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    April 28

    ウルトラ作品 この一本

    さあ、今週もこのコーナーがやってきました。今回は「ウルトラマンティガ」から、第48話「月からの逃亡者」をご紹介します。

    まずは、ストーリー。
    TPC(地球平和連合)は、宇宙開発の一環として、月面上にハヤテ隊長(演:京本政樹)以下100名の精鋭からなる月面基地ガロワを建設していた。

    しかしある日、そんなガロワが、何者かの攻撃で突然壊滅してしまう。

    そして、その唯一の生存者として地球に帰還した副隊長キシナガは、サワイ総監をはじめとするTPC上層部に対し、基地を壊滅させたのは隊長のハヤテだと証言する。

    参謀達がキシナガの言葉を鵜呑みにして、ガロワの一件はハヤテの仕業だと決め付ける中、ガッツのイルマ隊長だけは彼がそんな事をする筈はないと主張し、ガッツに調査をさせて欲しいと申し出る。

    こうしてガッツは、ガロワの事件に関して独自に調査を始め、宇宙空間に漂流する宇宙艇を発見する。

    しかし、その直後に警務局のヨシオカ長官からガッツに対し、ガロワ事件の調査を中止せよとの命令が下される。イルマが理由を問うと、ヨシオカは「君とハヤテは、訓練センター時代からの同期だ。私情を挟んで捜査に支障を来しはしないか?」と言い、断固としてガッツに調査の中止を求めた。

    同じ頃、キシナガは自室でレコードを聞いていた。すると、彼の後ろに「もう一人の」キシナガが…

    しかし、納得のいかないイルマは、ガッツ隊長としてではなく、一個人として事件の調査に乗り出す決心をする。

    すると、そこにムナカタ副隊長以下ガッツの全員が現われ、隊長をひとりでいかせる訳にはいかないと言いだす。

    部下を巻き込みたくないイルマは「これは規則違反なのよ」と言うが、対するムナカタは「我々は、規則ではなく隊長を信じて今までやってきた」と言い、「隊長が信じるハヤテ隊長を我々も信じたいのです」と訴える。

    その声に心動かされたイルマは、隊員たちと共に調査をする事にする。

    そしてその後、ダイゴとレナは、ガッツウィング1号で漂流する宇宙艇にハヤテ隊長を捜索しに向かい、一方のムナカタ副隊長とシンジョウ隊員は、キシナガの尾行調査を開始した。しかし、キシナガはずっとライブラリーで仕事をしていて変わった様子は見られなかった。

    だが、ちょうど同じ頃、基地内ではすでに異常が発生していた。いち早くキシナガの正体に気付いたサワイ総監は、自室でキシナガと一人で戦っていた。サワイは格闘戦で善戦するも、不意を突かれて繭に閉じ込められてしまう…。

    その直後、ガッツの作戦司令室にサワイ総監ら上層部がやってくる。サワイはイルマに対し「君には失望させられた」と言い、ヨシオカ長官は独断で宇宙艇の捜索を行っている事を指摘。イルマは、ガロワ事件の真相究明には、ハヤテ隊長を探す事が最善だと主張するが、全く聞き入れて貰えない。

    さらにサワイは、イルマを隊員に降格。その上でキシナガを後任の隊長として指名する。

    ムナカタらは、その命令に対し断固として反対するが、サワイらはやはり聞く耳を持たない。

    すると、イルマはそんな彼らの態度に疑問を抱く。まるで人が変わってしまっていると…

    イルマはキシナガに疑いを抱く。しかし、ムナカタらの報告によれば、キシナガはずっとライブラリーにいたという。そんなとき、彼女はハヤテの「今、お前は二人の敵と戦っている」という言葉を思い出す。

    一方、ダイゴとレナは、漂流する宇宙艇を発見する。しかし、呼び掛けに一切応答がない。ダイゴは一人で艇の中に入るのだが…

    同じ頃、イルマはキシナガの自室にいた。ある事を確かめるためであった。そこで彼女は、クローゼットの中に繭のようなものを発見する。それを開けてみると、中には気を失ったキシナガがいた。すると、そこにさらに二人のキシナガが現われる…

    一方のダイゴは、艇の中を捜索していた。すると、そこにも同じような繭があった。すると、その直後彼は謎のエイリアンに襲撃される。ダイゴはガッツハイパーでなんとかそれを撃退するが、今度は繭の中から物音が。慌ててガッツハイパーを向けるダイゴだったが、その中から現われたのは行方不明のハヤテ隊長であった。

    ダイゴらはハヤテを連れて基地に帰還。その途中でハヤテは、地球に帰還したキシナガは、実はガロワを壊滅させた双子のエイリアンが化けたものだと告げる。

    彼によると、2か月ほど前にコペルニクスクレーター付近で回収された巨大なエイリアンの死骸が、実は仮死状態のエイリアンで、それがキシナガとすり変わっていたというのである。

    その頃、基地ではさらなる異変が起きていた。先程まで、決して信念を曲げる事のなかったイルマが、急にキシナガのもとで働くと言いだしたのである。

    ムナカタらが困惑する中、そこにハヤテを連れて帰還したダイゴらが現われる。ハヤテは、現われるなり、ガッツハイパーを抜き、キシナガに向ける。何も知らないムナカタらは「危ない!」と彼を制するが、キシナガは一目散に逃げ出していった。

    すると、ハヤテは後に残ったイルマにガッツハイパーを向ける。すると、ムナカタらもガッツハイパーを抜き、イルマを撃たせまいとする。

    しかし、ハヤテはフェイントをかけて発射。すると、イルマの姿は見る見るエイリアンに変貌してやがて消滅した。

    一方、逃走したキシナガを追うダイゴは、その途中でナハラ参謀、ヨシオカ長官に行く手を阻まれる。二人のあまりに平然とした態度に不意を突かれたダイゴは、サワイ総監のパンチを食らい、失神してしまう。

    すると、その隙にキシナガらはガッツウィングEX-Jで出動。逃走を図る。

    ようやく意識を取り戻したダイゴは、ティガに変身。キシナガらを追撃する。

    その直後に、ハヤテが2号機で、ホリイとレナが1号機でそれぞれ出動。そのあとを追う。

    キシナガはそれを振り切ろうとするが、ティガは光線で機体を撃墜。すると、落下した機体の中から巨大な双子のエイリアン・メンジュラが現れる。

    メンジュラは、不敵な笑みを浮かべてティガを攻撃。苦戦させる。

    すると、そこにハヤテが参戦。卓越した操縦テクニックでティガを援護する。

    ハヤテは双子のうちの一体を担当。一対一ながら善戦する。

    一方のティガはもう一体を担当。

    最終的には、ティガのゼペリオン光線と2号機のデキサスビームで挟み撃ちにされ、爆死するのだった…。

    その後、本物のイルマやサワイらは、無事繭の中から救出され、ハヤテは本物のキシナガと共に、ガロワ再建のため再び旅立っていくのであった…。

    感想と解説。
    この作品は、今まであまり語られなかったイルマ隊長の過去が語られていると共に、常に沈着冷静というイメージで描かれる事の多かった彼女の人間的な一面が描きだされていたという点で大変良かったと思います。

    ですが、やはり今回特筆すべきはハヤテ隊長の活躍でしょう。演じられた京本政樹さんが格好よすぎなんです。銃撃戦、空中戦にとどまらず、剣道をするシーンまで用意されていました。彼の登場シーンは、すべて必見です。

    また、今回は珍しくガッツウィングの1号、2号、EX-Jが一緒に登場する回でもあるので、そちらも注目です。

    ちなみに、今回の敵キャラであるメンジュラも、前回のタラバン同様、劇中では「双子のエイリアン」とだけ呼ばれていました。

    今までご紹介してきたように、この作品は見所がいっぱいなので、まだ見ていないという方には、是非お薦めしたいです。内容もそんなにマニアックではないので、ウルトラは初めてという方でも楽しめると思います。
    April 24

    GW直前のイラストUP!

    さあ、桜も散った今日この頃、今年も遂にGWの季節がやってきました。
    私の場合はたぶん、例年通り何もしないままダラダラと終わってしまいそうですが、皆さんは何かご予定がありますでしょうか?
    さて、では今週も早速イラスト紹介に行って見ましょう!
    まず、一枚目は、先週の「ウルトラ作品 この一本」でご紹介した『いざ!鎌倉』のイメージカットです。本当はカメラマン・ホシノ(演:ガッツ石松さん)とのツーショットにしたかったのですが、いろいろあって結局怪獣の単独になってしまいました。
    二枚目は、久しぶりに円盤生物。『サタンモア』を描いてみました。円盤生物でありながら、円盤形態を持たない不思議な奴として有名です。地球防衛軍の対空ミサイルを数発食らっても平気な顔をしてたすごい奴でもあります。このキャラのスチールは、なぜかこの角度のものがほとんど。
    三枚目は、『星村かな子』さん…、と言っても分かる人は少ないですよね(苦笑)。この人は、ウルトラマンレオに登場した宇宙鶴ローランの人間体です。ローランは、宇宙一の美女怪獣で、マグマ星人からの求婚を断ったために星人から追われる事となり、地球に逃れてきた怪獣です。今回は、レタッチソフトを使って輪郭線をぼかして、幻想的な感じを出してみました。また、唇の部分にもちょっと手を加えて、色が綺麗に出るように加工してみました。
    四枚目は、『ゆき』さん…、と言って分かりますかね?今回は分かりにくいキャラばっかりですみません。簡単に説明すると、ゆきさんは初代ウルトラマンの登場人物で、伝説怪獣ウーは死んだ彼女の母親の化身だとされています。解説書などにもあまり写真の載らないキャラなので、イラストを描くのには苦労しました。
    五枚目は、『地上破壊工作』(初代マン#22)のイメージカット。右の怪獣はテレスドンで、左の女性は科学特捜隊パリ本部のアンヌ・モーハイム隊員に化けた地底人です。個人的には、このテレスドンという怪獣が結構気に入ってます(デザインがシンプルだから)。
    ちなみに、誤解が無いように一応言っておきますが、ここで言うアンヌ・モーハイム隊員は、ウルトラ警備隊の友里アンヌ隊員とは全くの別人です。あしからず。
    六枚目は、『ジュリー・ヤング』隊員。ウルトラマン『パワード』に登場した女性隊員です。考えてみれば、サングラスを掛けていない外国の方を描くのは、これが初めてのような気がします。そのせいか、描き慣れていない感がありありと…(涙)。
    七枚目は、『パワードドラコ』。初代マンに登場した彗星怪獣ドラコのリメーク。こちらも上と同じく「パワード」に登場したキャラです。今回は、バルタン星人の手先という設定。ウルトラマンが戦うまでもなく終わってしまった初代ドラコとは対照的に、こちらはレッドキングに楽勝し、パワードすらも凌駕し得る力を持っている強敵でした。比較してみると分かるんですが、日本版のドラコには無かった昆虫的要素が加わっているように思われます。
    ちなみに、パワードに登場する怪獣や宇宙人は、すべて初代マンに登場したもののリメークなので、初代と区別する意味で「パワード~」とか「~(新)」と呼称されます。覚えておくと便利ですよ(?)。
     
     
    さあ、今回もあっと言う間でしたね。
    今回はマイナーなキャラばかりで申し訳ありませんでした。
     
    さて、また感想などがあればコメント欄にお願いします。

    オリジナル小説 第四十八弾!!

                           ウルトラマンA THE ZERO 第四十八章 奇襲!
     
     翌日、ようやく歩けるようになったルナは、クレアを誘って散歩に出た。
     彼女はまだ傷が完全に癒えていなかったので、ルナが肩を貸して歩く事になった。
    「そう言えば、久しぶりだね…、二人っきりで歩くって…」
     クレアは言った。
     すると、ルナも頷いて、
    「そうだね…。スペーグス戦の直前以来かな?」
     と、言った。
    「そうね…」
    「そういえば、覚えてる?初めて会った日の夜」
    「ええ、もちろん。あの日は星の綺麗な夜だったわ…」
    「うん」
    「あの時は、宇宙って美しいものだと思ってたのにね…」
     クレアは少し寂しげに言った。
     すると、ルナは首を振って、
    「いいや。今だってそうさ…」
     と言った。
    「確かに、宇宙にはたくさんの侵略者が居る。だけど、それだけじゃない。たとえば君みたいに、平和を愛して、他者を慈しむ――そんな美しい心を持った生物だっていっぱいいるんだよ。そして、それを守るのが、僕たちウルトラマンなんだ…」
    「それが私たちの使命なのね…」
    「そうさ…」
    「いつか、また平和な日々が帰ってくるのよね?」
    「もちろんさ。僕らで取り戻すんだ」
    「ええ」
     すると、二人はそこで一旦休む事にした。
     ルナは、適当な切り株を見つけてクレアを座らせると、自分は地面にハンカチを敷いてその上に腰をおろした。
    「ゴメンね。私重かったでしょう?」
     出掛けにカレンから渡された水筒を開けながら、クレアは言った。
    「大した事ないよ…」
    「でも、結構息が上がってるわよ」
     水筒の水をコップに分けながら、クレアは笑った。
    「このところ運動不足だったから…」
     そう言って、ルナも笑った。
     彼は水の入ったコップを受け取りながら、
    「いい日だなぁ…」
     と呟いた。
    「ええ…」
     クレアも青い空を見上げながら言った。
    (こんなにも穏やかな気持ちで空を見上げたのは、一体何年ぶりかしら?)
     その時だった。
     ふと後ろに気配を感じて、ルナは振り返った。
     すると、そこにはレナードが立っていた。
    「レナード…?」
     ルナは彼の様子にただならぬものを感じた。
    「奴が動くぞ…」
     レナードはテレパシーで言った。
    「奴って…まさか…」
     ルナもテレパシーでそれに応じる。
     レナードは小さく頷き、
    「ああ、ブラックガロンだ。先ほど、わずかだが奴の意思を感じた。たぶん今夜だ」
     と、言った。
    「そんな…。早すぎる…」
     ルナは焦った。
     クレアの決心がついたとは言え、昨日の今日ではいくらなんでも急すぎる。それに、クレアの傷だって癒えていないのだ。
    「ルナ。この会話は彼女には聞こえていない」
     彼の動揺を見越したように、レナードは言った。
    「どういう意味だ?」
    「もし、今夜戦わないのならば、彼女にはこの事を黙っていればいい」
    「……」
    「知らなければ、自分を責める事も無いだろう…」
    「しかし、君一人では…」
    「ルナ…」
     レナードはキッと彼を見据えた。
    「彼女の傷はまだ回復していないんだろう?今の状態で戦って負ければ、今度こそ確実に死ぬぞ」
    「……」
    「なぁに…。お前のなど無くても、俺一人で十分だ」
    「しかし、もし新手が来たら…?」
    「その時は、その時だ。最善を尽くすまでさ…」
    「死ぬ気か?」
    「……」
     レナードは視線をそらした。
    「答えろ、レナード。馬鹿な真似はよすんだ」
     ルナは必死で説得した。
     しかし、レナードはこちらに背を向け、
    「言ったはずだぞ、ルナ。俺は俺のために戦う。他の誰のためでもなくな。だから、誰の指図も受けん」
     と、言い残してどこかに消えた。
    「レナード!」
     ルナはつい声に出して叫んでしまった。
     それを聞いたクレアは驚いて、
    「どうしたの?」
     と訊いて来た。どうやら、声だけでなく姿も彼女には見えなかったらしい。
    「何でもない…」
     目を伏せて、ルナは言った。
    「でも、顔色悪いよ。何かあったの?」
    「何でもないんだ。本当に…何でもないんだよ」
     自分自身に言い聞かせるように、ルナは繰り返した。
     クレアは暫く怪訝そうに彼を見つめていたが、
    「もう、そろそろ帰ろっか?」
     と言った。
     ルナは、黙ってそれに頷いた。

