圧倒。セブンのアイスラッガーで一刀両断されても速攻で再生します。さらに、その後、メビュームシュート+エメリウム光線のダブルアタックでばらばらになっても尚、再生しようとします。しかし、その直前にフジサワ・アサミプロデュースのメテオール「マクスウェル・トルネード」を食らい、遂に燃え尽きました。
    敗因は、言うまでもなく過信と油断。自らの再生能力を過信するあまり、その限界に気付かなかった事と、メフィラスの言う事を無視して人間を軽視した事に尽きるでしょう。

    ウルトラセブン兄さん。格好良い!とにかく格好良かったです。メビウスもかなわなかったグローザム相手に果敢に突進していったのはさすがだと思います。
    技も、安直にワイドショットで片付けずに、アイスラッガーとエメリウム光線を使ったのも良かったと思います。劇場版に引き続き、エネルギーが乏しくなると額のビームランプが点滅するという設定が復活していた点も高く評価したいですね。

    モロボシ・ダン。やはり格好良すぎです。メビウスが倒された直後、絶望したコノミさんの前に颯爽と馬で登場(神戸から乗ってきたんでしょうか?)。森の中で焚き火をしてコノミさんと対談します(この時、コノミさんは「あなたは?」と聞きますが、さり気なく流してました(笑))。「かつてのウルトラマンたちも、強敵に敗れる事があった。しかし、そんなウルトラマンたちの窮地を、人間は救ってきた。ウルトラマンも人間も、仲間がいる限り、どんな強敵とも戦う事が出来、そして勝つ事が出来る。メビウスを救う方法は必ずある。諦めてはいけない」と言い、勇気付けます。ちなみに、このシーンでは、ガッツ星人戦のインサート映像が流されました。
    その後、ガイズの作戦をアシストすべく変身。「デュワ!」の掛け声は健在でした。
    勝利後は、ミライと対談。「メビウス。仲間たちを大切にな。俺が受けた悲しい思いだけは、君に味わわせたくはない」と言い残し、颯爽と去っていきました。おそらくこの言葉は、かつて自分が隊長だった時に、MACが全滅した事を思い出しながら言ったんでしょうね。部下を失い、ただ一人生き残ったダンの苦悩。それがひしひしと伝わってくるようで、感無量でした。元ウルトラ警備隊員としてではなく、元MAC隊長として描かれていた点が、新鮮でした。
    願わくは、カプセル怪獣やウルトラ念力なども見たかったですが、それは仕方ないですかね。

    フジサワ・アサミ博士。ミサキ女史のご学友にして、異次元物理学のスペシャリスト。
    やや奔放で暴走気味な点はかわらず、サコミズ隊長を「さこちゃん」よばわり(ちなみに、コノミさんは「うさぎちゃん」、ミライは「不思議ちゃん」)。
    今回は新型メテオール「マクスウェル・トルネード」を携えて登場。腑甲斐ない男性陣に代わって大活躍します。
    今回は科学者フジサワ・アサミというよりも、元チーム・クロウの多田野慧としての扱いでした(スタッフとか、絶対にこれを意識したと思いますよ)。勝手に作戦名を「プライド・オブ・ガールズ」と呼称(この辺なんかは、多田野慧以外の何者でもないです)。ミサキ女史とともに指揮をとりました。
    ちなみに、ミライの正体はとっくに知っていたとのこと。
    様子から見るに、第26話以降ジョージとの交際は無かった模様(悲)。

    ファイヤーウィンダム。ロベルガー戦以来、久しぶりに登場。ゼットン、パンドン、ブラックエンドを合わせた火球でグローザムを不意打ちしますが、あまり通用せず、あっさりやられてしまいます(悲)。

    ガイズ男性陣。全員入院で活躍なし(サコミズ隊長は頭部と右足を負傷、リュウは左腕を骨折、ジョージは左腕の打撲、テッペイくんは発熱、ミライは凍りづけ)。うち3人はデスレム戦での負傷。こんな展開がかつてあったでしょうか?そういう意味では、デスレムも恐ろしい相手でした。

    ガイズ女性陣(マリナさんとコノミさん)。今回の主役。腑甲斐ない男性陣に代わって出動。ミサキ、フジサワ両女史の指揮の下、「マグネリウム・メディカライザー」で、メビウスにエネルギーを与え、「マクスウェル・トルネード」でグローザムを倒しました。
    男性陣がいる時以上に、ガイズが活躍しているように見えたのは気のせいでしょうか?いっそ、来週からこのメンバーで…それは無理ですね、さすがに(苦笑)。

    ミサキ女史。サコミズ隊長に代わって指揮をとりました。もはや、トリヤマ補佐官に、登場する暇も与えない程の活躍。さすがは総監代行!

    ミライ。グローザムの挑発にまんまと引っ掛かって変身して、凍りづけにされました(折角テッペイくんが身を呈して止めたのに)。今回はあまり活躍シーンは無し。

    メビウス。久々にスムーズにバーニングブレイブを発動できたかと思ったら、メビュームバーストが通用せず、まさかの初戦惨敗という結果でした。
    グローザムに貫通する程の重傷を負わされたにも関わらず、マグネリウム・メディカライザーで復活した後は、傷は完全回復していました。
    後半は、セブンとの共闘でグローザムに反撃。コノミさんとの連係プレーで見事勝利を収めます。

    リム。久々に登場。初めての単独出動で震えるコノミさんを元気づけました。


    さて、次回はいよいよ暗黒四天王のリーダー・メフィラス星人が参戦。予告を見るかぎりでは、性懲りもなく策を巡らせて、メビウスを心理的に追い詰めてくるみたいですね。
    さらに、ウルトラ兄弟からは、初代マンが参戦。メフィラスとの40年ぶりの再戦が見られるのでしょうか?楽しみです。
    あと、先々週から気になっていたのですが、なぜかガイズ隊員とウルトラ兄弟が、一対一で絡んでますよね?エース→マリナ、ジャック→ジョージ、セブン→コノミ、ゾフィー→サコミズ隊長という感じで。
    これも何かの伏線なんでしょうか?気になります。