     同じ頃、CPKには戦慄が走っていた。
    「宇宙監視衛星が、こちらに接近する謎の飛行物体の影を捉えました」
     という報告が空軍から入ったのだ。
     電話に出たビリーは、
    「それは一体何ですか?まさか、また円盤生物じゃ…」
     と訊いた。
    「それはまだ分かりません。ただ、天然の隕石でない事は確かです」
    「どこから飛んできたんですか?」
    「方角からして、マゼラン星雲ではないかと…」
    「ブラックスターではないんですか?」
    「はい」
    「現状のコースで進み続けた場合、物体が月に接触する可能性は?」
    「皆無ではありませんが、かなり低いと思われます」
     と、相手は言った。
     ビリーは意外だったのと同時に、無意識にホッとしていた。
    「ただ、このままの行けば、地球に接触する可能性が高いですね…」
    「何ですって?」
     ビリーの顔が青ざめた。
    「それは間違いありませんか?」
    「ええ。90%以上の確率で」
    「もし、そうなった場合の月への影響は?」
    「そうですね…。物体の質量にもよりますが、大きさとスピードから推定して、たとえ直撃してもただちにこちらに問題が起こるという事はないと思われます」
    「接触予想時刻は?」
    「36時間後です」
    「そうですか…。では、何か分かったらまた…」
     そう言ってビリーは受話器を置いた。
    「何があったんです?」
     シュペーマンが隊員たちを代表して訊いた。
     ビリーは、電話の内容をかいつまんで彼らに説明した。
     すると、全員が頷いて、
    「なら、問題ないじゃないですか…」
     と、ホッとした顔になった。
     しかし、ビリーだけは硬い表情で、
    「俺には、そうは思えない…」
     と言った。
     全員の表情が曇った。
    「なぜです?」
     シュペーマンが訊いた。
    「だって、そうだろ?これだけ立て続けに敵の襲撃を受けている中で、正体不明の物体が飛来したんだ。偶然とは思えん」
     と、ビリーは説明した。
    「しかし、物体はブラックスターやザンパ星のものではないんでしょう?」
    「だが、もし、侵略者がザンパ星人やブラックスターだけでないとしたら…」
    「考えすぎですよ」
    「俺はそうは思わない」
    「では、どうしろと?」
    「一応調査をしたいと思ってる」
    「コスモバードで、ですか?」
    「そうだ。もう整備は終わっているはずだ」
    「俺は反対ですね」
     シュペーマンはきっぱり言った。
    「なぜだ?」
     ビリーは彼をキッと見据えた。
    「もし、調査に行っている間に、例の円盤生物が活動を再開したらどうするんです?」
    「……」
    「或いはダミーということもありえます」
    「ダミー?」
    「ええ。我々の眼を宇宙にひきつけておき、その隙に月を奇襲する気かも知れません」
    「……」
     ビリーは黙っていた。
     もっともな話である。確かにシュペーマンの意見も捨て難い。円盤生物という差し迫った危機が目の前にある中で、害があるかどうかも分からないものの調査のために人員を割く事は、指揮官として賢明とはいえないかも知れない。
     しかし、ビリーは自分の意見を曲げる気はなかった。
     あの物体にはきっと何かがある。それを突き止めなければ…。
    「シュペーマン。確かに、お前の意見ももっともだ」
     ビリーは言った。
    「しかしな、たとえ1%でも疑いがあれば、それを調べるのも俺たちの使命じゃないのか?」
    「そうですが…」
    「では、こうしよう」
    「?」
    「宇宙には俺とアルバートで行く。お前とクリスはここに残って、不測の事態に備えろ」
     と、ビリーは提案した。
    「これでどうだ?」
     ビリーはシュペーマンを見た。
     シュペーマンは暫く考えていたが、
    「分かりました。そうします」
     と、ようやく頷いた。
     それを見たビリーは、姿勢を正して、
    「よし。では、CPK出動!」
     と、リュー隊長譲りの号令をかけた。
    「了解!」
     隊員たちもそう言って敬礼した。
    (隊長、見ていますか?俺も、少しはあなたに近づけましたか?)
     ビリーは一瞬、そんな感傷に浸った。涙があふれそうなのを必死でこらえつつ…。

     小屋に戻ったルナは、窓の外の西の空を眺めていた。
     すでに、空は真っ赤な夕日に染め上げられている。
    (これから起こる事がわかっていながら、僕には何も出来ないのか…)
     その時だった。
     夕日をバックに、二つの影が空高く飛び立っていった。
     それはとても小さな点にしか見えなかったが、ルナにははっきりと見えた。
    (コスモバードだ!)
     二つの影は、そのまま空の彼方に吸い込まれていった。
    (ビリーさんたちだろうか?)
     ルナは困惑した。
    (なぜ、宇宙に行くんだ?敵は月に居るのに…)
     その時だった。
     彼の脳裏に、またあの声が響いた。
    『ルナよ…』
    「ゾフィー副隊長!」
    『ルナよ。敵はザンパ星人だけではないぞ』
     と声は言った。
    「どういう意味ですか?」
    『あれはマゼラン星人が放った恒星間弾道弾だ』
    「恒星間弾道弾?惑星一つを軽く吹き飛ばすという、あの…?」
    『そうだ。それが地球を狙っている』
    「なぜです?」
    『マゼラン星はザンパ星と対立している。そのザンパ星が太陽系を前線基地にする事は、マゼラン星にとってはこの上ない脅威なのだ。しかし、マゼラン星には、ザンパ星人の侵略を止めるだけの力は無い。そこで、彼らはある事を思いついたのだ』
    「ある事?」
    『侵略を防げないのならば、太陽系そのものを滅ぼしてしまおうと…』
     ルナの顔が引きつった。
    「そんな無茶苦茶な…」
    『しかし、事実だ』
    「なぜ、地球なんです?」
    『月は地球の衛星だ。月は地球の引力によって繋ぎ止められていると同時に、地球の自転を支えている。要するに、この二つの天体は運命を共にしているのだ。どちらかが滅べば、もう片方も同じ運命を辿る』
    「しかし、それでは月を滅ぼす事は出来ても、太陽系そのものを破壊する事は出来ないのでは?」
    『ルナ。太陽系は、惑星間の微妙な引力バランスで成り立っているのだ』
    「はい」
    『もし、その一つでも欠ければ、バランスは崩れ、いずれは全てが滅ぶ事となる』
    「何と恐ろしい…」
    『しかし、その危機は間近に迫っている。猶予は、あと36時間足らずなのだ…』
    「!」
    『しかし、撃墜した場合の周辺への影響を考えると、少なくともあと数時間以内には撃墜しなければならない』
    「ですが、恒星間弾道弾は、この星の武器では…」
    『まず、撃墜は不可能だろうな…』
     ゾフィーはきっぱり言った。
    「何てことだ…」
     ルナは頭を抱えた。
    『しかし、我々ならば可能だ』
     ゾフィーは言った。
    「レナードは、円盤生物との戦いで手一杯です。今はとても…」
    『ルナ。お前が居るではないか…』
    「無理です」
    『なぜ?』
    「今の彼女なら、精神的には変身に耐えられるでしょう。しかし、肉体的には…」
    『ルナ。お前は大事な事を忘れている…』
    「?」
    『私はお前に“信じる心”の強さを教えた。そして、お前自身も彼女にそれを教えた』
    「はい…」
    『だが、お前自身はどうだ?』
    「?!」
    『彼女はお前を信じている。しかし、お前はどうだ?』
     と、ゾフィーは問うた。
    「僕だって、もちろん彼女を信じています。だからこそ…」
    『ならば、なぜ躊躇する?』
    「?」
    『お前が彼女を真に信ずるのならば、彼女の強さを信じろ!それが…、お前の乗り越えるべき最後の障壁だ。迷わず行け!そして、勝つのだ!愛すべき者たちを救うために…』
     その言葉を残して、ゾフィーの声は遠ざかっていった。
    「信じる…」
     ルナは右中指に光るウルトラリングを見つめた。
     そして、何かに駆り立てられるように彼は小屋を飛び出すと、クレアの小屋の戸を叩いた。
     戸が開けられ、彼女が顔を出すなり、ルナは言った。
    「クレア。僕の事を信じてくれ。僕も、君の強さを信じる!」
     クレアはいきなりの事で、さすがに戸惑いを隠せない様子だったが、すぐに状況を理解したらしく、
    「分かったわ」
     と言い、
    「私もあなたを信じるわ」
     と、微笑した。
    「ありがとう…」
     するとその瞬間、二人のウルトラリングが眩い光を放った。
     二人はそのリングを合わせた。
     そして、一つになった…。

     

    オリジナル小説 第四十七弾!

                 ウルトラマンA THE ZERO 第四十七章 再起への道
     
     ルナは、その話をクレアに聞かせた。
     クレアは、最後までじっとそれに耳を傾けていた。
    「ウルトラマンも、怖いって思う事があるのね…」
     話が終わると、彼女は言った。
    「そうさ。ウルトラマンだって、神様じゃない…。万能じゃないのさ。怖いことや、迷うことだってあるよ。でもね、それを超えていく事が“真の勇気”なんじゃないかな…。ゾフィー副隊長は、たぶんそれが言いたかったんだと思う…」
     ルナは言った。
    「私にも出来るかしら?」
     クレアは訊いた。
    「もちろんさ。きっと乗り越えられるよ、君も。だって…」
    「だって?」
    「だって、君は強い人だから。僕なんかよりね…」
     と、ルナは微笑した。

     もうすっかり日が暮れてしまった。
     丘の上で、レナードとサンドウィッチをつまんでいたカレンは、
    「暗くなっちゃったね…」
     と、言った。
    「そうだな…」
    「帰ろっか?」
     カレンが立ち上がった。
    「そうだな」
     レナードもそれに従った。
     すると、何を思ったかカレンは、突然彼の手を握ってきた。
    「ん?」
     彼が怪訝そうにしていると、カレンは、
    「女の子と手を握るのは嫌?」
     と訊いてきた。
    「別に…」
     ちょっと戸惑いながらも、努めて冷静にレナードは言った。
    「良かった。じゃ、行きましょ」
     と、カレンは微笑み、歩き出した。
    「なあ…」
     歩きながら、レナードは言った。
    「え?」
    「前から訊きたかったんだが、俺の事をどう思っているんだ?」
    「あたしが?」
    「そうだ」
    「そうねぇ…」
     心なし、レナードは少し緊張した。
    「不思議な人…、かな?」
    「不思議な人?」
     少し拍子抜けした様子で、レナードはオウム返しに言った。
    「そ。だってそうでしょ?いつもフッと居なくなったり、ヒョコッと帰ってきたり…」
    「怖くはないのか?」
    「怖い?」
    「どこの誰とも分からない俺を、怖いと思った事はないのか?」
    「全然」
     と、カレンは首を振った。
    「だって、あなたは悪い人には見えないもの…」
    「そんな見かけだけで人を判断できるのか?」
    「いいえ。見かけじゃないわ。感じるの」
    「感じる?」
    「あなたの心を」
    「俺の心…?」
    「うん」
    「俺の心とやらに何を感じるんだ?」
    「冷たいもの…」
    「……」
    「何か、とても暗くて、冷たくて、重たくて…」
    「……」
    「でもね…」
    「?」
    「その中に埋もれた、別のものも感じるの」
    「別のもの?」
    「うん。とても暖かくて、軟らかくて…、例えるなら…」
    「?」
    「光…。それも、太陽みたいな…」
    「……」

    「私が…強い…?」
     怪訝そうな顔をして、クレアは言った。
     すると、ルナは頷いて、
    「だって、そうじゃない?見ず知らずだった僕なんかを信じて、自分の地位を投げ出してまでCPKに入ったんだし、それにさ…」
    「それに?」
    「それに、あの時僕を信じてくれた…」
    「あの時?」
    「君が、死にかけた時だよ」
    「……」
    「僕には分かったよ…。あの時、君は死に際だったからじゃなく、心の底から本当に僕の事を信じてくれてるってね…」
     クレアはあの時のことを思い出してみた。
     あの時は意識が朦朧としていて、状況はあまりよく覚えていないが、気持ちだけは鮮明に覚えていた。
    『待ってるわ…。あなたがあの怪物を倒すまで…』
     この言葉を発した瞬間、確かに私は信じていたわ。
     あなたはきっと戻ってきてくれる…。死ぬ前に、もう一度私を抱きしめてくれるって…。
     その瞬間、クレアの頬を一筋の涙が伝った。
     ルナは、彼女に白いハンカチーフを手渡した。
     彼女がそれを黙って受け取ると、彼は話を続けた。
    「ゾフィー副隊長は言っていた。『信じる心が勇気に変わる』ってね。あの時は、僕自身その意味がよく分からなかった。でも、今なら分かる…」
    「……」
     クレアは、握り締めたハンカチを見つめたまま、黙ってそれを聞いている。
    「それを教えてくれたのは、クレア――君なんだよ…」
    「……」
    「だから、信じてくれ。僕の事を、もう一度だけ信じて欲しいんだ。そうすれば、もう何も怖くない…。君なら出来るよ、きっと…。いや、絶対に!」
     ルナは、最後の部分に力を込めた。そして、傍らのクレアをじっと見つめた。
     すると、彼女もこちらを向き、何も言わずに彼に抱きついた。
     不思議とルナは驚かなかった。
    「私…信じる、あなたの事…。だって…」
    「……」
    「あなたの事を愛してるから…」
     そんな彼女を、ルナは優しくその胸に抱きとめた。
    「ありがとう…クレア」
     その瞬間、二人のウルトラリングが、かすかに光った。

     同じ頃、CPKが詰めている病院では、隊員たちによる会議が行われていた。
    「近いうちに、ここを出ようと思う…」
     ビリーは言った。
    「どういう意味ですか?それは…」
     とシュペーマン。
    「ああ…。今、俺たちはこうしてこの病院を間借している。しかし、いつまでもこうしているわけにもいかないだろう?もちろん病院にだって迷惑が掛かるし、それに、もしシルバーブルーメのように、俺たちを標的にした敵が現れた場合、多くの犠牲者を出す事になる…」
    「……」
    「それで、どこに…?」
     と、アルバート。
    「うん。まだ未定だが、とりあえずは軍の基地を頼る事になるだろうな…」
     と、ビリーは答えた。
    「そうですか…」
    「アルバート。何か問題でもあるのか?」
    「あ…、いえ。そんな事は…」
    「よし。では、今日は解散だ。明日も円盤生物が現れない事を願おう。お休み」
     そう言って、ビリーは壇上を下りた。
     アルバートも席を立った。
     すると、クリスが寄ってきて、
    「“彼女”のことですか?」
     と、耳打ちした。
     すると、彼は驚いた様子で、
    「君、知ってるの?」
     と訊いた。
     クリスはクスッと笑って、
    「ゴメン。廊下で見ちゃった…」
     とウィンクした。
    「ったく。油断も隙もないんだから…」
     そう言い残して、アルバートは会議室を後にした。
     その後で、クリスは後ろから肩を叩かれた。
    「おい。彼女って何だよ?」
     と、シュペーマンは訊いた。
    「あら…。聞こえてた?」
    「知ってるか?低い音ほどよく聞こえるんだぜ。特にヒソヒソ話はな…」
    「そうやって盗み聞きするんだ…」
    「馬鹿。人聞きの悪い事言うな。それより、誰なんだ?彼女って…」
    「う~ん…。でもぉ、あたしぃ、結構口は堅い方なんだけどなぁ…」
    (始まったよ…)
     シュペーマンは内心苦笑した。
    「分かったよ。今度何かおごってやるよ」
    「本当?」
    「ああ」
    「じゃあ、教えたげる」
    (ゲンキンな奴め…)
    「レベッカっていう女医さんよ」
    「女医のレベッカ?どこかで聞いた事が…」
     シュペーマンは宙に目を泳がせた。
    「ほら…。べムスター戦で、あなたたちが大怪我した時にオペを担当したドクターよ」
    「ああ!」
     そうだった。確かあの時は大手術で、メディカルセンターの医者だけでは足りず、この病院からも外科医を呼んだのだ。
    「どうも、その時の縁で、付き合い始めたみたいよ…」
     と、クリスは言った。
    「ったく。隅に置けねぇな、あんにゃろ」
     シュペーマンは舌打ちした。
    「あんなののどこがいいってんだよ?」
    「キザで口の悪い生物学者よりも、気のいい物理学者を選んだのね」
     納得したように、クリスは言った。
    「あ…。それ、どういう意味だよ?」
     シュペーマンは、心外だという目つきで、クリスを見た。
     すると、クリスはそれを遮るように、
    「ところでさ…」
     といい、
    「ルナ君とクレアちゃんはどうしたのかしら?」
     と、訊いてきた。
    (チッ!)
     いつもの手だとシュペーマンは思った。が、こうなったら二度と元の話題には戻らせてくれない事を経験上知っていたので、あえて逆らう事はしなかった。
    「そうだな…。あれから何日になる?」
    「今日で丸三日…」
    「そうか…。可哀想にな…」
     すると、クリスは驚いた目つきでシュペーマンを見た。
    「まさか、もう死んだと思ってるんじゃないでしょうね?」
     しかし、シュペーマンは冷静に、
    「全ての救護所・病院に問い合わせたが、それらしいけが人は一人も運ばれていない」
    「でも、モルグ(死体安置所)にもそれらしい遺体は無いという報告よ」
     すると、シュペーマンは小さく首を振って、
    「あのな、モルグに運ばれた遺体は、ごく一部なんだ。まだ発見されていない死者は大勢いるんだよ」
     と、言った。
    「ずいぶん簡単に諦めるのね」
    「俺は正論を述べただけだ。お前も大人になれよ…」
     そう言い残して、シュペーマンもその部屋を出て行った。
     最後に残ったクリスは、
    「確かにそうかも知れない…。でも、信じたいじゃない…。それとも、大人になるって『もう奇跡なんか信じちゃいけない』って事なの?だとしたら…」
     と、言いかけたが、小さく首を振ると、そのまま部屋を出た。
     まもなく、蛍光灯の白い明かりも消えた。
    April 21

    ウルトラ作品 この一本

    早いもので、3回目となる今週は、平成シリーズの「ウルトラマンティガ」から第46話「いざ鎌倉!」をご紹介します。

    まずは、ストーリー。
    鎌倉には、ホシノと言うカメラマンが居た。彼は長年に渡って江ノ電を撮り続けており、近所の人や駅員などからは「ホシやん」と呼ばれ、親しまれていた。

    そんなある日、彼は江ノ電を撮影中に、相模湾の海上に巨大なカタツムリのようなものを発見する。ホシノは、慌ててそれをカメラに収めようとするが、ちょうどフィルム交換中だったため、撮り損ねてしまう。

    ホシノは、特捜チーム・ガッツに通報。ガッツは、その前夜に同地域に隕石が落下していた事もあり、最新鋭のセンサーを駆使してすぐに調査を始めるが、ホシノの見たという怪獣を見つける事は出来なかった。

    副隊長のムナカタは、その旨をホシノに報告するが、彼はそれに納得せず、確かに怪獣は居たとあくまで主張する。

    そんな水掛け論に閉口したムナカタは、それならば写真を見せてほしいと言う。しかし、ホシノは写真は撮れなかったと答える。すると、ムナカタは完全に怪獣はホシノの見間違いと断定してしまう。それに憤慨したホシノは「必ず怪獣を写真に撮ってやる!」と言い残して、その場を去ってしまう。

    翌日からホシノは、江ノ電の撮影を取り止めて怪獣の捜索を開始するが、彼に対する周囲の目は冷ややかであった。

    そんな中、ホシノは再び怪獣と遭遇。慌ててカメラを向けるが、通りがかったトラックに邪魔された隙に、不自然な道路標識に擬態されてしまう。ホシノは一応その標識を撮影し、再びガッツに通報する。

    ガッツは再び調査に乗り出すが、やはり結果は同じであった。ホシノは標識の話をするが、それも誰かの悪戯だろうと言われてしまう。

    人間不信に陥ったホシノは、一人怪獣を捜し求めて奔走するのだった…。

    一方、ガッツには宇宙ステーション・デルタがとらえたという宇宙生物の音声が届いていた。すると、レナ隊員は、やはりホシノの証言は正しいのではないかと言いだす。「レーダーやセンサーよりもっと、経験に培われた正確な目を、あのカメラマンが持っている気がするんです」と。

    それでも、シンジョウ隊員や、ホリイ隊員は彼の見間違いだと決めつけるが、ダイゴ隊員は彼女の意見に賛同する。「いくら科学が進歩したとしても、人間の目を越える事は不可能です」と。

    すると、イルマ・メグミ隊長は、二人に納得のいくまで調査をするように言い、ダイゴたちは三度鎌倉に赴く。

    その途中、二人は子供同士の喧嘩に遭遇。慌てて仲裁するが、一人が逃げ出していってしまう。子供たちに聞くと、彼はホシノの息子のマサトだと言う。

    二人は彼と会い、マサトは二人を自宅に案内する。すると、そこにホシノが帰宅。彼は、二人の顔を見るなり激怒。マサトは家を飛び出して行ってしまう。

    ホシノは、最初はガッツから来た二人を毛嫌っていたが、ダイゴとレナの必死の説得で再び調査に協力する。

    その中で、ホシノは妻に先立たれ、それ以来マサトとの仲がうまくいっていない事を語る。

    一方、マサトは神社で、父に対する願い事をしていた。彼を捜しに来たホシノは、そこで息子の本音を知り、感動する。しかし、彼が声を掛けたところ、マサトは逃げ出してしまう。

    その後、マサトは結局家には帰らず、お寺の境内(?)で一夜を明かしたのだった。眠る怪獣の傍らで…

    一方、ホシノはマサトを捜索する中で、怪獣を見たのはいつも江ノ電の警笛が聞こえた後だった事を思い出す。

    そんな中、江ノ電の警笛が鳴り、怪獣が目を覚ます。その直後に目を覚ましたマサトは驚き、逃げ回る。怪獣はそれを追う。

    マサトは、偶然通りがかった父に助けを求め、そこに駆け付けたダイゴは、ガッツハイパーで怪獣を狙撃し、一旦は退ける事に成功する。

    しかしその直後、巨大なカタツムリのような怪獣・タラバンが出現。ホシノの見たものは、この怪獣の頭部だったのだ。タラバンは周囲の風景に溶け込む能力があるため、今まで発見出来なかったのである。ダイゴの攻撃に逆上したタラバンは、溶解液を吐いて暴れる。

    ダイゴはシャーロック(ガッツの専用車両)のスクロール砲で地上からタラバンを砲撃。すると、それに怯んだのか、タラバンは再び姿を消してしまう。

    一方、怪獣の特性を見極めたホシノは、江ノ電に掛け合い、警笛を鳴らしてもらう。レナからの報告を受けたイルマ隊長は出動命令を出す。そんな中、江ノ電の警笛を聞いたホリイは何かを思いつく。

    鳴らし始めてまもなく、タラバンが出現。ダイゴは再びスクロール砲で応戦するが、溶解液で返り討ちにあってしまう。

    ピンチに陥ったダイゴは、間一髪のところでティガに変身。タラバンと格闘する。しかし、見た目とは裏腹に俊敏かつパワフルなタラバンを相手に苦戦を強いられる。

    そこに、応援に駆け付けたガッツウィング2号が飛来。スパル砲で砲撃し、ティガを援護する。それに好機を得たティガは反撃。優勢となる。

    一方、基地ではホリイが、宇宙ステーションデルタのとらえた巨大な宇宙生物は、鎌倉で暴れている怪獣の親ではないかと仮定していた。イルマは、大きさだけで親子と断定するのは早計だと言うが、ホリイは「決定的な証拠」だとして、デルタから送られてきた音声と、江ノ電の警笛を比較した結果を示す。

    それで納得したイルマは、ムナカタらに命じて攻撃を中止させる。ムナカタは、ティガに対し「怪獣は江ノ電の警笛をお母さんの声と間違えていたんだ」と伝え、レナは「宇宙に帰してあげて」と言う。

    すると、江ノ電の助役はティガに対し「これ(車両)を持ってけ」と言う。

    それに頷いたティガは、光線を使って、警笛を鳴らしたまま江ノ電を宇宙に持っていく。すると、タラバンはそれを追って宇宙に飛び立っていった。そして、宇宙空間で無事、母と再会するのだった…。

    後日、鎌倉には親子で江ノ電を撮影するホシノとマサトの姿があった…。

    感想と解説。
    この作品は、親子の愛情をテーマにした、心暖まる一本でした。恐らく、ウルトラマンタロウの第20話「びっくり!怪獣が降ってきた」を現代風にアレンジした作品だと思います。しかしながら、ちゃんと古き良き昭和の匂いをきちんと残しているので、大人から子供まで幅広く楽しめる内容になっています。

    また、父ホシノ役にガッツ石松氏が起用されているのも、この作品のもう一つの魅力です。「OK牧場」こそ出てきませんが、氏の個性が役柄に色濃く反映されており、ドラマとしても十分に楽しめます。

    ちなみに、今作に登場する怪獣タラバンは、一般の視聴者からのアイデアを元に作られたそうです。ちなみに、劇中では単に「怪獣」としか呼称されていませんでした。

    この作品は、平成シリーズは初めてという方も十分に楽しめる内容ですので、一見の価値はありますよ。機会があれば、是非とも御覧になる事をお薦めします。
    April 17

    THE イラスト紹介!

    先週は、当サイトの祭りに参加して頂き、本当にありがとう御座いました。これからもどうぞ宜しくお願いします。
     
    さて、今週に入ってまたいきなり寒くなりましたね。先週の土曜はとても暑かったのに、今日はかなり肌寒いです(私が寒がりなせいもあるかも知れませんが…)。最近、インフルエンザがはやってるみたいですから、健康管理には気をつけたいところです。
     
    さあ、では今週もイラスト紹介に行って見ましょう!
    まず、一枚目は『ガボラ』。この怪獣はやはりこの角度が一番カッコいい!
    二枚目は先週の「ウルトラ作品 この一本」でご紹介した『小さな英雄』のイメージカットです。ジェロニモンが、岩山の間から姿を現す場面を描いてみました。
    ジェロニモンを描く上で、一番苦労したのが、頭の羽根。これを描くのが大変なんです。下手すると、安っぽくなってしまいますからね。体毛は、白で描いたら見えづらかったので、今回は黄色で表現してみました。
    三枚目は『マドカ・ダイゴ』隊員です。ティガの主人公ですね。似てなくてすみません。イケメンは描き辛いのです。
    四枚目は、こちらもティガつながりで『ヤナセ・レナ』隊員。髪型はシリーズ初期のものです。ウルトラシリーズのヒロインには珍しく、ダイゴと結婚するというハッピーエンドを迎えた人でもあります。
    五枚目は『山口百子』姉さん。こちらは「レオ」のヒロインですが、レナさんとは対照的にシルバーブルーメ戦で落命するという悲劇的な運命をたどってしまいました。劇中では、おおとりゲンの精神的な支えにもなっていました。
    六枚目は、小説の方にも登場した『ドロボン』。考えてみれば、ここでドキュメントZATのキャラを描くのはかなり久しぶり(たぶんタイラント以来)なんですよね。ちなみに、小説を読んでいて「カンテラ」って何と思った方は、この絵を参考にしてください。ドロボンの左手に下がっているのがそれです。
    七枚目は『コダラー&シラリー』。「ウルトラマンG」の最終回に出てくるコンビです。ちなみに、この「グレート」は私がリアルタイムで見た記念すべき最初のウルトラ作品なのです(どうでもいいことですが…)。
     
    さあ、今週もあっと言う間でしたね。
    また感想などがあれば、コメント欄の方に残して行って下さると嬉しいです。また、初めてお越しの方も、コメントはお気軽にどうぞ。

    オリジナル小説 第四十六弾!!

                 ウルトラマンA THE ZERO 第四十六章 遠い記憶
     
     これは、まだルナが訓練生だった頃の話である。
     ある日、ルナをはじめとした二十人ほどの訓練生の一団が、宇宙空間での演習を実施した。
     確か、アンドロメダの辺りだった。
     これは、その帰途の出来事であった。
    「あッ!あれは何だ?!」
     訓練生の一人が声を上げた。とは言え、当然この場合の“声”とは、テレパシーの事をさす。
     全員が同じ方を見る。
     すると、そこには巨大な宇宙船と、平均身長50mほどの屈強なエイリアンが数十名立ちはだかっていた。
    「お前たちは何者だ?」
     一人が叫んだ。
    「俺たちはドロボン星の宇宙海賊だ!」
     ボスらしい一人がそう答えた。そいつだけは60m近くはあろうかという、ひときわ巨大で屈強な奴だった。右手に棍棒、左手にはカンテラのようなものを提げている。
    「ドロボン星の宇宙海賊?聞いた事があるぞ。星々を渡り歩き、さんざん乱暴狼藉を働いた挙句に、めぼしい資源を根こそぎ奪っていくという…」
     訓練生のリーダーが言った。実は、彼こそが、後に『帰ってきたウルトラマン』と呼ばれる事になる、ウルトラマンジャックであった。訓練所では、ルナよりも一期先輩である。
    「その通りだ!」
    「だとしたら、襲う相手を間違えたようだな…」
     ジャックは言った。
     すると、ボスは笑って、
    「笑わせるなッ!俺たちの狙いは、貴様ら宇宙警備隊員のエネルギーの源、そのカラータイマーよ!」
     と、ジャックの胸元を指さした。
    「何だと?」
     ジャックに緊張が走った。
     すると、それを見透かしたかのように、ボスはニヤリと笑い、
    「ようやく、事の重大さが分かったようだな?『生徒会長さん』よ…」
     と、不気味に光る目で、彼を見た。
    「訓練生だと思って甘く見ない方がいいぞ…」
     極力、平静を装ってジャックは言い返した。そして、他の訓練生たちもファイティングポーズをとって身構えた。しかし、それはあまり功を奏さなかったらしく、ボスは右手に握った棍棒を振って、
    「野郎どもッ!物分りの悪ぃガキどもに、宇宙の厳しさを教えてやんな!!」
     と叫んだ。すると、
    「おおおッ!」
     雄たけびと共に、数十名の手下どもが一斉にこちらに向かってきた。
     それは、今思い出しても緊張が蘇ってくるほどの迫力であった。
    「みんなッ!恐れるな。数では劣っていても、勝てない相手ではない!油断せずに行け!」
     そのジャックの指示で、幾分勇気を回復したルナたち下級の訓練生は、津波のごとく押し寄せるドロボンの群れに対して、一斉に十字型に腕を組んで構えた。そして、その右手からは、金色に輝く光線が放たれた。
     スペシウム光線である。
     これは、訓練生たちが一番最初に教わるもっとも基本的な、しかし強力な技だった。
     光線は、次々にドロボンの身体を刺し貫いていった。
     しかし、それでも完全にドロボンたちの動きを止めるには至らず、第一次攻撃を突破してきたドロボンたちとの格闘戦になった。
     格闘戦は一進一退だった。
     個々の戦力では劣っても、数の上で勝るドロボンたちとの戦いは、実戦経験の浅い訓練生たちにかなりの苦戦を強いた。
     途中、力尽きて倒れる者もあった。
     その中にあって、ルナは健闘した。
     しかし、もっとも活躍したのは言うまでもなくジャックだった。
     彼は、訓練生たちの最上級生として、リーダーとして、素晴らしい戦いをした。
     スペシウム光線、八つ裂き光輪…。
     一体、また一体とドロボンたちを倒していった。
     正確な数はルナ自身にも分からないが、少なくとも、一人で十体は倒しただろうとは思う。
     そして、程なくして手下のドロボンたちは一体残らず全滅した。
     しかし、味方のダメージも相当だった。
     最初二十名ほどいた訓練生も、ジャックとルナを含んだ5人だけになっていた。
    「だいぶやられたな…。助けを呼ばないと…」
     ジャックがそう呟いた時だった。
    「うわッ…」
    「おおッ…」
    「ギャ…」
     三人の訓練生が次々と悲鳴を上げて倒れた。
     ルナとジャックが慌てて見ると、そこには一際巨大なボスドロボンと、そいつに倒されて気を失った訓練生たちが居た。
    「やっぱし、ザコどもにゃ任しちゃおけねぇな」
     倒された自分の子分たちを一瞥しながら、ボスは言った。
    「貴様…」
     ジャックは歯噛みした。
    「……」
     ルナは、声が出なかった。出せなかった。
     ただただ呆然としているばかりであった。
     そんな彼をよそに、ジャックは彼の前に出て、
    「ルナ。お前は帰って、援軍を呼べ。ここは俺が何とかする」
     と言った。
    「しかし…」
    「いいんだ。ここは任せて早く行け!」
     ジャックは言った。
     ルナは躊躇しながらも、その場を離れる事にした。
    「ようやく一対一というわけだ…」
     ボスは言った。
    「そのようだな…」
    「言っとくが、俺はザコの手下どもとは違うぜ…」
    「それでこそ、相手に不足なしというものだ…」
     そう言うと、二人はある遊星上に降り立って対峙した。
     そして、まず先手を取ったのはジャックだった。
     ジャックはスペシウム光線を発射した。
     しかし、ボスはそれをかわす事も防ぐ事もせずにダイレクトに胸で受け止めると、
    「ははは…。貴様の力はこの程度か?こんなヘナチョコ光線では俺は倒せんぞ!」
     と、高笑いした。
    「畜生!」
     ジャックは歯噛みした。そして、今度は腕をL字型に組んだ。
     シネラマショットである。
     より強力なこの光線が、ボス目掛けて放たれた。
     しかし、ボスは慌てる様子もなく、左手のカンテラを差し出した。
    「そらよッ」
     すると、光線はそのカンテラに完全に吸収されてしまった。
     これには、さすがのジャックもひるんだ。
     すると、今度はボスが、
    「光線ってのはな…」
     と、不敵な笑みを浮かべ、
    「こうやって撃つんだよ!」
     と言うや、棍棒を振りかざし、光線を発射した。
    「うお…」
     それをまともに浴びたジャックは、数百メートルも後方まで弾き飛ばされ、岩だらけの地面に叩きつけられた。
     と、その時、胸のカラータイマーが赤く変色し、点滅を始めた。
     すると、それを見たボスは、狡猾そうにニヤリと笑い、
    「どうやら、余興は終わりのようだな…」
     と、倒れたジャックに歩み寄っていった。
    「……」
    「さて…、ではトドメといくかな…」
     ボスは棍棒を大きく振りかぶった。
     これが振り下ろされれば、一巻の終わりである。
     ジャックは覚悟した。
    (ルナ…。頼んだぞ…)
     その頃、ルナは同じ遊星上の岩陰にいた。
     彼はジャックを見捨てる事が出来ず、戻っていたのだ。
    (どうしよう…)
     ルナは迷った。
    (先輩を助けなければ…)
     しかし、今出て行けば、仲間やジャックの二の舞である。だが、このままでは…。
     ルナは岩陰で一人頭を抱え、悩んだ。
     そんな暇は無い―そんな事は分かっていた。が、彼には助けに飛び出す勇気も、ジャックを見捨てる度胸も無かった。
     最悪の場面だけが、頭をよぎる。
     ルナは、この時初めて本当の恐怖を感じた。
    (僕は、駄目な奴だ…。ウルトラマン失格だ…)
     その時だった。
     彼の頭の中に、声が聞こえた。
    『ルナ』
     ゾフィーだった。
    「副隊長!」
     ルナはテレパシーでそう言った。
    『ルナよ…。何をしているのだ?仲間のピンチだぞ』
     ゾフィーは言った。
    「副隊長…。僕には無理です。あんな奴には勝てない!!」
    『馬鹿を言うな!』
    「?」
    『いいか?今、彼らを救ってやれるのは、お前しか居ないのだぞ』
    「……」
    『それに…』
    「それに?」
    『それに、お前はジャックが帰れと言ったのを聞かずに、そこに戻ってきた。それは、お前自身が戦うと言った事と同じなのだぞ』
    「ですが…」
    『ルナ』
    「……」
    『私はお前を信じている』
    「信じる?」
    『そうだ。いいか?勝敗を決めるのは、何も力量の差だけではない』
    「?」
    『信じる心。そして、何かを守りたいという気持ち。それが勇気に代わり、恐怖や迷いを打ち消すのだ』
    「……」
    『行くのだ、ルナ。ドロボンを倒せ!お前は…、お前はウルトラマンなのだ!』
     そういい残してゾフィーは彼の脳裏から消えた。
    (信じる心…、守りたいという気持ち…、戦う勇気!)
     そして、いよいよ棍棒がジャックに振り下ろされようとした瞬間だった。
     不意に、ボスの動きが止まった。
     見ると、その背中からは白い煙が上がっていた。
     ボスは、ゆっくりと振り返った。
     そこには、腕を十字型に組んだルナが、毅然とした様子で立っていた。
    「ルナッ!」
     ジャックはつい声を上げてしまった。
    「ほう…。まだやられたりない奴が残っていたか…」
     ボスは言った。
    「面白ぇ!相手をしてやるぜ!」
     しかし、一方のルナは冷静だった。
     ルナは、落ち着いた様子で、ゆっくりと身構えた。
    (何かが違う!)
     ジャックはそう感じた。
     それは、今まで彼の見た事のない『ウルトラマンルナ』であった。その姿は心なし神々しく見えた。
     ジャックは、彼に期待する事にした。
    「ルナッ!そいつには並みの光線技は効かんぞ。気をつけろ!」
     ジャックは叫んだ。
     ルナは、それに大きく頷くと、ボスをにらみつけた。
    「ほう…。俺様を睨むとは、いい度胸だ…」
     と、ボスも一層強い目でにらみ返した。
     暫く、そんな睨み合いが続いた。
     そして、
    「食らえ!」
     と、今度はボスが先手を取った。
     棍棒からの光線で、ルナを狙った。
     しかし、ルナは軽い身のこなしでそれを難なくかわすと、ビームランプからパンチレーザーを発射して、相手の顔を撃った。
    「うぎゃあ…」
     ボスは、顔に手を当てて悶絶した。
    「畜生!」
     すると、今度は口から黒いガスを噴射した。
    「破壊ガスだ!気をつけろ!」
     ジャックは慌てて叫んだ。
     しかし、当のルナは相変わらず落ち着いて、両手を合わせて前に突き出すと、そのままガスを全て吸収してしまった。
     これには、ジャックも驚いた。
    (あいつ…、いつの間に…)
     一方のボスは、今のでいよいよ頭に血が上ったらしく、今度は両目からビームを発射した。
     ルナは、サークルバリヤーでそれを防ぐと同時に、跳ね返した光線を相手のヘソに命中させた。
    「うおおぉ…」
     ボスは激しく悶えた。
    「今だ!ルナ、トドメを刺せ!」
     ジャックは叫んだ。
     ルナはそれに黙って頷き、両手を大きく広げると、その手先からビームを発射した。
     ダブルビームである。
     二本の光の刃が、ボスの持つ棍棒とカンテラを根こそぎ切断した。
     もはや、刀折れて矢尽きたボスは、逃げ腰になった。
     しかし、それでもルナは攻撃の手を休める事はしなかった。
     ルナは、両腕を十字型に組んだ。そして、光線を発射した。
     しかし、それはすでにスペシウム光線ではなかった。七色に輝く、美しい光線だった。
    「あ、あれは一体…」
     それは、後に『マリンスペシウム光線』と呼称される光線で、ルナの必殺技『メタリウム光線』はこれの発展形である。
     光線は、真っ直ぐにボスの胸を目掛けて直進し、やがて直撃した。そして、
    「う…うわああ…」
     光線は、その身体を貫通して背中から抜けていき、力尽きたボスドロボンは程なく爆発四散した。
     ルナは、静かに発射ポーズを解いた。
    「ルナ…」
     ようやく立ち上がったジャックが、彼の元にやってきた。
    「大丈夫ですか、先輩?」
     ルナはよろけた彼の身体を支えながら言った。
    「俺は大丈夫だ…。それよりルナ…、お前一体いつの間にあんな技を…?」
     ジャックは訊いた。しかし、ルナは小さく首を振って、
    「僕にも分かりません。ただ…、みんなを守りたい―それだけでした」
     と答えた。
    「後始末が大変だぞ、これは…」
     冗談交じりにジャックは言った。
    「ええ…」
     宇宙空間に散らばった、無数のドロボンたちの亡骸を眺めながら、ルナは言った。

    オリジナル小説 第四十五弾!

                   ウルトラマンA THE ZERO 第四十五章 たたかうこと
     
     ウルトラマンとして戦う事への恐怖と迷い――それらを払拭しなければならない。
     しかし、そのためにどうすればいいか、ルナにもクレアにも見当がつかなかった。
     明確な答えが見つからないまま、時間だけが過ぎていった。
     そして、かれこれ数時間が経った。
     その時、ドアがノックされた。
    「誰だろう?」
     ルナが立ち上がって出ると、カレンが立っていた。
    「お邪魔だった?」
     彼女は悪戯っぽく笑った。
    「別に…」
     と、ルナは目をむいた。するとカレンは、「ふうん…」と大きく頷いて見せてから、
    「そ。じゃ、これ…」
     と、布をかぶせた皿を彼に手渡した。
    「ブランチよ。二人とも、まだ食べてないでしょ?」
     と、彼女はウィンクした。
     そう言えば、とうに昼を過ぎていた。
     今まで気がつかなかったが、急に腹の虫が騒ぎ出した。
    「どうもありがとう」
     と、微笑しながらルナは、小声で
    「君のアドバイスで助かったよ」
     と囁いた。
    「どういたしまして」
     そう言うと、カレンは引き揚げていった。
    「私たちを助けてくれた娘?」
     相変わらず弱い声で、クレアが訊いた。
    「うん。よく気の利くいい娘だよ」
     受け取った皿をベッド脇の木箱の上に置きながら、ルナは言った。
     布を取って見ると、中身はパンとハム、それにちょっとした野菜だった。
     決して豊かではないだろうに、見ず知らずの自分たち二人に温かいもてなしをしてくれるカレンに、ルナは改めて頭の下がる思いがした。
    (彼女の優しさは一体どこから来るのだろうか?もしも、宇宙があんな心の持ち主ばかりならば…)
     ルナは、そんな甘美な想像に浸りつつ、硬いパンをかじった。

     一方、ビリーは仮眠室で横になっていた。
     いつ次の攻撃があるとも分からないのだ。来るべき戦いに備えて今は身体を休めておくべきである。
     しかし、まったく寝付けなかった。
     いろいろな事が、走馬灯のように頭を駆け巡るのだ。
     円盤生物の事、ザンパ星人の事、上層部の事…。もちろんその中にはルナとクレアの事も含まれていた。
     しかし、何よりも彼を苦しめているのは、自らの資質であった。
    (俺には、フォース長官のような人徳や、リュー隊長のような機転も、イナリーのような処世術も無いんだ…。ただ、猪突猛進するだけ…。勢いと威勢のよさだけが取り柄だ…。そんな俺に、この星の運命なんて、荷が重過ぎらァ…)
     今でも、シルバーブルーメとノーバに襲われて、基地と運命を共にする覚悟を決めたリューの言葉が鮮明に脳裏に焼きついている。
    『…生きろ。そして戦い、きっと勝て。これが、私の最後の命令だ!』
     その言葉を信じて、彼は生きた。
     しかし、実際はどうだろう?
    (隊長の遺志を継いで、何かが出来たか?一匹でも、自力で円盤生物を倒したか?)
     ビリーは首を振った。
    (今回なんて、ウルトラマンを助けてやることすら出来なかったんだ…。それどころか、俺が助けられちまったじゃないか!そんな俺に、指揮官たる資格なんてあるのか…?)
     ビリーは唇を噛んだ。
    (ルナとクレアも未だに行方不明だ。俺がもう少し、部下に気を配って入れば、こんな事には…。もしもの事があれば…、それは俺の責任だ…)

     同じ頃、レナードはソレイユシティーを一望できる丘の上にいた。
     そこから、夕闇に包まれ始めた大都会を見下ろしながら、思案にふけっていた。
    (もう、俺しかいないのだ…)
     レナードは、今まで、自分のため、復讐のためだけに戦ってきた。
     しかし、ここに来て、ルナと再会し、カレンに出逢って何かが変わり始めていた。
    ―俺は何のために戦っているのか?
     亡き父の復讐のため――ずっとそう思ってきた。
     しかし、最近それが分からなくなっていた。
    ―これが本当に、父の仇を討っている事になるのか?
     正義のためだとか、宇宙の平和だとか、そんな高尚な目的のためではない。
     遠い過去の怨念を晴らすために、自分の全てを、時に罪無き者の命を犠牲にしてきたのだ。
     現に、この星でもすでに、少なからぬ犠牲を出してしまった…。
     スペーグスと戦ったとき、ルナは言っていた。
    『君はそれで満足なのか?…それが君なりの復讐なのか?弔い合戦なのか?それで君の父さんは喜ぶのか?』
     と。正直なところ、レナードはこの言葉で少なからず心が揺らいだ。
    ―確かにそうかも知れない。
     宇宙警備隊の一員として、宇宙の平和を預かる一人として、最期まで誇りを持ち続けた父ヘラクが、今の俺の姿をどう見るだろうか?
    『…それは自分の命よりも大切な事?』
     いつかカレンはそう問うた。
     もちろん、彼女は俺の過去など知るはずもない。たぶん、思ったままを口に出しただけだろう。
    ―しかし…。
     彼女の言う通りなのかも知れん…。自分の命を犠牲にしてまで果たすべき復讐がこの宇宙にあるのか?
    ―だとすれば…。
     俺の今までは何だったと言うのだ?俺は、この先、何のために戦っていけば良いと言うのだ?
     今更、宇宙警備隊に戻る気などない。
     散々多くの犠牲を出しておきながら、いまさら“正義”などと言う資格もない…。
     とその時、不意に背後に気配を感じて、レナードはサッと振り返った。
     すると、そこに居たのはカレンだった。
    「どうした?」
     レナードは訊く。
    「お腹…、空いてないかなと思って…」
     と、カレンは持って来た小さなバスケットを差し出して笑った。
    「……」
    「余計なお世話だった?」
     レナードが目を伏せたまま黙っていると、カレンは不安そうに言った。
    「いや…」
     レナードはゆっくりと顔を上げた。
    「ちょうど良かったよ…」
     その顔は、珍しく微笑んでいた。
    「じゃ、食べよっか…」
     カレンは、地面に色あせたハンカチーフを広げながら言った。

     もう既に夕暮れである。
     しかし、一向にクレアの恐怖を克服する方法は見つからなかった。
    「私のせいよね…」
     クレアは言った。
    「私があの時、あんな事にならなければ、あなたは…」
    「やめるんだ…」
    「私と命を分かつ事はなかった…」
    「やめてくれよ…」
    「ウルトラマンになれなくなってしまう事も…」
    「やめてくれっ!」
     ルナは、つい大声を出してしまい、すぐに反省した。
    「良いんだ…。君のせいじゃない。君と命を分かとうと決めたのも、君を助けようと決めたのも、この僕だ。それに、死にかけた事だって、君の責任じゃない…」
     ルナは言い聞かせるように言った。
    「でも…、このままじゃ、次にブラックガロンが現れたら…」
    「…それまでに、何とかなるさ。して見せようじゃないか」
    「でも…私、自信ない…」
    「大丈夫だよ…」
     ルナは、彼女の手を握って言った。
     しかし、それには何の裏づけも無いのだ。
     これでは、励ましどころか、気休めにもならないだろう。
    「ところで…」
     クレアは、ボソッと言った。
    「ウルトラマンは、怖くないの?」
    「……」
    「戦う時、怖いって感じる事はないの?」
    「……」
     ルナは答えに窮した。
     恐怖心―それは宇宙警備隊員が真っ先に克服しなければならないものである。
    「それは…」
     ルナは、目を宙に泳がせ、遠い過去の事を思い出す顔になった。
    (そう言えば…)
    April 14

    ウルトラ作品 この一本

    さあ、このコーナーも今回で2回目になりました。今週は先週に引き続き、初代ウルトラマンから第37話「小さな英雄」をご紹介したいと思います。

    まずはストーリー。
    白昼、銀座のデパートの玩具売場に突然小怪獣が出現。客たちがパニックに陥る中、警察が出動するが手に負えず、科学特捜隊が出動する。

    現場に到着した科学特捜隊は、怪獣がかつて多々良島でレッドキングによって落命した筈のピグモンだと確認する。隊員らは再会を喜ぶが、何故かピグモンの様子に落ち着きがない。

    そのピグモンの様子にただならぬものを感じた科学特捜隊だったが、なにぶんにも相手は怪獣。言葉が分からずに困惑する。

    デパートの要請でピグモンを保護した科学特捜隊は、イルカ博士こと権田博士にピグモンの「怪獣語」の翻訳を依頼する。

    一方、科学特捜隊では、近ごろ仕事に全く身が入らない様子のイデを、アラシが叱責していた。ムラマツキャップは「呑気者のイデだって人の子だ。悩む事だってあるさ」と笑うが、心配したハヤタは、溜まった仕事に徹夜で打ち込むイデにコーヒーを差し入れる。

    すると、イデはハヤタに、自分の発明した新兵器も、科学特捜隊という組織自体も、まるで役に立っていない。ウルトラマンさえいれば、科学特捜隊は不要なのではないか、と洩らす。ハヤタは「科学特捜隊がウルトラマンを助けた事だってある。持ちつ持たれつなんだよ」と言って慰めるが、イデはすっかり自信を喪失してしまう。

    そんな中、権田博士に預けられたピグモンが突然騒ぎだす。すると、その直後、大岩山に2体の怪獣が出現。2体は激しく争っていた…。

    翌朝、遂に翻訳を終えた権田博士はピグモンと共に科学特捜隊本部を訪れる。そして、博士の解明した怪獣語のアルファベットをイデが発明した怪獣語翻訳機にインプットし、翻訳作業が始まる。

    その結果、怪獣酋長ジェロニモンが、かつて倒された60体以上の怪獣を復活させ、それを日本に集結させて科学特捜隊とウルトラマンに復讐を企てている事が判明。しかも、猶予はあと5時間しか無いと言う。事態を重く見た科学特捜隊は、ジェロニモンを叩くべくジェットビートルで出動する。ピグモンの案内で、一行は大岩山に到着。

    すると、そこにはすでに2体の怪獣の姿が。それは、かつて倒された筈のドラコとテレスドンだった。幸い、復活したのはまだこの2体だけだった。

    ムラマツは着陸して2班に分かれ、ドラコとテレスドンを倒すと同時にジェロニモンを捜索する事にする。

    まず、ハヤタとイデの班はドラコと対峙する。しかし、イデはウルトラマンをあてにして、自分で戦おうとしない。ハヤタはそんな彼を叱責。「ウルトラマンは、我々が力一杯戦った時だけ力を貸してくれるんだ」と言ってたしなめる。

    一方、ムラマツたちの班はテレスドンと対峙。スーパーガンで応戦する。そして、やや苦戦したものの、最終的にはスーパーガンのトリプルショットで倒す事に成功する。

    また、一方のハヤタたちはスーパーガンとマルス133でドラコを狙撃。右肩をハヤタに射ちぬかれて逆上したドラコは、投石などで応戦する。苦況に追い込まれたイデはウルトラマンを連呼。それを聞いたハヤタはベータカプセルを一旦は取り出したものの、イデのためにならないと思ったのか、変身を思い止まる。

    そんな中、ドラコがイデに迫る。と、その時、ビートルに残してきた筈のピグモンが出現。陽動作戦の積もりらしく、ドラコの目の前でしきりに飛び跳ねる。

    すると、ドラコは激怒。平手でピグモンを叩きつぶしてしまう。

    ハヤタとイデは慌ててピグモンに駆け寄るが、すぐに事切れてしまう。ハヤタは、イデに対して激怒。「ピグモンだって我々人類の平和のために命を投げ出して戦ってくれたんだぞ。科特隊の一員として、お前は恥ずかしいとは思わんのか!」と言ってイデを殴る。

    すると、その一撃で目が覚めたのか、イデは奮起。新兵器「スパークエイト」を取出し、スーパーガンに装着。ドラコを狙撃する。すると、ドラコはその圧倒的破壊力により、たった数発で完全に消滅。イデは見事にリベンジを果たす。

    一方、ムラマツキャップの班は岩影から出現したジェロニモンと対峙。スーパーガンで応戦するがかなわず、無重力の霧で上空に舞い上げられてしまう。

    それを見たハヤタは、今度こそマンに変身。ムラマツらを救うと、ジェロニモンと対峙する。

    ジェロニモンは、尻尾の羽根を飛ばして先制する。羽根はマンの身体に容赦なく突き刺さる。マンは、岩陰に身を隠してそれをかわそうとするが、ジェロニモンの超能力によって操られている羽根は、後ろから回り込んで尚もマンを苦しめる。

    マンは状況を打開すべく、飛び立つ。羽根もそれを追う。マンは、ジェロニモンの目が届かない遥か上空まで羽根をひきつけると、念力で羽根を空中に制止。スペシウム光線で一本残らず撃墜する。

    そして、その後急降下してジェロニモンに馬乗りになると、その羽根を残らずむしってしまう。

    最大の武器を失ったジェロニモンは少し狼狽えるが、すぐに気を取り直して無重力の霧を噴射する。しかし、マンはそれをウルトラバリヤーで遮断。霧を押し返して、逆にジェロニモンを空中に浮かばせてしまう。

    ウルトラマンは、地上から重力を失ったジェロニモンの身体を確保。イデにトドメを刺すように促す。イデはスパークエイトを構えるが、下手をすればウルトラマンに当たってしまいかねない。だが、ウルトラマンのエネルギーも残り少ないのだ。もたもたしてはいられない。このジレンマにイデは緊張する。そして、とうとうイデは意を決してトリガーを引いた。

    弾着の煙が辺りを完全に覆う。そして、それが晴れた時、そこにはウルトラマンがいた…

    「ジェロニモンは俺がやったぞ!」と、イデは歓喜。ムラマツキャップたちも「英雄だ」と言って彼を讃える。

    だが、そんな中、ハヤタは「英雄はここにも居るぜ」と、ピグモンの亡骸を抱えて現れる。そして、言う。「ピグモンも立派に戦ったんだ」と。

    それに頷いたムラマツキャップは、その功績を讃えてピグモンに科学特捜隊特別隊員の称号を与え、一同はこの「小さな英雄」に黙祷を捧げるのだった…。

    感想と解説。
    今作は、私が比較的初期に見た作品です。子供心にも、よく出来た作品だな、と感じたのをよく覚えています。それだけに、年を経た今、こうして見直してみても、やっぱり良い作品だなぁと改めて感心してしまいます。

    この作品のテーマはずばり『他人の力を頼りにしないこと』でしょうね。
    たぶんこの作品は、それまでウルトラマンを36話やってきた中で、視聴者の中にいつしか生まれてしまっていた「最後はウルトラマンが助けてくれる」という誤解を払拭する狙いがあったのではないかと思います。
    もちろん、それまでの話でも、人間が人知の限りを尽くして努力する事の大切さは描かれてきましたが、それを台詞という形でここまで明確に打ち出したのは、恐らくこれが初めてでしょう。
    それだけに、ハヤタがイデをたしなめるシーンには、かなり力が入っており、子供心に強く印象に残りました。

    そして、もう一つの見所はピグモンの活躍でしょう。
    彼の功績は、単に人類の平和のために戦ったというだけではないと思います。
    彼は人類に、未知の存在と分かり合う事の難しさと同時に、それが決して不可能ではない事、そしてその大切さを身をもって教えてくれたのではないか、と私は思います。
    いずれにせよ、ピグモンの衝撃的な最期は、視聴者にいかなる言葉でも表しきれない「何か」を心に刻み付けてくれた事は確かでしょう。

    今までお話してきたように、この作品はかなり深い内容です。30分という限られた時間内によくぞこれだけのものを作ってくれた、とつくづく感心します。

    今の時代だからこそ、是非とも見ておきたい一本です。
    April 10

    突然ですが!

    先日、当サイトは、遂にアクセス数が10,000ヒットの大台を突破いたしました!
    こんなにも早く、この記念すべき日が迎えられるとは想像もしておりませんでしたので、感無量です。
    これもひとえに、いつも当サイトに遊びにいらして下さる皆様、暖かいコメントを下さる皆様、そして当サイトとリンクを結んで下さっているサイト管理人の皆様のお陰です(感涙)。本当に感謝しております。
    これからも、当サイトをなにとぞ宜しくお願い申し上げます。
     
    さて、今回はそんな皆様に感謝を込めて、特別イラストを製作いたしました。
    では、拙いできばえですが、ごゆっくりとご覧になって行って下さい。
                        
    1枚目から4枚目は、連作です。
    使用キャラクターは『祝』マリナさん『1』ウルトラセブン『万』クトゥーラ『ア』べムスター『ク』マゼラン星人マヤ『セ』ブラックエンド『ス』アリブンタ『突』キングジョー『破』カイザードビシとなっております。
    ちなみに、キャラの選考基準は、属性別で、それぞれの代表を選ばせていただきました。
    マリナさんは人類代表、セブンはウルトラマン代表、クトゥーラはスペースビースト代表、べムスターは怪獣代表、ブラックエンドは円盤生物代表、アリブンタは超獣代表、キングジョーはロボット代表、カイザードビシは根源的破滅招来体(こんげんてきはめつしょうらいたい)代表です。
    祝いの席で、スペースビーストと根源的破滅招来体はどうかなとも思いましたが、彼らだけのけ者にするのも難なので、参加させました。
    しかし、クトゥーラは不気味ですね(苦笑)。ネクサスを知っている方は『何でよりによってコイツを選んだんだ?』と思われるかもしれません。しかし、ビーストの中で私が一番印象に残ってるのはコイツなんですよね。
    描いてから気づいたのですが、この絵ってぱっと見、待遇改善要求のストみたいに見えますよね(笑)。
    五枚目は『2020年の挑戦のイメージカットです。全力疾走で逃走するケムール人を描いてみました。ケムール人の登場したウルトラQは、モノクロ作品だったので、余計な着色はせず、白黒のままイラスト化しました。
    六枚目は先日ご紹介した『侵略者を撃て』のイメージカットです。アラシ隊員が、バルタン星人に操られて喋らされているシーンをイメージしました(注;実際の映像作品では、アラシ隊員の後ろにバルタン星人は立っていません。あくまで、イラストとして分かりやすくするための演出です。あしからず)。
    七枚目は『狙われた街』のイメージカットです。有名なダン(似てなくてすみません)とメトロン星人がちゃぶ台を挟んで対話するシーンのイメージです。背景は映像作品よりも簡略化してあります。この作品はフィルム感を出すために、あえて部分的にディティールをぼかす処理を加えてみました。
     
    さて、今回もあっと言う間でしたね。
    1万5,000アクセスを突破したら、またこんな形の特別企画をやりたいと思っています。尚、8月には夏祭り的な企画も予定していますので、そちらもお楽しみに。
    また感想などがあれば、コメント欄に残していって下さると嬉しいです。
    これからも、当サイトを宜しくお願い申し上げます。

    オリジナル小説 第四十四弾!!

                      ウルトラマンA THE ZERO 第四十四章 ひかりさす
     
     翌朝になると、身体の痛みはだいぶ引いたので、ルナは置き出してみた。
     多少は痛むが、昨日ほどではない。杖を突けば、何とか歩く事もできそうだ。
     ルナは手ごろな棒を探してみた。
     すると、刃が取れて柄だけが残った鍬(くわ)が見つかった。かなり使い込まれていたが、何とか体重を支えてくれるだろう。
     ルナは、それを杖代わりに、立ち上がってみた。
     最初はさすがに心もとなかったが、慣れてくるとゆっくりとではあったが、歩き出せるようになった。
     ドアを出て、辺りを見回してみた。
     空は雲ひとつ無い、抜けるような青空だった。
     しかし、その下に広がっていたのは、なんとも寂しい光景だった。
     畑と牧場、あとは人家がまばらにある程度だった。
     畑や牧場とは言っても、足で軽く払っただけで土ぼこりが立つような土壌で、とても肥沃とは思えなかったし、人家もとうにうち捨てられたという感じだった。
    『ソーレへようこそ』
     消えかけた文字でそう書かれた古い立て札が、陽だまりの中に虚しくたたずんでいた。
    (『兵どもが夢の跡』か…)
     そんな廃村の光景を尻目に、ルナはクレアが居る方の小屋に向かった。
     小屋はすぐそこにあった。
     どうやら、ここもかつては納屋か何かだったらしい。
     薄い板張りの壁は、ところどころに小さな穴が開いていた。
     ルナは、小屋のドアを見つけると、その前に立って軽くノックした。
    「クレア、僕だよ。開けてくれないか?」
     しかし、何故か返事が無かった。
    「クレア?」
     ルナはもう一度同じ事を繰り返した。
     すると、何の返事もないまま、その古びたドアが開けられた。
     その向こうから現れた彼女の顔を見て、ルナは驚いた。
     彼女はまるで幽霊のように青い顔をして、力なく立っていた。目は赤く腫れていた。
    「大丈夫?」
     馬鹿な事を訊くもんだと自覚しつつ、ルナは言った。
     彼女は黙って、力なく頷いた。
    「入っていいかい?」
     クレアは黙って、彼を招じ入れた。
     中は、昼間なのに薄暗かった。
     電灯の一つもないその室内は、壁や天井の穴から差し込む光によってのみ照らされていた。
     クレアは、例の藁を積んだベッドに腰掛けた。
     ルナも、静かにその右隣にかけた。
    「怪我は?」
     そう訊くと、彼女は小さく首を横に振った。
     大丈夫だと言いたいらしい。
    「どうして、さっきから返事してくれないの?」
     ルナは訊いた。
     すると、クレアは目を伏せた。
    「どうしたの?」
     ルナは彼女を抱き寄せた。すると、その身体は小刻みに震えていた。
              『恐怖』
     昨日のレナードの言葉が頭をよぎった。
    (この事か…)
     ルナは唇を噛んだ。
    ――僕は、思い上がっていた…。彼女と心が通じた瞬間、全てを理解したと思い込んでいた。しかし、本当は何も分かっていなかった。彼女の迷いや恐れに気づく事が出来なかった。僕のせいだ…。
    「クレア…」
     うつむいていた彼女が、ほんの少し顔を上げた。
    「僕が悪かった…。あの時、もう少し気を付けていれば…、君をこんな目に合わせる事は無かったのに…」
    「……」
    「全て、僕のせいなんだ。人間の心を理解したと思い込んでいた。しかし、違った。僕が見ていたのは、人間の心の一部に過ぎなかったんだ…。人間には、恐怖や迷いがあるという事には、目を背けていた。僕は…」
     ルナは、そこで言葉を詰まらせた。そして、大きく肩を震わせて、涙を流した。
     すると、彼の左頬に、何かが触れた。
     クレアの左手だった。
    「…ないよ」
     かすれた声で、彼女は何か言った。
    「え…?」
    「ルナは悪くないよ…。だって、こうして気づいたじゃない…」
     その表情は、相変わらず硬かったが、少しだけ生気が戻ったように見えた。
    「クレア…」
     そう言うと、ルナは彼女を思いっきり抱きしめた。
    「もう、二度と…君をこんな目には遭わせない…」
    「ええ…」
     その様子をドアの隙間から見たカレンは、小さく微笑んで立ち去った。

     一方、CPKでは新たな局面を迎えていた。
     病院の会議室を借りて、そこに隊員を集めたビリーは壇上に立って言った。
    「聞いてくれ。重大なニュースだ」
    「いいニュースでなかったら、すぐに帰りますよ」
     冗談めかして、シュペーマンが言った。
     すると、珍しくビリーがそれに微笑んで、
    「ああ。それなら心配ない。久しぶりの朗報だ」
     と言うと、壇上を下りた。代わって、別の男がそこに上った。
    「初めまして。科技研のルッツ主任技師です」
     と、彼は言う。
     すると、アルバートがそれに反応して、
    「科技研といえば、MDFのシンクタンクですよね?エリート中のエリートが集まっているという…」
     と言うと、ルッツは頭をかいて
    「いやあ、皆さんにそう言われると、照れますよ」
     と笑った。
    「それで、ニュースとは?」
     とシュペーマン。
     すると、ルッツは急に真面目な表情になった。
    「はい。まずはこれをご覧下さい」
     そう言うと、天井から下ろしたスクリーンに、プロジェクターで何かを映し出した。
    「こ、これは…」
     それを見た隊員たちは絶句した。
    「素晴らしいでしょう?これが、あなたがたの新戦力―『CPKカーゴ』です」
     ルッツは言った。
    「CPKカーゴ?」
    「ええ。実は、MDF長官からの命令で、新戦力の開発を進めていたのです。もちろん、あんな事になる前の話ですが…」
    「と、いう事は、MDFが壊滅した後も、あなたがたは研究を進められていたのですか?」
     と、アルバート。
     ルッツは頷く。
    「ええ、もちろんです。我々に出来る事と言ったら、それくらいですからね…」
    「それで、これは一体どういう機体なんですか?」
     とクリス。
     すると、ルッツは微笑んで、
    「いい質問です。では、解説しましょう―」
     と説明を始めた。
    「まず、この機体は従来の航空機とは全く違った飛行システムを採用しております。我々は『ジオマグネチック・エンジン』と呼んでいますがね」
    「ジオマグネチック?」
    「ええ。つまり、地磁気を利用しているんです。内部に特殊なコイルを内蔵していて、それが推進力と浮力を兼ねます」
    「なるほど…」
     と、アルバートは頷く。
    「そして、この機体の最大の特徴は、地磁気という大きなエネルギーを味方につけた事によって、従来よりもはるかに大きな重量に耐えられるようになったことです」
    「つまり、たくさん物が積めるって事?」
     と、クリス。
    「そうです」
    「へえ、キャンプの時に便利だな…」
     と、シュペーマン。
     しかし、それを無視して、ルッツは続けた。
    「こうして輸送力が増した事により、この機体は『動く要塞』という機能を手にしました」
    「動く要塞?」
    「はい。この機体には、格納庫が内蔵されていて、コスモバード二機を搭載する事が出来ます。カタパルトを展開すれば、直接発進する事も可能です」
    「それは、すごい!」
    「さらに、輸送力だけではありません。ジェットではなく地磁気を動力にした事により、この機体は地上や水中、計算上は宇宙空間での運用も可能です」
    「本当ですか?」
     驚いたようにアルバートは言った。
    「ええ。ただ、あくまで理論上・設計上の話ですよ」
    「と、仰いますと?」
    「まだ、テストを行っていないのです。急ごしらえでしたからね…」
    「それで、機体は今、どこに…?」
    「第三空軍基地の格納庫です。コスモバードも、何とか二機は確保してあります。現在、どちらも最終調整中ですが、二時間後にはいつでも飛べるようになりますよ」
    「それまで、円盤生物が現れない事を願いたいですね…」
     と、シュペーマンが言い、ビリーも
    「ああ。二時間と言わず永久に現れて欲しくないがな…」
     と、それに同調した。
     そして、ビリーは再び壇上に上がると、全員に向かって、
    「よし。では、レクチャーはこれで終わりにしよう。各自、部屋に戻ってゆっくり休んでくれ。解散」
     と言い、会議室を後にした。

     

    オリジナル小説 第四十三弾!

                  ウルトラマンA THE ZERO 第四十三章 見えない壁
     
     気がつくと、ルナはどこか見慣れない小屋の中に居た。古い農作業小屋らしい。
     よく見ると、藁を積んで作った即席のベッドの上に寝かされていた。身体のあちらこちらに包帯も巻かれている。
    (ここは、どこだ…?)
     ルナは起き上がろうとした。しかし、
    「うっ…」
     ルナはすぐにベッドに引き戻された。
     傷が痛んだのだ。
     すると、ちょうどその時、その小屋に誰かが入ってきた。
    「駄目よ。無理しちゃ…」
     少女の声だった。
     少女は彼の元に寄ってきた。
    「あなたはひどい怪我をしてるのよ」
     と、彼女は言う。
    「君は…?」
     激痛に顔を歪めながら、ルナは訊いた。
    「あたしはカレンよ」
    「カレン?」
     ルナには、その名に聞き覚えがあった。
    「君は確か…、レナードの…」
    「喋ったら駄目よ…」
     そう言って、カレンは彼の背中を優しくさすった。
     そうしているうちに少し痛みが落ち着いてきた。
     ルナは、カレンに「もういい」と言って、横になったままゆっくりと彼女の方を向いた。そこで初めて彼は相手の顔を見た。
    「やはり、君だったか…」
     ルナは呟いた。
     だが、カレンは怪訝そうな顔をしてこちらを見つめている。
     ルナはハッとした。
    (そうだ。ノーバ戦で見た時は、この娘は気を失っていたんだっけ…)
    「ところで、ここは?」
     ルナは話を変えた。
    「あたしの小屋よ。オンボロで悪いけど…」
    「どうして、僕はここに?」
    「彼が運んできたのよ。あなたたちをね…」
     と、カレンは出入り口のドアに視線を投げかけた。
     その先には、いつの間にかやって来たレナードが立っていた。
    「傷はどうだ?」
     ルナの顔を見るなり、彼は訊いた。
    「だいぶ痛むけど、何とか大丈夫だよ…」
     ルナは答えた。
     すると、傍らのカレンが、
    「いいえ、相当ひどい怪我よ。当分は動かない方がいいわ」
     と釘を刺した。
     それに苦笑してから、
    「ところで、クレアは?」
     と、ルナは訊いた。
    「クレア?」
     カレンがオウム返しに訊きかえす。
    「僕と一緒にいたはずなんだけど…」
    「ああ。あの娘ね…」
    「無事なの?」
    「ええ。命に別状はないわ。ただ…」
    「ただ…?」
    「あの娘…、さっき目を覚ましたんだけど、それまでうわ言のようにあなたの名前を呼んでたのよ」
    「僕の事を?」
    「うん。彼女、何かとても怖い思いをしたみたいね…」
    「怖い?」
    「うん」
    「クレアがそう言ったのかい?」
    「いいえ。彼女は、起きてからまだ一言も喋ってないのよ。喋れないって言った方が正確かな?」
    「なのに、どうして君には…?」
    「分かるのよ。だって、あたし…」
     と、そこでカレンはハッとなって言葉を詰まらせた。
    「どうしたの?」
     心配して、ルナが訊く。レナードも、黙ったままではあったが、彼女の事を見た。
     すると、カレンは首を振って、
    「ううん。何でもないの…。ゴメンね。変なこと言っちゃって…」
     と言ったが、続けて、
    「でも、彼女が怖い思いをしたっていうのは間違いないわ。とにかく、それは確かよ」
     と言うと、逃げるようにその場を去っていった。
     後には、ルナとレナードの二人だけが残された。
    「どうしたんだろう?」
     ルナは言った。
     レナードは首を振って、
    「俺にも分からん。だが、彼女も何かを抱えている。とても暗いものをな…」
     と言った。
    「ああ…」
     と、ルナもそれに同調した。
    「ところで…」
     レナードは暫く間をおいてから切り出した。
    「なぜ、お前が…いや、お前たちが負けたか分かるか?」
     ルナは目を伏せた。
    「ゾフィー副隊長にも言われたよ…」
    「何と言ってた?」
    「心を一つに出来なかったからだ、って…」
    「お前はどう思ってる?」
    「僕も、本来の力が出し切れなかったのは自覚してるよ。だが、納得できないんだ…。どうして、僕と彼女が、心を一つに出来なかったのか…」
    「その理由が分からないか?」
     ルナは黙って頷いた。
    「教えてやろうか…?」
     ルナはレナードを見上げた。
    「壁だ」
    「壁?」
    「そうだ。言い換えれば、お前たちの心が一つになることを阻害する要素と言うべきか…」
    「それは一体何なんだ?」
    「恐怖。そして、それに伴う迷い…」
    「恐怖と迷い…?」
    「そうだ。それが、彼女の心の中にある限り、決してウルトラマンルナは本来の力を発揮できない」
    「クレアが恐怖を抱いているというのか?」
    「さっきのカレンの話を聞いていなかったのか?」
    「……」
    「確かに、彼女の言葉には裏づけは無い。だが、少なくとも今回に限っては、信じていいと思ってる」
    「なぜ…?」
    「俺もそう思うからだ」
    「?」
    「だったら、後で彼女に直接会って見るといい。そうすれば、お前にも分かるだろう…」
     そう言うと、レナードは出口に向かった。
     すると、ルナはそれを呼び止めて、
    「レナード。なぜ君は、ブラックガロンと戦わなかったんだ?」
    「……」
    「ザンパ星人は君の宿敵だろう?ブラックガロンは明らかにその尖兵だった。それなのに…」
    「俺は…」
    「?」
    「俺は、負けると分かっている戦いに臨むほど愚かではない」
    「どういう意味だ?」
     すると、そこでレナードはこちらを振り返って、
    「白状しよう。俺は、あの戦いを見ていた」
    「?!」
    「そして、俺は確信したんだ。お前が負けると…」
     と、ルナを強い目で見据えた。
     ルナの表情は一瞬にして凍りついた。
    「俺は、多くの星を渡り歩いてきた。いろんな星人にであったし、いろんな戦いを見てきた。だから気づいた。今のお前たちでは勝てない、と」
    「最初から、ウルトラマンルナが不完全だと見抜いていたというのか?」
    「そうだ」
    「なら、なぜ…」
    「なぜ、お前を援護しなかったのか?」
    「……」
    「簡単な話だ。もし、あの状況で助け舟を出していれば、或いはブラックガロンは倒せたかもしれん。しかし、その次はどうなる?」
    「次?」
    「そうだ。ウルトラマンルナは不完全で戦えない。そして、俺だってお前をフォローしながら戦えば、必要以上にエネルギーを消耗する。或いは深手を負う事だってあるだろう。そうなったら、次の敵とは誰が戦うんだ?」
    「次の…敵?」
    「そうさ。二人の巨人が二人とも万全でないとなれば、敵は当然そこに付け込んでくる。そうなったら、例えブラックガロンを倒せても、何の意味もなくなってしまう」
    「だから、戦わなかったのか?」
    「ああ、今回はな…」
    「……」
    「だが、次は必ず戦う。そして、勝つ」
    「しかし、もし、君のいう次の敵が現れたら?」
    「……」
    「レナード?」
    「とにかく俺は行く。お前がどうであれ、奴らが俺の宿敵であることに変わりはない。一人でもいくさ…」
    「刺しちがえる積りか?」
    「……」
    「馬鹿な真似はよすんだ!もっと冷静に…」
     ルナは必死でそう言った。しかし、レナードは再びドアの方を向くと、そのまま出て行ってしまった。
     バタンと閉じられたドアが、二人を完全に隔てた。
    (レナード…)
     ルナは拳を膝に振り下ろした。
    (畜生…。どうすれば、いいんだ?僕はもう二度とウルトラマンにはなれないというのか?親友を助けてやる事も出来ないというのか?!)
     ルナの目からは、大粒の涙が零れ落ちた。
    (副隊長…。僕はどうすればいいんですか…?)
    April 07

    ウルトラ作品 この一本

    メビウスが終わってしまったので、今週から新コーナーをはじめる事にしました。名付けて「ウルトラ作品 この一本」。ここでは、私が見た過去のウルトラ作品を毎週一本ずつ紹介していきたいと思います。

    今回は、初代ウルトラマンから第2話「侵略者を撃て」をご紹介します。

    まずはストーリー。
    ある日の深夜。寝静まった東京に、強力な電波を発する物体が飛来。科学特捜隊のアラシと諸事情から同行することになったホシノ・イサム少年は、現場である科学センターに向かう。アラシはホシノを残して単独でセンターに突入。そして、彼はそこで未知の宇宙人バルタン星人に遭遇するが、光線を浴びて硬直してしまう。

    一方、外で彼を待っていたホシノはいつまで経っても戻らない彼を按じて科学特捜隊本部に通報。防衛隊兵士と共にハヤタ・シンが駆け付ける。

    話を聞いたハヤタは、兵士と共にセンターに突入。しかし、バルタンの分身術を駆使した忍者のような奇襲にあい、兵士は全滅。ハヤタも一旦退却する。

    その後、科学特捜隊のムラマツキャップは、防衛隊と合同で防衛会議を開催。その席で彼は、武力によって星人を叩こうとする防衛隊幹部に対し、超兵器が通用するとは限らない。それよりも話し合って、相手の欲しがっている物を知り、可能であればそれを与えて、星に帰ってもらったほうが得策だと進言する。防衛隊は「敵に降伏しろと言うのか」と猛反発。しかし、ムラマツの案以外には具体的なアイデアは無く、最終的には彼の意見が可決される。

    それに従い、バルタンとの交渉役には宇宙言語に詳しいイデ隊員が起用される。その一方で、防衛隊は万一の事態に備えて核ミサイル「はげ鷹」をスタンバイ。イデは、援護役のハヤタと共にセンターに突入する。

    イデは「キエテ・コシ・キレキレテ(宇宙言語でボク、キミ、トモダチという意味)」と言い、星人と接触する。しかし、実際に星人を前にすると、緊張と恐怖から巧く話すことが出来ない。イデは星人に誘導され、屋上に立たされる。すると、そこにバルタンにやられた筈のアラシが登場。
    星人曰く「キミの宇宙語は分かりづらい。だから、この男の脳髄をつかって話している」との事。

    すると、そこに後からやってきたハヤタが登場。ハヤタは、星人に地球にやってきた目的を問う。すると、バルタンは自分たちは宇宙の旅行者だったが、旅をしている間に母星が核実験で滅亡したため、放浪する事になった。しかし、その途中で宇宙船が故障し、重力バランスを制御出来なくなってしまったため、修理に必要なダイオードを求めて地球に来たと語る。その上で、バルタンは「我々の旅もこれで終わった」と言い、地球に住みたいと言いだす。

    すると、ハヤタは思いの外簡単に「良いでしょう」と答える。バルタンが地球の風習に馴染み、地球の法律を守るのなら、それも不可能ではないと。

    その上で彼は「君たちは一体何人いるんだ?」と問う。すると、バルタンは「20億3000万ほどです」と答える。当時の世界人口は約22億。とてつもない数字だった。星人は、自分の仲間は不可視の円盤にバクテリア大に縮小されていると言う。

    ハヤタは、それならばと火星に住むことを勧める。しかし、星人はそれを拒否。だが、何故かその理由を言おうとしない。ハヤタは更に問い詰めようとするが、星人はアラシから離脱。姿を現してハヤタらに襲い掛かる。ハヤタはいち早く敵の分身を見破り、本体に小型の矢を投げ付け、それを撃退。

    しかし、その直後巨大化したバルタンが出現。ハヤタはスーパーガンで対抗するが、敵の一撃で吹っ飛ばされ、失神。更に、ベータカプセルも落としてしまう。

    事態の悪化を悟った防衛隊ははげ鷹を発射。だが、星人は一度は倒れたものの、脱皮して復活。ハサミからのミサイルでビル群を破壊して飛び立つ。

    一方、意識を取り戻したハヤタはベータカプセルに手を伸ばす。しかし、失敗。カプセルは下の階の窓枠(?)に引っ掛かってしまう。

    その一方で、人類の抵抗が無いのを良いことに、バルタンはコンビナートを襲撃する。それをモニターで見ていたムラマツは、星人の弱点が火星にしかない物質「スペシウム」だと気付く。しかし、スペシウムは地球には無い。「しかし、或いは彼なら…」。

    一方、ハヤタは決死のダイブを敢行し、ウルトラマンに変身する。

    マンは飛び立ち、バルタンを追撃する。空中での壮絶な格闘戦の末、マンは星人のハサミを片方へし折る。その後、マンは着地。スペシウム光線を発射し、バルタンを倒すのだった。

    その後、マンはバルタンの円盤を発見。宇宙に運び去り、完全に破壊するのだった…。

    感想と解説。
    この話は、ウルトラマンの必殺技が「スペシウム光線」と呼称されるようになった過程や主要登場人物のパーソナリティーがよく描かれているという点、そして今や日本でもっともよく知られた宇宙人の一人(?)であるバルタン星人が初めて登場したという点で、初めてウルトラマンを見るという方には是非お薦めしたい作品です。

    本編シーンでは、特にイデとアラシの二人に注目したいところです。

    この話では、残念ながらジェットビートルによる空中戦は見られませんが、その分、後半のウルトラマンとバルタンの空中戦は見応え十分ですよ。

    バルタン星人の持つ独特の不気味さも秀逸。スーツの造形自体も見事なのですが、ほとんどが夜のシーンか薄暗い建物の中のシーンだったので、不気味さがより際立っていました。
    また、分身するシーンなどは「CGの無い時代によくぞ!」と思える出来です。

    今一度、フィルムの時代の作品に触れてみたいと思う方は、ぜひ一度ご覧になってみては如何でしょう?
    April 03

    新年度初のイラストUP!

    今日はグッと冷えましたね。こういうのを「寒の戻り」というんですかね?
    さて、メビウスは終わってしまいましたが、このブログはまだまだこれからですよ~。
    では、さっそくイラスト紹介にいってみましょう!
    一枚目は、『ガイズ全員集合』。最終回ラスト1カットの集合写真を参考に描きました。
    分からない人のために一応説明しておくと、一番上がサコミズ隊長(総監)。二段目は右からテッペイくん、リュウさん、ミライくん、ジョージ。そして、一番下の段は、右がコノミさんで、左はマリナさんです。
    しっかし、これが難しかったのなんの…。
    人間を書く時に、一番難しいのは他ならぬ『笑い顔』なんですよ。『真顔』とか『怒り顔』ならまだ描きやすいんですが、笑顔は顔の筋肉が複雑に歪むので、なかなか上手く再現できないんですよね。下手すると、怖い顔になっちゃいますし(苦笑)。
    とくに難しかったのがミライくん(全然似てないでしょ?)でした。次いで、サコミズさんとジョージの二人が難しかったです。この三人も真顔だったら上手く描けるんですが…。
    ちなみに、マリナさんとコノミさんを描くのに2時間。上の五人を描くのにさらに3時間かかりました。本当はトリヤマ補佐官とかも描きたかったのですが、この7人を描くので精一杯でした。
    あと、鑑賞ポイントとしては、男性陣は濃く、女性陣は柔らかに描いてみました。
    二枚目は『メビウスフェニックスブレイブ』。黄色く見えるところは本当は金色です。今回、初めて金色の色鉛筆を使ってみたんですが、なぜかPC上では綺麗に表示されないんですよね。そこが機械と人間の目の違いなのかも知れませんね。
    三枚目は『ウルトラマンレオ』。たぶん、彼が昭和のウルトラマンの中では一番強いです!
    四枚目は『郷秀樹(新)』です。タイトルに(新)とつけたのは、以前にも「郷秀樹」という絵は何回かUPしているので、それらと区別するためです。
    五枚目は、ペイント画シリーズ第三弾『ウルトラマン』です。実物よりもちょっとつり目になってる気がしますが、マウスではかなり善戦したといえるでしょう。
    六枚目は『ゼットン』。数あるウルトラシリーズの怪獣の中でも、高い人気を誇るのが、このゼットン。一兆度の火球を武器とするこの怪獣自体もすごいと思いますが、それの直撃を食らっても、一部破損した程度で済んだ科学特捜隊本部はもっとすごいと思います。
    七枚目は『ハヤタ・シン』。これは結構上手く書けたと思います。
     
    さて、ではまた感想などをコメント欄に残して行って戴けると嬉しいです。
    あと、今日は食玩の特集もやってるので、そちらの方もご覧下さい。

    オリジナル小説 第四十二弾!!

                        ウルトラマンA THE ZERO 第四十二章 ダーク・サイド
     それから一夜が明けた。
     しかし、
    「ウルトラマンが負けた…」
     その事実は、CPKにも、軍にも大きな衝撃を与えた。
     負傷したビリーは、病院で治療を受け、そこで軍の司令官と電話で話した。
    「我々、軍は今回の事態を重く受け止めている」
     相手は率直に言った。
    「ウルトラマンでもかなわない相手が現れた…。こうなった以上、我々は方針転換の道も探らねばならん」
    「それはつまり、奴らに…、失礼。ザンパ星人に和睦を求めるということですか?」
    「当然、それも一つの選択肢として考えねばなりませんなぁ」
    「司令官。お言葉ですが、それは、今まで戦って命を落としてきた者たちへの冒涜では?」
    「隊長代行。確かにあなたのお気持ちも分かります。しかし、犠牲者だけが増えると分かっている戦いを続ける方が、よほど死者の遺志に背くのでは?」
    「しかしですね…、考えてみて下さい。今まで、散々残酷な手を使ってきた連中ですよ。たとえ、こちらが白旗を振ったとして、先方がすんなり我々を受け入れてくれるとは、とうてい思えません」
    「確かに、その危惧はある。或いは全人類が敵の奴隷と化すことになるかも知れない。しかし、それでも生き残ってさえいれば、いつか再興の道も開けるかも知れんよ」
    「それも一理あります。が、果たして本当にそうでしょうか?」
    「?」
    「私は、この一連の戦いを見てきました。そして、一つのことに気付きました」
    「何だね?」
    「心です」
    「心?」
    「そうです。ザンパ星人は、人間の心をたくみに利用しています。スペーグスの時もそうでした。彼らは、人間の心にウルトラマンへの敵意を植えつけようとしました。そして、次のシルバーブルーメ、ノーバの時は、人間の心の恐怖を利用したんです。恐怖と混乱によって、人間社会を内部から崩壊させようとしたのです」
    「それで?」
    「そして、今度は―これは私の個人的見解ですが―ウルトラマンを倒したことで、人間の絶望を煽ったんじゃないでしょうか?」
    「……」
    「絶望によって、戦意をそぎ、我々が自分たちに白旗をあげるように仕向けているのではないでしょうか?」
    「……」
    「もし、これが当たっているとすれば、我々が白旗をあげたが最後、希望を見失った人類は、二度と立ち上がれなくなりますよ」
    「まさかっ…」
    「悔しいですが、奴らは人間の心を操作しています。もしも、我々が今負けを認めれば、その瞬間、我々が奴らの奴隷になったと認めた事になるんですよ」
    「……」
    「司令官?」
    「どうすればいいのだ…?どうすれば…」
    「それは、これから考えていく事ですよ…」
     そう言って、ビリーは静かに受話器を置いた。
    「状況は芳しくないですか?」
     傍らでそのやり取りを聞いていたシュペーマンは訊いた。
     ビリーは小さく頷いてから、
    「ああ。士気が落ちてるんだ」
     と言った。
    「やはり、ウルトラマンの敗北が…」
    「それは大きいだろうな…。MDFが力を失った今、彼は円盤生物に対抗し得る唯一の存在だったんだからな」
    「ウルトラマンは死んだんでしょうか?」
     その問いに、ビリーはすぐには答えなかった。
    「副隊長?」
    「俺は…」
    「?」
    「俺はな、彼が死んだとは思えないんだ」
    「しかし…」
    「ああ、分かってるよ。俺だって、この目で見たんだ。ウルトラマンが力尽きて消えていくのを…」
    「では…」
    「だが、俺は思う。彼は…、ウルトラマンは神ではないせよ、何か特別な存在のような気はしないか?今までだってそうだったじゃないか。たとえ倒れても、また立ち上がった…。俺たちが諦めない限り…」
    「副隊長…」
    「……」
    「お気持ちは分かりますが、現時点では、ウルトラマンは死んだものと考えなければなりません」
    「分かってるよ…。それが、指揮官の務めだもんな…」
    「ところで…」
    「?」
    「なぜ、黒い巨人が現れなかったと思いますか?」
    「……」
    「今までは、黒い巨人がピンチの時にはウルトラマンが、逆の場合には黒い巨人が現れていました。それなのに、なぜ今回に限って、黒い巨人は現れなかったんでしょうか?」
    「俺も、それは考えたよ」
    「それで…?」
    「理由は俺にも分からん。ただ、二つの可能性があるとは思ってる」
    「二つの可能性?」
    「一つは、黒い巨人が何らかの理由で来られなかったか…」
    「もう一つは?」
    「或いは、意図して現れなかったか…」
     シュペーマンは驚いた顔で、ビリーを見た。
    「それは、つまり…、ウルトラマンを見殺しにした、ということですか?」
     しかし、ビリーは小さく首を振って、
    「いや…。そうは言ってない」
    「と、言いますと?」
    「つまり…、上手くはいえないが、黒い巨人にも、それなりの考えがあったんじゃないかって事さ…」
     と、言った。

     同じ頃、ルナは気を失っていた。
     しかし、変な話だが、意識はあった。
     その意識の中で、ルナは誰かに話しかけられた。
    「ルナ…」
     それは、宇宙警備隊副隊長ゾフィーの声だった。
    「副隊長…。申し訳ありませんでした…」
    「なぜ、謝るのだ?」
    「僕は、規則を破りました」
    「クレアという少女のことか?」
    「はい…」
    「…お前は、間違った事をしたと思っているのか?」
     ゾフィーは訊いてきた。
    「いいえ。偉そうな事を言うと思われるかも知れませんが、僕は自分が正しかったと確信しています」
    「なぜ、そう思う?」
    「僕は、一番救いたい人を救いました」
    「どういう意味だ…?」
    「彼女は、僕が…。いえ、我々ウルトラ人が忘れてしまった、多くのものを教えてくれました…」
    「それは?」
    「上手くは言えません。でも、それは確かに僕の胸の中にあります」
    「そのために、自分を命を落とすところだったのだぞ…」
    「こんな経験は初めてでした…。この命を引き換えにしてでも、救いたいと思ったのは…」
     すると、ゾフィーは、
    「馬鹿を言うな!」
     と、いきなり語気を強めて言った。普段温和な彼には珍しい事だった。
    「お前が死ねば、お前が守っている何億という命もまた失われる事になるのだぞ!」
    「……」
    「それに、お前はクレアという少女も殺しかけたのだ…」
    「?!」

    「ところで、ルナとクレアの行方はまだ分からないのか?」
     ビリーが訊いた。
    「ええ。無線の応答はありませんし、現場一帯を捜索しているのですが、今のところは…」
    「そうか…」
    「こんな時に、いったいどこへ…?」
    「もしかしたら、戦闘に巻き込まれて、大怪我をしたのかも知れんな」
    「病院や救護所をあたってみます」
     そう言うと、シュペーマンは駆け出していった。
     ビリーがそれを見送ると、ほぼ入れ替わりに別の男が入ってきた。
    「お久しぶりです」
     相手は言った。
    「君は、確か…」
    「はい。CPK科学技術研究所主任技師のルッツです」

    「どういうことですか?」
     ルナは訊いた。
    「お前は、不完全な状態で合体変身をした。そのためにブラックガロンに敗れたのだ。そして、命を落としかけた…」
     ゾフィーは言った。
    「それは…」
    「ウルトラマンルナが死ねば、同時に彼女も命を失うのだぞ」
    「それは分かります。しかし…」
    「しかし、なぜ不完全だったのかが分からない、か?」
    「そうです。教えて下さい!」
    「それは、簡単な話だ」
    「?」
    「お前と彼女が、真に心を一つに出来なかったからだ」
     その言葉は、ルナにはあまりにも意外だった。
    「そんな…。そんな筈はありません。僕と彼女は…」
    「確かに、お前たちは心を通じ合わせる事は出来た…」
     ルナの言を遮るように、ゾフィーは言った。
    「……」
    「だが、通じる事と、一つになる事とは、全く別問題だ」
    「それは、どういう意味ですか?」
    「ルナ…」
    「はい」
    「ウルトラ5つの誓いを忘れたか?」
    「?」
    「『他人の力を頼りにしない事』」
    「……」
    「ルナ。これは自分で選んだ道だ。ならば、最後まで走り抜け。自分の足で…」
     そう言い残して、ゾフィーは彼の意識の中から消えていった。
     その直後、ルナは目を覚ました。

    オリジナル小説 第四十一弾!

                   ウルトラマンA THE ZERO 第四十一章 戦いの行方
    「うおおお…」
     ビリーは走りながらランチャーを乱射した。
     ブラックガロンの身体のあちこちで、小規模な爆発が起こる。
     しかし、相手は知らぬ顔で、相変わらず馬乗りウルトラマンを痛めつけている。
    (人間なんざ眼中に無し、かよ!)
     すると、ビリーは立ち止まって、ランチャーをしっかりと構えた。
    「この野郎ッ!こっちを向きやがれぇ!!」
     ブラックガロンの左目に狙いを定めた。そして、トリガーを引く。
    「ギャーーース!!」
     ブラックガロンは悶絶した。
     そして、その瞬間、ルナにかかっていた体重がふっと軽くなった。
    (今だ!)
     ルナは、全力で相手の身体を押しのけた。そして、何とか脱出に成功すると、地面を転がって出来るだけ敵から離れた。
     既に、胸のカラータイマーは点滅を始めていた。
    「グググ…」
     ブラックガロンは左目を押さえながらよろよろと立ち上がった。そして、眼下のビリーを睨みつけた。
    (ちぃとばかしやばいな…)
     ビリーもさすがに半歩後ずさった。
     すると、ブラックガロンは両手を前に差し出し、手先の穴から火花のような眩いスパーク光線を発射した。
    (やばいぞッ!)
     ビリーはランチャーをその場に放って、全力で走り出した。
     しかし、火花は容赦なく彼に降りかかってくる。まるで滝壺の水しぶきのように。かわすのも容易ではない。
     火花が落下するたび、そこの地面は炎をあげて爆発した。
     あっと言う間に、辺りは火の海と化した。
     輻射熱がビリーの肌に容赦なく襲い掛かってくる。
     隊員服とヘルメットは、ある程度の熱に耐える構造にはなっていたが、どこまで持ちこたえてくれるか分からなかった。
     とにかく熱い。
     足元から溶けてくるようだった。
    (鉄板の上のバターになった気分だぜ…)
     やがて、進行方向にも炎が回った。
    (やばいぞ…。いよいよやばい…)
     見回したが、どこにも逃げ道や隠れ場所は見当たらなかった。
     そうしている間にも炎が、ブラックガロンが迫ってきた。
    (万事休す、か…)
     その時だった。
     彼の目の前に、大きな銀色の手が差し伸べられた。
     ルナである。
    「乗れと言うのか?」
     ルナは黙って頷く。
    「恩にきるぜ…」
     ビリーはそれに従った。
     彼が乗ると、ルナはそのまま手を持ち上げ、彼を火中から救い出した。
     そしてルナは、彼を部下たちの居る場所に下ろすと、再び敵に向かっていった。
     しかし、ブラックガロンは今度はこちらに突進してくることはしなかった。
     スパーク光線を撒き散らし、彼を一歩たりとも近づかせまいとした。
     それでも、ルナは向かっていこうとしたが、敵の光線の熱量は尋常ではなかった。
    「ウオッ…」
     顔や腕に火花を浴びたルナは、思わず後ずさった。
     すると、それを好機と見たブラックガロンは、その光線で一気に攻勢に転じた。
     ルナは、ただただそれをかわすだけだった。
     そうしているうちに、カラータイマーの点滅が激しくなった。
    (はやく決着をつけなければ…)
     ルナは焦った。
     そして、ルナは、賭けに出た。
     バック転で一旦後退すると、ルナはL字型に腕を組み、メタリウム光線を発射した。
     光線は見事に命中。大爆発を起こした。

    (やったか…?)
     ビリーが、いやこの戦いを見ていた全ての者が、恐らくそう確信しただろう。
     しかし、弾着の煙が切れた時、ルナが、全員が凍りついた。
     ブラックガロンは平気な顔をして立っていたのだ。
    「そんな馬鹿なッ!!」
     ビリーが絶叫した。
    「ウオ…」
     今の一撃で、いよいよ体力を消耗したルナは、片膝をついてしまった。もはや、立ち上がって更なる攻撃を仕掛ける力も残されていなかったのだ。そして…、
    「あっ!ウルトラマンが…」
     クリスが叫んだ。
     見ると、ウルトラマンの身体は徐々に傾いていった。
     そして遂に、完全に地面に倒れこんでしまった。
    「駄目だ…。ウルトラマン、立つんだぁ~!」
     ビリーが叫んだ。
    「そうよ。立って…。あいつをやっつけてよ~」
     とクリス。
     しかし、彼らの声も虚しくこだまするだけだった。そして、
    「あッ、ああッ…」
    「ウルトラマンが…」
    「消えていく…」
    「……」
     ルナは、次第に半透明になっていき、やがて完全に消えてしまった。
     あとには、ルナの形に陥没した地面だけが残った。
     すると、それを見届けたブラックガロンは、
    「ギャース!」
     と、一回だけ吼えると、こちらも夜の闇の中に、静かに消えていった。
    「死んだ…、のか…?」
     と、シュペーマン。
    「いやあぁーーーーーーー!」
     と、クリス。
    「……」
    「……」
     あとの二人は一言も発しなかった。発せなかったというべきか…。
     ウルトラマンが負けた…。円盤生物に負けた…。侵略者に負けた……。
     今宵の夜陰は、一段と深かった。

    食玩~その飽くなき挑戦~再び!

    先日、このところ災害が多発している事を受けて、防災用品を購入するため、家族で近所のスーパーに足を運びました。
    そして、まず向かったのが、缶詰コーナー。
    日本の非常食の代名詞とも言えるカンパンを買おうと思ったのですが、最近はカンパンも色んな種類があるんですね~。目移りしてしまいました。
    さんざん迷った挙句、最終的に選んだのは、結局いちばんポピュラーな氷砂糖の入ったやつでした(笑)。
     
    そしてその後ですが、「何かお菓子でも買おうか?」という事になって、同じ店のお菓子コーナーに向かいました。
    すると、お菓子の棚に見覚えのある文字が…。
    よくよく見てみると、「ウルトラパノラマファイト」とありました。
    一目で気に入った私は早速購入。
    では、解説にいってみましょう!
    まずは箱。梶田達二氏書き下ろしのイラストが、なんともいい味を出しています。
    しかも、箱を良く見ると、なんと「対象年齢15歳以上」とありました。
    どうやら、リアルさを追求したところ、細かい部品やとがった部品が多くなってしまったためとの事らしいです。
    単価は500円(税抜き)。
    中身は、写真(↑)の通り。チューインガム1個に、組み立て式のフィギュアが1セット、メンコが1枚、さらにオリジナルストーリーブック1冊まで同根されている超豪華版です。フィギュアはパーツごとに袋が分けられており、パーツ同士が擦れ合って痛む事のないように工夫されています。
    上(↑)は完成図。ちょっと古い型のデジカメを使ってるので、ピンボケしちゃってますね。すみません。
    一応、場面としてはバルタン星人とアントラーが砂漠で戦っているシーンです(分かりづらいですが)。
    これは別アングルから撮影したもの。今度は綺麗に撮れてますね。戦っている2体の横に、墜落したビートルが配置されているのがこの作品のこだわりのようです。
    これはまた別アングルからの一枚。ずいぶん細かいところまで綺麗に再現されている事が分かります。
    ちなみに、勝敗のほどは、商品を買って確かめてくださいね(笑)。